フェデラーはマッチポイントを生かせずティームに敗退 [ムトゥア・マドリッド・オープン]

ATPツアー公式戦の「ムトゥア・マドリッド・オープン」(ATP1000/スペイン・マドリッド/5月5~12日/賞金総額727万9270ユーロ/クレーコート)の男子シングルス準々決勝で、第4シードのロジャー・フェデラー(スイス)がふたつのマッチポイントをものにすることができず、第5シードのドミニク・ティーム(オーストリア)に6-3 6-7(11) 4-6で敗れた。

 それはフェデラーがふたつのマッチポイントを凌ぎ、ガエル・モンフィス(フランス)にフルセットの末競り勝った試合の翌日に起きた。

 3年ぶりのクレーコート復帰戦はこうして幕を閉じたが、フェデラーは結果に失望しきってはいなかった。

「自分のテニスに関しては、非常にいい感触を覚えている。ここでいくつかのいい試合をすることができた」とフェデラーは振り返った。

「今現在、クレーコートでいい感じを覚えている。いい1週間だった。もちろんフラストレーションはある。一度はマッチポイントを握りながら敗れるというのは最悪だ。それでも一歩引いてみてみれば、すべてはよいことだ」

 フェデラーはシーズンの残りでいい体調を保つため、ここ2年クレーシーズンを丸々スキップして休養と調整に当てていた。彼は今年、2015年以来のフレンチ・オープンにむけての準備でクレーコートの大会に帰還することを決めた。

 過去2年マドリッドで準優勝しているティームは、準決勝で第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦する。世界ランク1位のジョコビッチは、対戦相手だった第9シードのマリン・チリッチ(クロアチア)が食あたりで棄権したため不戦勝で勝ち上がった。

 ティームは今、インディアンウェルズとバルセロナに続く今季3つ目のタイトルを勝ち獲るチャンスを手にしている。彼はインディアンウェルズ決勝でも、フルセットの末にフェデラーを倒していた。

「彼と対戦するときにはいつも絶対的な自分のベストテニス、そしてちょっぴりの幸運も必要となる。その両方を、僕はインディアンウェルズ、そしてここでも手にすることができた。だからこそ、僕はその2試合に勝ったんだ」とティームは試合後に語った。

 もうひとつの準決勝は、第8シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)とマドリッドで過去に5度優勝している第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)という顔合わせになった。

 チチパスが前年度覇者で第3シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)を7-5 3-6 6-2で、ナダルはスタン・ワウリンカ(スイス)を6-1 6-2で退けた。

 ナダルは自分のサービスゲームでわずか7ポイントしか落とさず、世界34位のワウリンカに一度もブレークチャンスを与えなかった。ワウリンカは2013年のマドリッド決勝でも、ナダルに敗れていた。

「これはかなり長い期間を振り返っても、僕のベストマッチのひとつだった。今季のクレーコートでのベストマッチだ」と世界2位のナダルは手応えを口にした。

「クレーコートシーズンのこの重要な時期に、このフィーリングを得られるということには非常に大きな意味がある」

 非常にいいスタートを切ったフェデラーは、早めにブレークを果たして第1セットを比較的楽に取った。彼は第2セットで5つのブレークポイントを無駄にし、それからタイブレークで8-7、10-9と2度マッチポイントを握ったが、その都度巻き返したティームが6つ目のセットポイントをものにして勝負を最終セットに持ち込んだ。

 第3セットの第3ゲームで9度目のブレークチャンスをついにものにしたティームは、初めてフェデラーのサービスゲームをブレークした。フェデラーは4-4と追いついたが、次の自分のサーブゲームで0-40と劣勢に立たされ、そこからはもう挽回することができなかった。ティームは2度目のマッチポイントを決め、自分のサービスゲームをきっちりキープして試合を終わらせた。

 準決勝の相手であるジョコビッチに対して、ティームはここ2対戦で勝っている。

 チリッチの棄権により不戦勝で準決勝に至ったジョコビッチは、「いい試合になるはずだったのだが」と残念がった。彼は今週、まだ4セットしかプレーしていない。

「コートに戻ってさらに1時間練習し、いい汗をかいたよ。準決勝に向け、エネルギー溢れる状態であるのはいいことだ」

 今シーズンをオーストラリアン・オープン優勝で始めたジョコビッチは、今年2つ目、マドリッドでは3つ目となるタイトルを目指している。

 一方のティームは、2017年のマドリッド決勝ではナダルに、昨年の決勝ではズベレフに敗れていた。

「昨年と2年前に僕はノバクと対戦して勝ったが、彼はベストの調子ではなかったと思う。しかし今、彼はふたたびベストに戻った」とティームは決勝を見据えた。

「彼はここ3つのグランドスラム大会で優勝しており、ランキングでもトップに返り咲いた。だからチャレンジは、この上なく大きいものだ」(C)AP(テニスマガジン)

※写真はロジャー・フェデラー(スイス)
MADRID, SPAIN - MAY 10: Rodger Federer of Switzerland reacts in his men's singles quarter-final match against Dominic Thiem of Austria during day seven of the Mutua Madrid Open at La Caja Magica on May 10, 2019 in Madrid, Spain. (Photo by Alex Pantling/Getty Images)

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