最後のバルセロナでナダルに敗れたフェレールは涙を堪えきれず [バルセロナ・オープン・バンコサバデル]

ATPツアー公式戦の「バルセロナ・オープン・バンコサバデル」(ATP500/スペイン・バルセロナ/4月22~28日/賞金総額274万6455ユーロ/クレーコート)のシングルス3回戦で、前年度覇者のラファエル・ナダル(スペイン)がワイルドカード(主催者推薦枠)で出場した同胞のダビド・フェレール(スペイン)を6-3 6-3で下し、準々決勝に駒を進めた。この日のナダルは、クレーコートでのベストの調子にふたたび近づいたように見えた。

 37歳のフェレールは、来月のマドリッドを最後に引退を予定している。バルセロナを11度制したナダルはフェレールとの最後の対戦になるかもしれないこの試合で、相手に許した5つのブレークポイントのうち4本をセーブし、自分は4度ブレークを果たした。

 先週のモンテカルロの準決勝で敗れ、それからバルセロナの初戦でレオナルド・メイヤー(アルゼンチン)を倒すのに3セットを必要としたナダルにとって、それは調子向上のサインでもあった。

「この試合は、僕にとって非常に重要なものだった」とナダルはコメントした。

「昨日の試合は厳しいものだった。今日、僕は一歩前進し、よりエネルギーに満ちたプレーをすることができた」

 トップシードのナダルは次のラウンドで、世界ランク51位のヤン レナード・ストルフ(ドイツ)と対戦する。ストルフは3回戦で、第5シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)を6-4 3-6 6-2で倒す番狂わせに成功した。世界8位で20歳のチチパスは昨年、ここバルセロナの決勝でナダルに敗れていた。

 ナダルが第1セットで5-3とリードしたところで、試合は雨のため一時中断となった。しかし、プレーが再開してからもナダルは試合の主導権を握り続け、サービスゲームをキープしてセットを取ると、次のゲームを直ちにブレークした。

 フェレールは3つのマッチポイントを凌いだが、最終的にフォアハンドをネットにかけてナダルに勝利を手渡した。

 最後のバルセロナ・オープンをプレーしていたフェレールは、観客からスタンディングオベーションを受けたときに涙を抑えきれなかった。彼はここで最後の試合を戦った証として、身に着けていたピンクのヘッドバンドをコートの上に置いた。

「ナダルに対してプレーし、センターコートでこの大会を終えることができて幸せだ。僕は、自分のすべてを捧げた」とフェレールは試合後に語った。

 そのほかの試合では、第3シードのドミニク・ティーム(オーストリア)がジャウメ・ムナール(スペイン)のサービスゲームを5度ブレークし、 7-5 6-1で勝利をつかんだ。

 ティームは準々決勝で、ブノワ・ペール(フランス)を7-5 6-3で破って勝ち上がったギド・ペラ(アルゼンチン)と対戦する。   

 2014年と2015年大会の優勝者である第4シードの錦織圭(日清食品)は、18歳のフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)を6-1 6-3で退けた。

 錦織の次の相手は、ロベルト・カルバレス バエナ(スペイン)に決まった。ファビオ・フォニーニ(イタリア)の棄権のおかげでラッキールーザーとして大会出場権を得たカルバレス バエナは、クリスチャン・ガリン(チリ)を6-4 7-6(2)で下してベスト8進出を果たした。

 また、グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)はラッキールーザーのニコラス・ジャリー(チリ)に6-2 4-6 6-7(2)で競り負けた。ジャリーは2回戦で、第2シードのアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)を倒す番狂わせを演じていた。

 ジャリーは次のラウンドで、第7シードのダニール・メドベデフ(ロシア)と対戦する。メドベデフはこの日、マッケンジー・マクドナルド(アメリカ)を6-3 6-2で破って8強入りを決めた。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はダビド・フェレール(スペイン)
BARCELONA, SPAIN - APRIL 25: David Ferrer of Spain acknowledges the crowd at the end of his match against Rafael Nadal during the round of 16 match on day two of the Barcelona Open Banc Sabadell at Real Club De Tenis Barcelona on April 25, 2019 in Barcelona, Spain. (Photo by David Ramos/Getty Images)

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