J.J.ウルフが素晴らしいグランドスラム本戦デビュー [USオープン]
今年ふたつ目となるグランドスラム「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月31日~9月13日/ハードコート)の大会4日目は、ボトムハーフの男女シングルス2回戦と男女ダブルス1回戦が行われた。
ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場した21歳のJ.J.ウルフ(アメリカ)ことジェフリー ジョン・ウルフは、“静か”に3回戦進出を決めた。それは彼にとって、ちょっぴり物足りなさを感じさせるものだった。
「ここでの感覚は、間違いなく例年とは違う」とウルフは無観客でのプレーについて語った。「特にUSオープンの素晴らしいスタジアムでは、通常ならニューヨーカーや世界中からやって来たファンたちが選手のために大声援を送っている。でもそうは言っても、ここにいることができてうれしいよ」。
世界ランク138位で今回グランドスラム大会デビューを果たしたウルフはネットで26ポイントを獲得し、ロベルト・カルバレス バエナ(スペイン)を6-2 6-4 6-3で倒した。
オハイオ州立大学時代にオールアメリカンに選ばれたこともあるウルフは若きアンドレ・アガシ(アメリカ)のように肩まで垂らした髪を誇示しているが、それは偶然のことではない。
「僕はいつも、彼の試合のハイライトを観て楽しんでる。(アガシは)本当に才能ある選手だよね」とウルフは明かした。「この髪型は完全に彼の真似したものだとは言わないけど、もしそれが彼への尊敬の印となるならそれでいいよ」。
1回戦の勝利後にウルフがOKのジェスチャーを見せたところを写真に撮られ、そのことが騒ぎを巻き起こしていた。OKのジェスチャーは、ときに白人の優位性に関連付けられることがあるのだ。
「僕は興奮していた。最初の勝利だったんだ。ただ手で“すべてよし”のシンボルを作っただけだったんだよ。他に何かの意味があるなんて、僕はまったく知らなかった」とウルフは弁解した。
「僕の中に人種差別の観念は微塵もない。僕の友達には様々な(人種の)人々がいる。あの仕草について言われたコメントは、本当に不快なものだった」
ウルフは次のラウンドで、クリストファー・オコネル(オーストラリア)を6-3 6-2 6-4で破って勝ち上がった第3シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)と対戦する。(APライター◎スティーブン・ワイン/構成◎テニスマガジン)
※写真は昨年のインディアンウェルズの大会でのJ.J.ウルフ(アメリカ)(Getty Images)
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