ジョコビッチが苦戦を切り抜けて3回戦へ [ロレックス・モンテカルロ・マスターズ]
モナコ・モンテカルロで開催されている「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(ATP1000/4月14~21日/賞金総額558万5030ユーロ/クレーコート)のシングルス2回戦で、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)がときに自らのサービスの調子に苦しめられながらもフィリップ・コールシュライバー(ドイツ)に6-3 4-6 6-4で辛勝し、3回戦に駒を進めた。
優勝歴2度のジョコビッチは8度にわたってダブルフォールトをおかし、コールシュライバーにとどめを刺すのに5つのマッチポイントを必要とした。コールシュライバーはジョコビッチとの過去10回の対戦で8回敗れていたが、先月のインディアンウェルズの3回戦で稀な勝利を手に入れていた。
この日も彼は、世界ランク1位のジョコビッチを困難に陥れた。概してミスの多かった試合であり、第2セットでコールシュライバーが2-1とリードした時点から8ゲーム連続でサービスブレークが起きた。
試合の半ば、ジョコビッチは右腿に数分に渡って治療を受けている。彼は第5ゲームの最中に、ベースラインでスライディングをした際に脚を痛めた様子だった。
「僕は第2セットで、4ゲーム連続でサービスを落とした。そんなことは僕の人生を通して、そう何度も起きたことがない」とジョコビッチはコメントした。
「僕はビッグサーバーではないが、それにしても(4ブレークされるというのは)かなり多い。今日は、サービスであまりよい感じを覚えることができなかった……こう言っておこう」
第3セットの出だしでコールシュライバーがサービスを落としたあと――それはふたり合わせて連続8回目のブレークに当たるものだったのだが――ジョコビッチはサービスをついにキープして2-0とする前に、ブレークポイントをセーブしなければならなかった。
15度グランドスラム大会で優勝し、来月に始まるフレンチ・オープンで4大会連続のグランドスラム・タイトルを狙うことになるジョコビッチは、そこからレベルを引き上げた。彼はサービスをラブゲームでキープして4-2とし、それからブレ―クポイントを1つ凌いで5-3とした。
こうして35歳のコールシュライバーは 、試合にとどまるためには何としてもサービスをキープしなければならない状況に追いやられる。そして彼は30-40からの最初のマッチポイントを見事なドロップショットでセーブし、プレッシャー下でのサービスキープに成功した。
自分のサービスをキープすれば勝ちというゲームに臨んだジョコビッチは、さらに3つのマッチポイントを決め損ねた。コールシュライバーのリターンがアウトとなり、ついに試合を決めたあと、彼はフラストレーションから解放され、そのボールを大きく打ち出した。それから観客席にもうひとつのボールを打ち込んだ。
試合の間、ジョコビッチはときどき苛立ちを露わにし、第2セットで2-4とされたときにはラケットを地面に叩きつけた。やはり第2セットの終盤に、彼はベースラインでショットを返そうとしてボールにラケットを投げ、うっかりそれを観客席に放り込んでしまった。
「今日のポジティブな点は、踏ん張り続け、戦い、頑張り抜いたことだ」と31歳のジョコビッチは試合後に語った。
「ある意味、僕が初戦で2時間半をコート上で費やすことになったというのはいいことだ。このサーフェスは肉体的に非常の要求の高いものだからね」
彼は次のラウンドで、テイラー・フリッツ(アメリカ)とディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)の勝者と対戦する。
フリッツは1回戦でジョーウィル フリード・ツォンガ(フランス)と対戦したが、6-4 2-0でリードしているときにツォンガが背中の故障を理由に途中棄権した。
この火曜日には、グランドスラム大会で3度優勝した経験を持つスタン・ワウリンカ(スイス)が昨年のフレンチ・オープンで4強入りした第11シードのマルコ・チェッキナート(イタリア)に対する2回戦で、第1セットを簡単に取ったあと、さらにワンブレークを果たしたあとに巻き返され、6-0 5-7 3-6で逆転負けした。
ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したジャウメ・ムナール(スペイン)もまた、第9シードのボルナ・チョリッチ(クロアチア)に対してセットを先取し、第2セットでも先にワンブレークを果たしながら、結局7-6(3) 6-7(7) 4-6で敗れた。
そのほかの2回戦では、ギド・ペラ(アルゼンチン)が第7シードのマリン・チリッチ(クロアチア)を6-3 5-7 6-1で下した。ペラはチリッチのパワフルなサービスを8度もブレークすることに成功した。
もうひとつの番狂わせは、予選を勝ち上がったロレンツォ・ソネゴ(イタリア)が第8シードのカレン・ハチャノフ(ロシア)に7-6(4) 6-4で勝った試合だった。
残っていた1回戦では、このところ大活躍を見せている18歳のフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)が予選勝者のフアン イグナシオ・ロンデロ(アルゼンチン)を7-5 7-6(5)で倒した。オジェル アリアシムは2回戦で、第3シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)と対戦する。
今大会で12度目の優勝を目指す前年度覇者のラファエル・ナダル(スペイン)は水曜日に、彼にとって初戦となる2回戦で同胞のロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)と対戦する。ナダルはインディアンウェルズでロジャー・フェデラー(スイス)と対戦するはずだった準決勝を前に、右膝の故障のため棄権して以来、公式戦でプレーしていなかった。(C)AP(テニスマガジン)
※写真はノバク・ジョコビッチ(セルビア)
MONTE-CARLO, MONACO - APRIL 16: Novak Djokovic of Serbia throws his racket at the ball after trying to play a backhand against Philipp Kohlschreiber of Germany in their second round match during day 3 of the Rolex Monte-Carlo Masters at Monte-Carlo Country Club on April 16, 2019 in Monte-Carlo, Monaco. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)
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