フェデラーとナダルが勝ち上がり、準決勝で39回目の対戦へ [BNPパリバ・オープン]

ATPツアー公式戦の「BNPパリバ・オープン」(ATP1000/アメリカ・カリフォルニア州インディアンウェルズ/3月7~17日/賞金総額903万5428ドル/ハードコート)の男子シングルス準々決勝で、第4シードのロジャー・フェデラー(スイス)がホベルト・ホルカシュ(ポーランド)を6-4 6-4で破り、第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)は第12シードのカレン・ハチャノフ(ロシア)に7-6(2) 7-6(2)で競り勝ち、古きよきライバル同士の39回目の対決のお膳立てが整った。

 これはまた、ふたりにとって16ヵ月ぶりの対戦ともなる。

 今大会ここまでの4試合で、フェデラーとナダルの双方がまだ一度もセットを落としていない。フェデラーは1度だけサービスゲームをブレ―クされ、一方のナダルは3度サービスを落としたが、そのうちふたつはこの日のハチャノフに対してだった。

 インディアンウェルズで記録的6度目の優勝を追い求めるフェデラーの行く手に、ナダルが立ちはだかることになる。

 それでもフェデラーは、ナダルのほうが新進気鋭の22歳を倒して勝ち上がるよう応援していたという。

「若い選手たちと対戦した末に、ついにナダルにたどり着くということには、すごくわくわくさせられるよ」とフェデラーは語った。フェデラーもまたこの日、ハチャノフと同じ歳の選手と対戦していた。

 この日の試合の第2セットで、今大会で初めてナダルの右膝は問題を起こした。彼はトレーナーを呼び、トレーナーは彼の膝のすぐ下にテーピングを施した。第2セットのナダル3-2リードのチェンジコートの際に、トレーナーはふたたび治療に戻ってきた。

「僕のゴール、僕の考えは、明日のために準備を整えるということだ。明日の朝起きたときにどのような状態かを、保証することはできない」とナダルは試合後にコメントした。

 膝の問題はここ何年かに渡り、32歳のナダルに付きまとってきた。それは、彼が昨年9月のUSオープン後に、2018年シーズンを早めに切り上げた原因でもあった。

「ハードコートでプレーするのは好きだが、たぶん僕の体はそれほどでもないみたいだ」とナダルは言った。

「前にも言った通り、今日だけでなく、明日、未来も関わってくることだ。もしかしたら、45歳やそこらで、僕らはその代償を払うことになるのかもしれない。それは愉快なことじゃないだろう」

 このところのフェデラーは、5試合連続でナダルに勝っている。ナダルは、2017年にフェデラーと対戦した4試合のすべてで敗れており、最後の敗戦は昨年10月の上海マスターズにおいてだった。

「そこで自分が何をうまくやったかを振り返っても、それをただコピー&ペーストしてまったく同じプレーをすることはできない」とフェデラーはコメントした。

 土曜日に行われるもうひとつの準決勝では、第7シードのドミニク・ティーム(オーストリア)と第13シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)が対戦することになっている。

 ナダルの準々決勝はフェデラーよりも長く、より厳しいものだったとはいえ、ナダルはこの勝利でハチャノフとの対戦成績を6勝0敗とした。

 第2セットでナダルは一時5-6と劣勢に立たされていたが、それからハチャノフがフォアハンドのミスを犯し、勝負はまたもタイブレークに持ち込まれた。そして、そのタイブレークではナダルが終始優位に立ち、2時間余りかかった試合に終止符を打った。

「彼のディフェンス能力は、信じられないほどすごい」とハチャノフは振り返った。

「例えばちょっぴりより安全にプレーしようとしたりすると、彼は突然コートに踏み込んでカウンターアタックを仕掛けてくる。彼は踏み込み、揺さぶりをかけ始め、そうなると困難に陥れられることになるんだ」

 オーストラリアン・オープンでノバク・ジョコビッチ(セルビア)に負けたときよりも、ナダルはいいプレーをしているとフェデラーは見ている。ジョコビッチは、週の早い段階のフィリップ・コールシュライバー(ドイツ)に対する試合で、驚きの黒星を喫していた。

「ラファが、特に彼が心地よさを覚えているインディアンウェルズのような場所で、いい健康状態にあるとき…彼は間違いなく非常に厳しい対戦相手となる」とフェデラーは警戒した。

 ホルカシュに対する試合の第2セットで、フェデラーはふたつのブレークポイントを凌いでおり、そのうちひとつは5-4から迎えた最終ゲームにおいてだった。彼は短いボールをフォアハンドで叩いて決め、結局そのゲームで試合にとどめを刺した。

「そうなることを期待していなかった訳ではないが、思っていたよりもうまくいったことは間違いないよ」とフェデラーは試合を振り返った。

 22歳のホルカシュは、第28シードのルカ・プイユ(フランス)、第6シードの錦織圭(日清食品)、第24シードのデニス・シャポバロフ(カナダ)に対して3つのフルセットの番狂わせを演じた末にATPマスターズ1000の大会で自己初の準々決勝進出を果たし、そこで子供時代のアイドルと対戦した。フェデラーは、このレベルでは83度目となる準々決勝をプレーしていた。

「素晴らしい観客でいっぱいの大きなスタジアムで、初めてフェデラーと対戦するというのは、間違いなくこれまでと違った感慨だった」とホルカシュは今回の経験について語った。

 ごく最近、ドバイでキャリア100勝目となるタイトルを勝ち獲ったフェデラーは、プロ化以降の時代で最多であるジミー・コナーズ(アメリカ)の獲得タイトル数まであと「9」と迫った。37歳のフェデラーは、マーティ・リーセン(アメリカ)が同じ歳でアメリカ・ルイジアナ州ラファイエット優勝を遂げた1979年以降で、ツアーレベルの大会で優勝した最年長プレーヤーとなった。

「僕は比較的スムーズに自分のサービスをキープしている。サービスゲームに向かうとき、メンタル的にいい状態にいる」とフェデラーは手応えを口にした。

「今週ここまでのところ、それは結果にも現れている。だから、この状態を続けられるように願うよ」

 フェデラーは、第1セット唯一のブレークを、第5ゲームで果たした。彼は第2セット3-2からのサービスゲームでホルカシュにブレークポイントを握られたが、フォアハンドのウィナー2本とサービスエースを立て続けに決めて、そのゲームをものにした。

 ホルカシュはサービスエースを決めて4-5と迫った。フェデラーは続く自分のサービスゲームでボレーをネットにかけ、ホルカシュに2度目のブレークポイントと希望を与えたが、強烈なサービスですぐにデュースに持ち込んだ。それからホルカシュが、バックのダウンザラインをわずかにミスしてフェデラーがマッチポイントを握ると、フォアハンドのウイナーで勝利を決めたのだった。

「ロジャーは重要な瞬間に、素晴らしいプレーをしていた。今日は僕にとって、素晴らしいレッスンだった」とホルカシュは振り返った。

「僕は、いくつかの小さなチャンスを手にしていた。だからこの経験は、努力を積み、いつの日かそこに至るためのモチベーションになるよ」(C)AP(テニスマガジン)

※写真はロジャー・フェデラー(スイス)
INDIAN WELLS, CALIFORNIA - MARCH 15: Roger Federer of Switzerland serves against Hubert Hurkacz of Poland during their men's singles quarter final match on day twelve of the BNP Paribas Open at the Indian Wells Tennis Garden on March 15, 2019 in Indian Wells, California. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

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