「これがフェドカップ、ここからが勝負」と土橋登志久監督 [フェド杯ワールドグループ2部 日本対スペイン]

女子テニスの国別対抗戦「フェドカップ(フェド杯)」のワールドグループ2部1回戦「日本対スペイン」(2月9、10日/福岡県北九州市・北九州市立総合体育館/室内ハードコート)の初日はシングルス2試合が行われ、日本は日比野菜緒(ブラス)で先勝したあと、続く土居美咲(ミキハウス)が敗れ、1勝1敗に終わった。

 オープニングマッチに登場した世界ランク123位の日比野は、両チームを通じて78位と一番ランキングの高いサラ・ソリベス トルモ(スペイン)を1時間37分、6-4 6-2のストレートで退け、日本に大きな1勝をもたらした。

「今日は“走りきる”をテーマにしていた。それができたと思う」と日比野。相手のソリベス トルモは粘り強く、しぶとい選手として知られる。「先にへばらないように、相手より一球でも多く返そうと思った」と試合を振り返った。

気迫のストレート勝利を飾った日比野

 ソリベス トルモは日比野の強打をよく拾い、フォアはループ気味に、バックはスライスでしつこく、嫌らしく返球したが、攻守のバランスを重視し、「その見極めがしっかりできた」という日比野に軍配が上がった。

「気持ちのコントロールが難しかった。やれることはやったつもりだけれど、自分のトップレベルは出しきれなかった」とソリベス トルモ。第1セットは4-3リードから3ゲームを落とし、第2セットは1-1から4ゲームを連取され、勢いを失った。

「彼女のバックハンドに苦しめられた」とソリベス トルモ

 続く第2試合は、土居がジョルジーナ・ガルシア ペレス(スペイン)と対戦。世界ランクは121位と161位で土居のほうが上だが、6-2 4-6 7-6(2)のファイナルタイブレークを制したのはガルシア ペレスだった。

 土居はガルシア ペレスのサービスに苦しんだ。第2セット5-4リードからの第10ゲームでようやくブレークに成功し、勝負の行方を最終セットまで持ち込んだ。

アグレッシブに戦った土居

 最終セットは逆にブレーク合戦で始まり、一進一退の攻防が続く中、土居が6-5からの第12ゲームで先にマッチポイントを握るが、これを取りきれず、もつれ込んだタイブレークでは出だしから5ポイント連取され、2時間7分の戦いの末に敗れた。

 持ち味でもある攻撃的なプレーで果敢に攻めた土居だが、187cmの長身から繰り出すガルシア ペレスのサービスの威力は想像以上だった。試合後の土居は「相手のサービスがよく、プレッシャーがかかっていたのは事実。ただ、もう少し自分でサービスキープができていれば…可能性は広がっていた」と唇をかんだ。

16本のサービスエースを決めたガルシア ぺレス。最高速度は207Km/h

「私はプレッシャーに強いのよ。チーム戦だから、より頑張ることもできた」とガルシア ペレスが胸を張る。初日2連敗だけは何としても避けたかったスペイン。エース格だったソリベス トルモがつかめなかった勝利を、26歳のベテランがしっかりと取り戻した。

激戦を制してアナベル・メディナ ガリゲス監督と抱き合うガルシア ぺレス

 初日を終えて1勝1敗。「両国ともに素晴らしい試合だったと思います。日比野も土居も全力を尽くしてくれた。これがフェドカップ、ここからが勝負です」と日本の土橋登志久監督。スペインのアナベル・メディナ ガリゲス監督も「最初からタフマッチになることはわかっている。とにかく明日に備えるだけ」と静かに話した。

 明日はシングルス2試合が行われ、その後、ダブルス1試合が行われる。メンバー変更も可能なため、監督の采配にも注目が集まる。

(編集部◎牧野 正、写真◎宮原和也)

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