アンダーソンが錦織を粉砕し、準決勝に王手「最高のプレーだった」 [Nitto ATPファイナルズ]

 トップ8によるエリート大会「Nitto ATPファイナルズ」(イギリス・ロンドン/11月11~18日/賞金総額850万ドル/室内ハードコート)の大会3日目はグループ・レイトン・ヒューイットのラウンドロビン第2戦が行われ、第4シードのケビン・アンダーソン(南アフリカ)が第7シードの錦織圭(日清食品)を6-0 6-1で粉砕し、ベスト4進出まであと一歩と迫った。

 32歳のアンダーソンは、錦織が最後から2ゲーム目を取るまで、大会の歴史で2度目となる完封勝ち(6-0 6-0)を成し遂げるかに見えていた。

 自分のサービスゲームでは8ポイントしか失わなかったアンダーソンが、このシーズン末のエリート大会で準決勝に進出した最初のアフリカ大陸進出者となれる可能性は、これで限りなく高くなった。

「これまでで最高のプレーだったよ」と試合後、アンダーソンは言った。

「プレッシャーをかけ続け、気を緩めることなく、一貫して非常にいい仕事ができたと思う」

 ナイトセッションで第2シードのロジャー・フェデラー(スイス)が第6シードのドミニク・ティーム(オーストリア)を6-2 6-3で倒したため、アンダーソンの準決勝進出はラウンドロビンの最後の試合が終わるまで確定しないことになった。

 この日の完敗にも関わらず、錦織は第1戦でフェデラーに勝っているため、まだ3度目の準決勝進出を果たす可能性を擁している。

「今日のことは忘れようと努めるよ」と錦織は言った。

「何かがまずかった。明日はそれを修正し、次の試合に向けてポジティブな姿勢で臨みたい」

 アンダーソンと錦織は、これに先立つ2対戦で星を分け合っており、キャリアを通しての対戦績では錦織が6勝3敗とリードしていた。しかしアンダーソンは、日曜日のティームに対する試合でやってのけたように、アグレッシブなフォアハンドをコーナーに打ち込んで素早く攻撃を開始し、錦織の最初のサービスゲームを破って2-0とリードした。

 命を危険にさらしながら山火事と戦っているロサンゼルス消防隊に、サービスエース1本につき100ドルを寄付すると約束したアンダーソンは、このブレークで得た優位性を堅固なものにするため、3本連続でエースを決めた。

「僕のコーチはカリフォルニア出身なんだ。だからいっそう故郷に近い感覚なんだよ」とこの試合で結局10本のエースを決めたアンダーソンは言った。

「我々は寄付を、一方通行にならないような方法でやってみようと思ったんだ」

 時間が経つにつれてますますフラストレーションを募らせていく錦織が、自らのグラウンドストロークをコントロールできずに四苦八苦している間に、アンダーソンは絶え間なく正確なショットを放ち続けながら、最初のセットを終わらせた。

 錦織は第2セット開始前に長めの休息をとったが、それも功を奏さず、アンダーソンは容赦なく5-0とリードを広げた。彼は大会の歴史の中で、2005年にフェデラーがガストン・ガウディオ(アルゼンチン)に対して記録した6-0 6-0の勝利まであと1ゲームと迫ったが、錦織は第6ゲームでついに堅固なプレーを見せ、1ゲームを獲得した。

 しかし、小さな抵抗もそこまでだった。ウインブルドン準優勝者のアンダーソンは、速やかに今季47度目のマッチ勝利を決め、過去最高だった2015年の46勝を更新した。

「今季に臨むにあたり、僕は自分の目標をより高く設定し、それらにうまく応じることができた」とアンダーソンは言った。

「1年を通し、望む道の上にとどまり続けることができていたよ」(C)AP(テニスマガジン)

※写真は試合後の錦織圭(日清食品/右)とケビン・アンダーソン(南アフリカ/左)
LONDON, ENGLAND - NOVEMBER 13: Kei Nishikori of Japan reacts during his singles round robin match against Kevin Anderson of South Africa during Day Three of the Nitto ATP World Tour Finals at The O2 Arena on November 13, 2018 in London, England. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

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