ジョコビッチとフェデラーが準決勝で47回目の対戦へ [ロレックス・パリ・マスターズ]

「ロレックス・パリ・マスターズ」(ATP1000/フランス・パリ/10月29日~11月4日/賞金総額544万4985ユーロ/室内ハードコート)のシングルス準々決勝で、第2シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が第5シードのマリン・チリッチ(クロアチア)を4-6 6-2 6-3で倒し、準決勝に進出した。彼はそこで、第3シードのロジャー・フェデラー(スイス)と対戦する。

 フェデラーはこの日最後の準々決勝で、第10シードの錦織圭(日清食品)を6-4 6-4で下し、ジョコビッチとのキャリア47回目の対戦へと駒を進めた。フェデラーは錦織に、これで6連勝したことになる。

 先の日曜日にスイス室内で優勝したあと、キャリア100勝目となるタイトルを追っているフェデラーは、この試合で大きな問題を抱えることはなかった。彼は第1セット5-4からのサービスゲームで、直面したブレークポイントをネットでのシャープなボレーでセーブし、それから第2セットの出だしで錦織のサーブをブレークすると、試合の舵をがっちりと握った。

 パリ・マスターズでは2011年に一度だけ優勝したことがあるフェデラーは、ここでプレーすること自体が2015年以来のこととなる。しかし、その不在のせいでファンに待ちわびられていた彼は、勝利のあとに観客から大きな拍手喝さいを受けた。

 彼は次に、今年のウインブルドンとUSオープンを制した男、ジョコビッチを乗り越える方法を見つけなければならない。ジョコビッチは、ここ3対戦でフェデラーを破っており、キャリアを通しての対戦成績でも24勝22敗とリードしている。

 月曜日に世界ランク1位に返り咲くことを保証されているジョコビッチは、この日の対チリッチ戦の第1セットの大部分で、自らのサービスの調子に苦しめられていた。

 チリッチは、第1セットの第5ゲームと第7ゲームでジョコビッチのサーブをブレークするチャンスを手にしながら逃したが、最終的に第9ゲームでそれをやってのける。サービスエースでセットポイントを手にしたチリッチは、次のポイントでジョコビッチがバックハンドをアウトした瞬間に、それをものにした。

 第2セットでは、ジョコビッチが早々にブレークして3-1とし、そのままに勢いでセットを取り返した。第3セットでは、フォアハンドクロスのウィナーでチリッチが先にブレークを果たし、2-1とリードする。ジョコビッチはフラストレーションからラケットを叩き折ったが、すぐにブレークバックすることに成功。そのあとには流れがジョコビッチに有利な方向へと転換し、チリッチは最終的に、ふたりの間の18対戦で16度目となる敗戦を喫することになった。

「非常に緊迫した試合だった」とジョコビッチは振り返った。

「僕の調子にはアップダウンがあった。このような挑戦を克服することができて、本当にうれしいよ」

 ジョコビッチは、8月のロジャーズ・カップでステファノス・チチパス(ギリシャ)に負けて以来、この日の勝利を入れて21連勝したことになる。

 より早い時間帯の準々決勝では、第6シードのドミニク・ティーム(オーストリア)が前年度覇者で第16シードのジャック・ソック(アメリカ)を4-6 6-4 6-4で下した。

 第3セット5-4から自分のサーブに入ったティームは、最初のマッチポイントで勝利を決めた。最後のポイントでは、ソックのフォアハンドの強打がアウトとなった。

「マスターズ1000の大会の準決勝に至った。僕にとって、マスターズでのベスト4は、これが4回目に過ぎない」とティームは言った。

「これは僕にとって、すごく大きな意味を持つことだ。ここ何年か、シーズンのこの時期にはあまりいい成績をあげることができていなかったからね。だから、準決勝に進出できたというのは、本当に特別なことだ」

 第3セットの第5ゲームでソックのサービスゲームをブレークしたティームは、その後、自らのサービスゲームだった第8ゲームで15-40とされたときには、冷静さを保ってふたつのブレークポイントをセーブした。

「ここでは常に、ブレークされかねないということを意識しなくてはいけない。どうした訳か、多くのブレークが起きている」とティームは言った。

「ここでは、ちょっぴりリターンがやりやすい感じなんだ」

 ティームは次の準決勝で、カレン・ハチャノフ(ロシア)と対戦する。ティームとハチャノフは初対戦となる。

 先月のクレムリン・カップで優勝したハチャノフは、第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)のサービスを6度ブレークし、 6-1 6-2で勝利をおさめた。

 第1セットの終盤、右肩に治療を受けたズベレフは、多くのアンフォーストエラーを犯した。彼はまた、ハチャノフのチームが陣取るボックスからの声に腹を立て、第1セットの終わりに対戦相手と話をした。

「僕は彼に、僕の肩は痛んでいるんだと、それから、彼の叔父さんか誰かが、ちょっぴりクレイジーな振る舞いをしている、と言ったんだ。僕は彼(ハチャノフ)に、彼(ボックス席の叔父さんらしき人物)がやや度が過ぎることをしているから、少し抑えるよう言ってくれ、と頼んだんだよ」とズベレフは試合後に説明した。

 ズベレフは、この週を通して右肩の痛みに苦しめられていたのだと明かした。

「かなりの時間、治療も受けた。昨日の試合のあと、夕方から、また夜の間にも、強い痛みがあった。今日もウォームアップの間、特にキックサーブのモーションをするセカンドサーブを打つときに、すごく肩が痛んだ」

 ハチャノフは、ズベレフとの口論は大したものではないと言った。

「プレー中、負けているときには、ときに少しフラストレーションを感じ、動揺したりぴりぴりしたりすることはあるものだ。いくつかの叫び声や音が気に障ったり、より癇に障ったりすることもある」とハチャノフは言った。

「我々の間には、何の問題もないよ。ただ試合の間にはときどき、感情をコントロールすることが難しくなるものなんだ」

 この日の結果で、チリッチとティームが11月11日からロンドンで始まるシーズン末のトップ8によるエリート大会「Nitto ATPファイナルズ」への出場権を確保した。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はノバク・ジョコビッチ(セルビア)
PARIS, FRANCE - NOVEMBER 01: Novak Djokovic of Serbia celebrates after winning in his Round of 16 match against Damir Dzumhur of Bosnia who retired injured during Day 4 of the Rolex Paris Masters on November 1, 2018 in Paris, France. (Photo by Justin Setterfield/Getty Images)

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