「お互いに全力を尽くした」シュワルツマンが5セットの戦いの末ティームを打破 [フレンチ・オープン]

 試合開始直前や試合中にも時折雨が降ったにもかかわらず5500万ドルかけて設置した開閉式屋根が開いたままだったフィリップ・シャトリエ・コートで、すべてはもっと早く終わる可能性もあった。

 セットを先取したシュワルツマンは、第2セット奪取まであと2ポイントというところにこぎつけていた。また第3セットでは5-3としながら自分のミスでブレークバックされ、5-4からセットポイントをつかんだがまたも決め損ねていた。彼は第4セットでまず5-3とリードして5-4からの自分のサービスゲームで3本のセットポイントを手にしたが、そのどれも取ることができなかった。

「あの場面では、今日は実現しないのだろうと思いさえしたよ」とシュワルツマンは振り返った。

 それでもティームは、ゴールラインを見つけることができなかったのだ。彼は第4セット6-5から、そしてタイブレーク5-5からも2度に渡って勝利まであと2ポイントというところまで迫っていた。

「あの試合に勝つには、第4セットで決めなければならなかった」とティームは悔やんだ。彼はパリで最低でも5年連続準決勝に進出したオープン化以降の時代で4人目の男になることを目指していた。「第5セットの彼には僕よりも少し余計にエネルギーがあり、僕よりも上だったよ」。

フレンチ・オープン2020|トーナメント表

 シュワルツマンの次の相手は、フレンチ・オープン優勝歴12回を誇るラファエル・ナダル(スペイン)だ。第2シードのナダルは深夜に終わったこの日最後の試合で、ノーシードから勝ち上がってきた19歳のヤニク・シンネル(イタリア)を7-6(4) 6-4 6-1で退けた。

 記者たちは、シュワルツマンが10時半まで始まらなかったナダルとシンネルの試合を観るのかを知りたがった。

「もちろん、僕は起きているよ」とシュワルツマンは答えた。彼は先月、クレーコートのイタリア国際でナダルを倒していた。「どうせ今夜は眠るのが難しいだろうしね」。

 火曜日の早い時間帯には、今大会で多発してる番狂わせのひとつが可能な限り意外な女子準決勝進出者を生み出した。シュワルツマンの同胞である23歳のナディア・ポドロスカ(アルゼンチン)だ。

 世界ランク131位のポドロスカは、ロラン・ギャロスの同種目でベスト4に進出した初の予選勝者となった。(APライター◎ハワード・フェンドリック&ジェローム・パグマイア/構成◎テニスマガジン)

※写真はディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン/右)とドミニク・ティーム(オーストリア)
PARIS, FRANCE - OCTOBER 06: Diego Schwartzman of Argentina (R) embraces Dominic Thiem of Austria at the net following victory in their Men's Singles quarterfinals match on day ten of the 2020 French Open at Roland Garros on October 06, 2020 in Paris, France. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

Pick up

Ranking of articles