大坂が準決勝へ、対戦相手は超攻撃型ジョルジ [東レPPO]

「東レ パン パシフィック オープン」(WTAプレミア/9月17〜23日/賞金総額79万9000ドル/室内ハードコート)は21日、シングルス準々決勝4試合、ダブルス準決勝2試合が行われ、シングルスでは日本の大坂なおみ(日清食品)がバーボラ・ストリコバ(チェコ)を6-3 6-4で破り、準決勝進出。また、ダブルスでは加藤未唯(ザイマックス)/二宮真琴(橋本総業ホールディングス)が決勝進出を果たしている。

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 ストリコバと対戦した大坂の準々決勝。初戦のパフォーマンスに比べれば、決して最高の出来とは言えなかったが、グランドスラム覇者としての貫禄を見せた。

 第1セットでのファーストサービスの確率は47%。試合を通しても51%に過ぎず、武器であるサービスを最大限に生かすことはできなかったが、それでも対戦相手のストリコバに「彼女のサービス、特にファーストサービスは必要なときに威力を発揮して、私は手が出なかったし、全体的に試合運びが非常にうまくなっている。グランドスラムで優勝するだけのことはある」と完敗を認めさせるテニスだった。

 大坂自身が「トスが前にいってしまっていた」と反省したサービスだけでなく、フットワークのいいストリコバに対してコースを突こうと試みたフォアハンドでも終始、ネットやサイドアウトを繰り返す不安定さを露呈。それでも、「私がやらなければならないことは、何とかして自分のベストを絞り出すこと」と、集中を切らすことなく、勝利を目指した。

 おそらく、この日、日本のファンに見せたのは、今年サーシャ・バイン・コーチの指導で授けられたメンタル面の成長なのだろう。自分自身で「完璧主義者」と認める大坂だが、ストリコバ戦の勝利後には「すべての試合でパーフェクトにこなすというのはほぼ不可能だと思う」と言い、「今日の私は最高の形ではなかったけれど、それでも何とか修正して勝利に結びつけることができた」と自身のテニスを評価した。

 苦しい中でも勝ったことが何よりも重要だ。勝つことで、日本のファンにあと2試合、そのプレーを披露するチャンスを作り、そしてタイトルにも一歩近づいた。

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 大坂と準決勝を戦うのは、今大会絶好調のカミラ・ジョルジ(イタリア)。

 準々決勝では対戦したビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)が胃腸疾患により第1セット途中で棄権。わずか29分、思わぬ形で準決勝進出を決めたが、今大会第1シードの元女王、カロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)を超攻撃的なテニスで圧倒した力を発揮すれば、大坂にとっても簡単な相手ではないだろう。

 大坂の印象を「とてもいい選手」と短く表現したジョルジは、「ただ私がいつもやっている通りに、集中してプレーするだけ」と大坂戦への意気込みを語った。

 一方、大坂は「彼女の試合を何度か見たことがありますが、対戦相手としては非常に難しい相手という印象。何度もアップセットを見せてきた選手ですし、大変な試合になると思う」としながら、初対戦を「私自身、とても楽しみにしている」と語っている。

 そのほか、シングルスでは第4シードのカロリナ・プリスコバ(チェコ)、ドナ・べキッチ(クロアチア)が準決勝に進出。

 プリスコバは予選勝者のアリソン・リスク(アメリカ)にファイナルセットで2本のマッチポイントを握られながら、それをしのいでタイブレークの末に6-1 6-7(5) 7-6(4)で勝利した。

 また、ベキッチは第2シードのカロリーヌ・ガルシア(イタリア)を6-3 6-4のストレートで破り、準決勝へ進んだ。

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 ダブルスでは、加藤/二宮が、第2シードのガブリエラ・ダブロウスキー(カナダ)/シュー・イーファン(中国)を6-3 7-5で破って決勝進出。東レPPOでの日本人のダブルス決勝進出は、2009年の杉山愛以来。加藤/二宮は、日本選手として大会史上初の優勝を目指す。決勝の相手は第1シードのアンドレア・セスティニ フラバチコバ/バーボラ・ストリコバ(ともにチェコ)だ。

(ライター◎田辺由紀子)

※写真は大坂なおみ(日本/日清食品)(撮影◎佐藤明)

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