前年覇者スティーブンスがチャンスを次々潰し、準々決勝で敗退 [USオープン]
「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月27日~9月9日/ハードコート)の女子シングルス準々決勝。
まず、浪費された4つのブレークポイントがあって、序盤にはリードを奪うチャンスもあった。さらに3度のブレークチャンスも無駄にされた。
そしてまもなく、スローン・スティーブンス(アメリカ)の2度目のUSオープン・タイトル獲得への道は閉ざされてしまった。ディフェンディング・チャンピオンは、火曜日に行われた準々決勝で、第19シードのアナスタシア・セバストワ(ラトビア)に2-6 3-6で敗れたのである。
「私は重要なポイントで、いいプレーができていなかった。チャンスをつかまなければ、試合に勝つことはできない」とスティーブンスはコメントした。
昨年のスティーブンスは初のグランドスラム・タイトルへの道すがら、同じラウンドでセバストワを倒していたが、今回の彼女は早めのリードを奪うための幾つものチャンスを逃し、二度と試合の中に戻っていくことができなかった。
セバストワは準決勝で、元世界1位のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)と対戦する。セレナは、ナイトマッチで第8シードのカロリーナ・プリスコバ(チェコ)を6-4 6-3で下した。プリスコバは、2016年準決勝ではセレナに勝っており、フラッシングメドウでセレナを倒した最後の選手でもあった。セレナは昨年のUSオープンは、出産のため欠場していた。
グランドスラム準決勝ーーそれは、筋肉と背中の故障に体を打ちのめされたセバストワが、2013年5月に引退したときに、テニス選手として行きつけそうに見えていた場所よりも、ずっと先だった。彼女はその約2年後に復帰し、3年連続で進出したUSオープン準々決勝で、ついに壁を突き破った。
「ここ3、4年は、驚くべき旅だったわ」と彼女は言った。
ニューヨークでまたも気温が32度に至ったこの日、アーサー・アッシュ・スタジアムの4分の3は陽光の中にあり、スティーブンスは、走り回ってコートの端から端までをカバーする通常の能力を、この暑さの中で欠いているように見えた。
スティーブンスはまた、風邪をひいて苦しんでいたのだと言ったが、この日の彼女の最大の問題は、彼女自身のサービスだったかもしれない。第3シードのスティーブンスは、84分で終わったこの試合で5度もサービスゲームをブレークされた。
「メンタル的にも肉体的にも、当たり日ではなかった」とスティーブンスは言った。
「ただただ、本当に厳しい日だったわ。暑さが追い打ちをかけ、ことをより難しくした」
テニス界でもっとも守備力の高い選手のひとりであるスティーブンスは、第1セットで手にした7度のブレークチャンスをすべてふいにし、長かった第3ゲームで、序盤に勢いをつかむチャンスをも、ふいにしていた。彼女は、18ポイントが行き来したそのゲームで、ブレークポイントを得点に変えることができず、反対にセバストワは迅速にブレークを果たして3-1とリードした。
スティーブンスは、次のゲームでさらに3度ブレークチャンスを手にしたが、それを逃すと、第1セットでは、もはやチャンスは巡ってこなかった。
彼女のフラストレーションは、コーチへのジェスチャーや、ベースラインの後ろに跳ねる深いボールをいらいらして見ている様子や、あるいは叫び声などを通して、見た目にも明らかだった。
「私、トライしているのよ!」
彼女は第2セットの最中に、挽回するよう嘆願する観客の声に答えてこう言った。
彼女はやがて、第2セットにラブゲームでセバストワのサービスをブレークし、やっと3-4と詰め寄った。しかしセバストワは、14ポイントと、またも長いものとなった次のゲームですぐにブレークを果たし、まもなく勝負は終わった。
もっともーー2012年、2013年、2014年と3連覇したセレナ以来の大会連覇を目指していたスティーブンスは、そこそこいい進撃を見せたとも言える。
「準々決勝に進出し、いくつかの本当にいい試合をプレーしたし、可能な限り力を尽くして戦った。誇るべきことはたくさんあるわ」とスティーブンスは言った。
「言うまでもなく、タイトル防衛はすごく厳しく難しいことなのよ」
昨年のスティーブンスは、マディソン・キーズ(アメリカ)との地元勢対決となった決勝に勝ってグランドスラム初優勝を飾ったが、今年はどうなるだろうか。アメリカ人対決は実現するだろうか。
トップハーフでセレナが準決勝に進み、次にセバストワと対戦する。
一方のボトムハーフは水曜日に準々決勝2試合が行われ、第14シードのキーズが第30シードのカルラ・スアレス ナバロ(スペイン)と、第20シードの大坂なおみ(日清食品)はレシヤ・ツレンコ(ウクライナ)と対戦する。(C)AP(テニスマガジン)
※トップ写真はスローン・スティーブンス(アメリカ)(撮影◎毛受亮介)
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