ケビン・アンダーソン、ウインブルドン決勝で数歩及ばず
「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦7月2~15日/グラスコート)の男子シングルス決勝。
体力をしぼり取られる2つの5セットマッチのあと、ケビン・アンダーソン(南アフリカ)はついにガス欠となった。
6時間半を擁したジョン・イズナー(アメリカ)に対する第5セット26-24の準決勝の2日後、彼を裏切ったのは、彼の体だけではなかったようだ。アンダーソンはノバク・ジョコビッチ(セルビア)に対する決勝でのストレート負けは、よりメンタル的ものが原因であると感じていたのである。
「もちろん体調は素晴らしくはない」とアンダーソンは言った。「でも僕は間違いなく、試合の出だしにかなりナーバスになっていたんだ。それもあって試合の序盤に、よいテニスができなかったんだ」。
パワフルなサービスを中心に自分のテニスを築いているアンダーソンは、最初のゲームでブレークされ、最初の2セットでは彼らしくないアンフォーストエラーを続けておかした。
彼がついにセンターコートで心地よさを感じるようになったときには、すでに手遅れになっていた。ジョコビッチは、第3セットで5つのセットポイントをしのいだ末に、アンダーソンにさらなるカムバックのチャンスを与えず、6-2 6-2 7-6(3)で勝利を決めた。
アンダーソンは準々決勝で2セットダウンから挽回し、第3セットでのマッチポイントをしのいだ末に第5セットを13-11で制し、ロジャー・フェデラー(スイス)を倒した。この試合はセットカウント1-2から挽回し、ウインブルドン史上で2番目に長い試合を制した対イズナーのマラソン・マッチと比べれば、ずっと短いものだった。
「金曜日の夜は、ほとんど眠れなかった」とアンダーソンは言った。
「今日(日曜日)起きたときは、まずまず問題ない感じだった。だから試合がああなった理由は、僕が肉体的に最高に活力ある状態でなかったため、ということだけではない。より、この段階で必要とされるテニスをプレーできるか否かという問題だった…概して言えば、実際に僕の体は状況にかなりよく対処していたと思うよ」
準々決勝、準決勝の5セットマッチをプレーしたアンダーソンは、メンタル的に揺るぎないように見えた。 そこでの彼は決してたじろがなかったのだ。しかし彼は、フェデラー戦での序盤でもナーバスになっていたと告白し、それは彼のテニスの一部なのだと言った。初のグランドスラム・タイトルを獲るためには、彼はその部分を向上させる必要がある。アンダーソンは、昨年のUSオープン決勝でもラファエル・ナダル(スペイン)に敗れていた。
「ロジャーの試合でも、第1セットで同じことが起きた」とアンダーソンは言った。
「これらは僕が今、取り組んでいるチャレンジなんだ。このレベルで終始プレーしている、非常に限られた人数の選手たちと相対してプレーするということが」
ジョコビッチもまた、ナダルに対する非常に厳しい準決勝をくぐり抜けてきた。これもまた5セットマッチであり、アンダーソン対イズナーの長い試合に続いて金曜日の23時までプレーされたあと、翌日に持ち越されて土曜日まで終わらなかった。
しかしジョコビッチは、重要な決勝での経験がふたりの間に最大の違いを生み出したのであり、肉体的フィットネスの問題ではないと言った。
「これが彼にとって最初のウインブルドン決勝であることは知っている。ウインブルドンの決勝に臨むというのは、ほかのどの大会とも本当に違うものなんだ」とジョコビッチは言った。
「僕にとってこれは5度目の決勝だった。だから僕は、たぶんその経験を正しい形でスタートを切るための精神的強みとして利用したんだ」
アンダーソンはウインブルドンの2週間の間に、決勝に至るまでに「21時間」をコート上で費やした。彼のコーチ、ブラッド・スティーンは、彼の精神的疑念は肉体疲労の直接的産物だと考えていた。
「メンタル的に、試合の序盤で彼があとどれくらいの力を出せるのか、問いを投げていたのだと私は思う」とスティーンは言った。
「そして試合が進むにつれ、彼は思っていたよりも少し余計にエネルギーが残っていると実際に気づいたんだ。彼はもう少しプッシュすることができた。だから、どれくらい残っているかを見るためにも、彼が第3セットを取れなかったことは残念だったよ」(C)AP(テニスマガジン)
※写真はケビン・アンダーソン(南アフリカ)
LONDON, ENGLAND - JULY 15: Kevin Anderson of South Africa during his match against Novak Djokovic of Serbia in the Men's Singles Final on day thirteeen of the Wimbledon Lawn Tennis Championships at All England Lawn Tennis and Croquet Club on July 15, 2018 in London, England. (Photo by Visionhaus/Getty Images)
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