全米覇者スティーブンスが全英覇者ムルグッサを破り8強 [マイアミ・オープン]
スローン・スティーブンス(アメリカ)の騒々しいファンたちは月曜日、スタジアムの観客席からアドバイスや励ましの言葉を叫び続け、おそらくUSオープン後のスランプを振り払うために、彼女が必要としていた背中への一押しを提供した。
アメリカ・フロリダ州マイアミで開催されている「マイアミ・オープン」(WTAプレミア・マンダトリー/3月20~31日/賞金総額864万8508ドル/ハードコート)の女子シングルス4回戦で、第13シードのスティーブンスは世界3位のガルビネ・ムグルッサ(スペイン)を6-3 6-4で下して準々決勝進出を決め、昨年のUSオープン以降でもっとも大きな勝利をもぎ取った。
「Close the door, スローン!」
観客のひとりが試合の終盤にこう叫び、彼女はその通りにした。試合後のコート上インタビューの際にスティーブンスは、ここ2試合で自分を支えたそのファンにお礼を言った。
「誰だかはまったくわからないけれど」と彼女は後に言った。「私が初めて彼に会ったのは一昨日のことよ。でも愉快よね。明らかに彼はテニスを知っている。彼は正しいことばかりを叫んでいるわ」。
このファンは、スティーブンスの肩を持つのに適切なときを選んだといえるかもしれない。彼女は次の準々決勝で、初のマイアミ・オープン準決勝進出を賭け、第10シードのアンジェリック・ケルバー(ドイツ)と対戦する。
マイアミ優勝歴3回のビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)もまた、次のラウンドに駒を進めた。彼女は2日連続で劣勢を覆し、前年度覇者のジョハンナ・コンタ(イギリス)を 5-7 6-1 6-2で倒したのだ。これはビーナスにとって、キービスケーンでの64番目の勝利だった。
「私はテニスをプレーするのが不得意じゃないわ」と、37歳のビーナスは言った。「なら、続けない理由はないでしょう?」。
やはりマイアミでの3度の優勝経験を持つビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)は、2012年チャンピオンのアグネツカ・ラドバンスカ(ポーランド)を6-2 6-2で退けた。
スティーブンスは昨年9月のUSオープンで自己初のグランドスラム・タイトルを獲得し、現在は世界ランキング12位だが、今年に入ってから3勝4敗というお粗末な戦績を引っ提げて、ここキービスケーンにやって来た。
「グランドスラムで優勝したあと、すぐに自分の仕事に戻ってプレーし続けるというのは容易なことではなかったわ」とスティーブンスは言った。
「USオープンで優勝したあと、私はすごく興奮していた。私は自分の人生を最大限に生きていたの。今、私は日々の仕事に戻った。それがなかなか難しいわ。少しの自信と、多くのハードワークが必要なのよ」
ケルバーは、予選を勝ち上がったワン・ヤファン(中国)に 6-7(1) 7-6(5) 6-3で挽回勝ちし、ベスト8に進出した。
スティーブンスは容易に屈しないディフェンスを駆使しながら、ムグルッサの弱いセカンドサービスを攻撃することによって勝利をつかんだ。ムグルッサは2018年に入って8勝6敗と、やはり自らのスランプと戦ってきた。
「あまりに多くのショットをミスしてしまった。重要な瞬間に、すべきではなかったいくつかのミスをおかしてしまった」と2017年ウインブルドン・チャンピオンのムグルッサは言った。
「全般的に見てもっといいサービスが打てたはずだった。大きな違いはなかったけれど、最後にはいくつかの場面が彼女に味方したのよ」
スティーブンスは、オーストラリアン・オープンを含めて数大会連続で初戦負けを喫した。その後、彼女は1ヵ月以上、ツアーから離れて過ごしたが、もはやUSオープン優勝を祝ってはいないと言った。
「オーストラリアのあと、私は落ち着いて気持ちを整理するために、しっかり時間をとったの」と彼女は言った。
「惜しみなく労力をつぎ込めば、結果を得ることができるのよ」
マイアミ・オープンで彼女の成功に喝采を送っているのは、ひとりのファンだけではない。今大会は南フロリダ出身の彼女にとって、ホームタウンの大会でもあるのだ。
来年、大会は18マイル北のマイアミ・ドルフィンズ・スタジアムに移設されることになる。10年以上前にジュニアの試合のため、初めてここキービスケーンにやってきたスティーブンスは、会場が変わってしまうのは悲しいことだと言った。そして、テニスに関する思い出だけがその理由ではないという。
「サー・ピザ(ピザ・レストラン)に行けなくなるのが寂しいわ」と彼女は言った。
「12歳のときからあそこに行っていたの。同じ人々が今もあそこで働いているのよ。本当に素晴らしいところなの。間違いなく、あそこに通えなくなることを私は寂しく思うでしょうね」(C)AP(テニスマガジン)
※写真はスローン・スティーブンス(アメリカ)
KEY BISCAYNE, FL - MARCH 26: Sloane Stephens of the USA celebrates after defeating Garbine Muguruza of Spain 6-3, 6-4 on Day 8 of the Miami Open Presented by Itau at Crandon Park Tennis Center on March 26, 2018 in Key Biscayne, Florida. (Phoagainst by Mike Frey/Getty Images)
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