「第40回全国選抜高校テニス大会」（3月20～26日／団体戦：博多の森テニス競技場、個人戦：春日公園テニスコート、博多の森テニス競技場）の競技4 日目の24日(土)、男子団体は準決勝が3セットマッチで争われ、四日市工（三重）と法政二（神奈川）が決勝へ進んだ。

　東海対決となった名古屋（愛知）と四日市工の準決勝は3勝2敗で四日市工が接戦をものにした。シングルス2本は名古屋が奪い、ダブルス2本は四日市工が奪って2勝2敗となり、勝負の行方はS3対決にかかった。

　四日市工のS3山岸勇貴は緊張していたが、絶対に勝つと自分に言い聞かせた。東海大菅生（東京）との3回戦でもチームの勝敗がかかり、3-6の劣勢から8-6の逆転勝利をつかんだ。今度もできると信じ、6-4 6-1でチームを決勝へ導いた。

「自分から先にミスをせず、打つべきところは打っていった」と山岸が試合を振り返る。シングルスの2敗も、ともにフルセットの末の惜敗。「勝ち上がってきたことで、全員が自信を持って戦えるようになっている」と徳丸真史監督。四日市工が東海地区決勝の雪辱を果たし、3年ぶりの決勝へと勝ち上がった。

　名古屋は先に2勝1敗と王手をかけたが、あと1勝が遠かった。主将の石榑元晴は「ストローク力があるし、ここぞのポイントを締めてくる」と四日市工の強さを認めた。宮尾英俊監督は選抜最後の指揮で、夏のインターハイで監督の座を退く。石榑の「最高の結果で送り出したい」という想いは部員全員の気持ちでもあるだろう。

　もう一方の準決勝、相生学院（兵庫）と法政二の戦いは3勝1敗で法政二が制した。法政二はS1対決で先勝を許したものの、D1守屋達貴／青木一真で追いつくと、S2米田圭佑で追い越し、最後はD2森田湧介／佐藤太耀が決めて初の決勝進出を決めた。

「自分たちが重要な試合になることはわかっていた」とD2森田が言う。パートナーの1年生佐藤も「ただただ、うれしい。いつも通りのプレーができた」と胸を張った。D1、D2ともにミスを恐れずにネットで勝負する法政二らしいダブルスで勝利をつかみとった。

　2年連続4度目の優勝を目指した相生学院だったが、ダブルス2本を落とし、S2丸山隼弥は足のケイレンに泣いた。「1年生が多いチームで経験のなさが出てしまった。また雪辱します」と荒井貴美人監督。決勝へは進めなかったものの、2011年から8年連続の4強進出は高く評価できるだろう。

　明日の決勝は四日市工と法政二の対決となった。ともに準決勝でシード校を倒し、ともに地区2位からの決勝進出。四日市工が勝てば3年ぶり2度目の日本一、法政二が勝てば初優勝となる。戦力はほぼ互角と見ていい。激戦が予想される。

　競技5日目の25日（日）は博多の森テニス競技場で男女団体の決勝、男女個人の本戦3、4回戦が行われる。団体決勝は3セットマッチ、個人戦本戦3、4回戦は8ゲームマッチで、ともに9時30分開始予定。

写真◎上野弘明

（編集部◎牧野 正）

※トップ写真は、チームの決勝進出を決めた山岸（四日市工）