「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/5月26日~6月9日/クレーコート)の大会15日目(最終日)、男子シングルス決勝。

 おそらくごく少数の人々にとって、ラファエル・ナダル(スペイン)のフレンチ・オープンでの覇権が、2年連続で決勝で彼に挑戦していたより若く才能ある対戦相手のドミニク・ティーム(オーストリア)によって脅かされたように見えた短い瞬間があった。

 ティームはナダルのお粗末なプレーのおかげでブレークし、セットカウントを1-1に持ち込むことに成功した。

 この展開はフィリップ・シャトリエ・コートの観客たちを沸かせ、彼らは叫び、拍手し、何よりこう頭を巡らせた――次に何が起こる? 真の戦いか? ティームはナダルをより追い詰めることができるのか? ティームはこの上昇を続けられるのか? ナダルはよろめくのか?

 かりそめにもこれらの問いが生まれたことは重要だった。しかし、答えは迅速にもたらされる。ナダルは、通常ロラン・ギャロスでやっているようにふたたび力を取り戻したのだ。

 彼は続く17ポイントのうち16ポイントを取って残る14ゲームのうち12ゲームを奪取して相手を引き離すと、6-3 5-7 6-1 6-1でティームを倒した。そしてフレンチ・オープンで記録更新となる12度目のタイトルを獲得した。

「僕は持てるすべてを捧げた」とティームはコメントした。

 そして、「彼は僕を踏みつぶした」と言い添えた。

「12度も優勝するとは、本当に驚くべきだ」

 テニス界のどのグランドスラム大会においても、これほど多くの回数の優勝を遂げた選手はほかに存在しない。そして、レッドクレーでのナダルほど、あるサーフェスで特別な強さを誇示する選手もまたいないのだ。

 キャリアを通したナダルのロラン・ギャロスでの成績は93勝2敗であり、2005年から2008年まで4年連続、2010年から2014年まで5年連続で優勝し、そして今、新たに3連覇を果たした。

「この感動を言葉で言い表すことはできない」と第2シードのナダルは試合後に語った。彼は最後のポイントのあと仰向けに倒れ、錆色の土でネオンイエローのシャツを染めた。そして、表彰式の最中に涙を拭いた。

 より大きな青写真に目を向ければ、彼は今、「18」のグランドスラム・タイトルを獲得し、20タイトルを保持するフェデラーの記録まであと2つと迫ったことになる。しかしながらナダルは、フェデラーの記録を追跡することについて話をしたがらなかった。

「僕はそういうったことにはあまり気持ちを割いていない」とナダルは胸の内を明かした。

「隣の家の者が自分より大きな家を持っているとか、より大きなテレビ、より大きな庭を持っているとか言って、いちいち欲求不満を感じてはいられない」

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