プリスコバがトップシード、セレナは24度目のグランドスラム制覇を目指す [USオープン]

今年ふたつ目となるグランドスラム「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月31日~9月13日/ハードコート)が月曜日に開幕した。ここで今大会で注目すべき女子プレーヤーをチェックしておこう。

USオープン2020|トーナメント表

カロリーナ・プリスコバ(チェコ):世界ランク3位(28歳)

ツアーでのシングルス通算タイトル数:16
グランドスラムでのタイトル数:0(自己最高:2016年USオープン準優勝)

トピック:ここ4度のUSオープンでの17勝4敗、2019年オーストラリアン・オープンでベスト4という成績は彼女がハードコートで何ができるかを示している。前哨戦のウェスタン&サザン・オープンの初戦負けは、彼女の不安定さを示している。

注目の試合:彼女は3回戦で、第28シードのジェニファー・ブレイディ(アメリカ)と当たる可能性がある。ブレイディは8月にレキシントンでのハードコート大会でWTAツアー初タイトルを獲得していた。

言葉:「トッププレーヤーの中でもっとも予想のつかない選手ね。彼女は一度もグランドスラム大会で優勝したことはなく、彼女はそのことを意識している。その状態が長く続けば続くほど、ますますプレッシャーが膨らんでいくわ。インタビューをする度に、彼女はこのことについての質問を受けている。自分を責めないでいることは非常に難しいでしょうね」――プリスコバについて語ったマルチナ・ナブラチロワ(アメリカ)のコメント。

ソフィア・ケニン(アメリカ):世界ランク4位(21歳)

ツアーでのシングルス通算タイトル数:5
グランドスラムでのタイトル数:1(2020年オーストラリアン・オープン)

トピック:フラッシングメドウで3回戦を超えたことは一度もなく、今年のオーストラリアン・オープン優勝のあとはグランドスラム優勝者として四大大会でプレーしたこともまだ一度もない。セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が20歳でやってのけた2002年以降で、トップ10に入ったもっとも若いアメリカ人選手である。

注目の試合:第27シードのオンス・ジャバー(チュニジア)と3回戦で当たる可能性がある。ジャバーが得意とするスライスとドロップショットは対処が難しく、上位選手にとっては危険な相手となる。

言葉:「ものすごくがっかりしている。立ち直るのに数日かかりそうだわ。私は今、文字通り自信を失っているかのように感じている」――ウェスタン&サザン・オープンの初戦で敗れたあとに語ったケニンのコメント。

セレナ・ウイリアムズ(アメリカ):世界ランク8位(38歳)

ツアーでのシングルス通算タイトル数:73
グランドスラムでのタイトル数:23(全豪7回:2003年、05年、07年、09~10年、15年、17年;全仏3回:2002年、13年、15年;ウインブルドン7回:2002~03年、09~10、12年、15~16年;全米6回:1999年、2002年、08年、12~14年)

トピック:マーガレット・コート(オーストラリア)の持つグランドスラム史上最多タイトルの記録に追いつくため、このUSオープンで24度目のグランドスラム制覇を目指している。過去2年のUSオープンを含め、ここ6度のグランドスラム大会で4度準優勝に終わっている。新型コロナウイルス(COVID-19)に強いられた休止を経てツアー再開後にプレーした5試合のすべてが3セットにもつれこみ、その成績は3勝2敗となっている。

注目の試合:ウェスタン&サザン・オープンで自分を破った第15シードのマリア・サカーリ(ギリシャ)と4回戦で当たる可能性がある。

言葉:「私は自分で悪い状況に身を置いてしまった。それは最低だとわかっている男とデートするようなものよ。私がやり続けているのは、文字通りそれだわ。私はこの男を捨てなければならない。まったく意味がないわ。フラストレーションを感じる」――リードを棒に振ってサカーリに敗れたあとに語ったセレナのコメント。

大坂なおみ(日本/日清食品):世界ランク9位(22歳)

ツアーでのシングルス通算タイトル数:5
グランドスラムでのタイトル数:2(2018年USオープン、2019年オーストラリアン・オープン)

トピック:
・左ハムストリングを負傷したためウェスタン&サザン・オープン決勝を棄権する前、人種差別に抗議するため準決勝でプレーしないと発表し、その訴えを支持するとした大会の1日停止という事態を引き起こした。
・5月にフォーブス誌が発表したアスリート長者番付によれば大坂はここ12ヵ月で3740万ドルを稼ぎ、1年の収入に関する女性アスリートの最高記録を樹立した。
・彼女のここまでの5タイトルのうち2つはハードコートのグランドスラム大会で勝ち獲られた。

注目の試合:彼女は2年連続でUSオープン3回戦でコリ・ガウフ(アメリカ)と対戦する可能性があったが、ガウフは初戦で敗れたたため実現しなかった。大坂は2019年の対決に勝ったが、2020年オーストラリアン・オープンで実現したリマッチでは敗れていた。

言葉:「ポジティブな気持ちを保って冷静でいる限り、通常なら物事はうまい方向に流れていく。メンタル的に安定してさえいれば、私は解決策を見つけ、さまざまなことに適用していくことができる」――大坂の自己分析。

スローン・スティーブンス(アメリカ):世界ランク39位(27歳)

ツアーでのシングルス通算タイトル数:6
グランドスラムでのタイトル数:1(2017年USオープン)

トピック:グランドスラム大会で3連敗の記録とともにUSオープンに至る。今季は1勝7敗で、昨年のフレンチ・オープン終了後からは7勝16敗となる。

注目の試合:3回戦でセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)と対戦する可能性がある。

言葉:「今年あまり多くの試合をプレーしていないので、ちょっぴり厳しいわ。ええ、まだ調子を向上させて改善していくための1週間がある」――ウェスタン&サザン・オープン1回戦で敗れたあとに語ったスティーブンスのコメント。

キム・クライシュテルス(ベルギー):世界ランクなし(37歳)

ツアーでのシングルス通算タイトル数:41
グランドスラムでのタイトル数:4(全米3回:2005年、09~10年;全豪1回:2011年)

トピック:すでに国際テニス名誉の殿堂入りを果たしているが、今年に入って引退を取りやめてツアーに戻ってきた。ワイルドカード(主催者推薦枠)を受け取り、2回戦負けを喫した2012年のフラッシングメドウ以来のグランドスラム大会に臨む。

注目の試合:1回戦で第21シードのエカテリーナ・アレクサンドロワ(ロシア)と対戦する。彼女はヘイリー・バティスト(アメリカ)とペアを組み、ダブルスでもワイルドカードを獲得した。

言葉:「彼女が成し遂げたことと彼女の性格を考えると、復帰したというのは本気になったということだろう。彼女は残されたやるべきことがあるかを見てみたいのだと思う。正直言って、年齢は関係ないよ。重要なのはフィットネスと心だ」――クライシュテルスについて語ったロジャー・フェデラー(スイス)のコメント。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

※写真はウェスタン&サザン・オープンでのセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)(Getty Images)

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