藤原里華_ウォーミングアップ&クールダウン_フィジカル・シリーズvol.02【本誌連動記事&動画】
テニスマガジン2019年7月号(別冊青嵐号)_フィジカル・シリーズvol.02_藤原里華プロが紹介するウォーミングアップ&クールダウン記事の関連動画です。
小柄ながら闘志あふれるプレーで戦い抜いてきた。今回はプロ生活20年以上を誇るベテランプレーヤーのウォーミングアップ&クールダウンを紹介する。「試合前の練習でどれだけ身体を動かすことができるか、それが勝負でした」と藤原プロは言う。多くのトレーナーから教わってきたものを凝縮し、自分なりに工夫して完成したアップ&ダウンだ。
写真◎菅原 淳 撮影協力◎リーファテニスガーデン
ふじわら・りか◎1981年9月19日、東京都出身。6歳でテニスをはじめ、湘南工大附3年生のときにプロ転向。02年全豪オープン複でベスト8、全仏オープンでは複ベスト4をマーク。01年、11年の全日本選手権シングルス優勝。自己最高世界ランクはシングルスが84位、ダブルスが13位。現在はコーチとしても活躍中。北日本物産所属
201907 TM ウォーミングアップ&クールダウン 藤原里華
youtu.beBefore the Start
胸郭の可動域を広げておく
ウォーミングアップを始める前に胸郭の可動域を広げておきましょう。身体をほぐす意味もあります。心臓やみぞおちの後ろにピーナッツボールなどを置いて寝転び、その体勢から両手を「前にならえ」のようにし、上下に動かします。刺激が入ることで胸郭の周りが開くようになり、腕や肩の可動域が広がります。
おすすめ!
私はテニスボールを2個合わせてテーピングで巻いた「ピーナッツボール」を使っています!
肩
利き腕の肩の凝り、ほぐしにも効果十分。サービスを打つほうの肩の筋肉は固くなりやすいもの
背中
ふくらはぎ
背中やふくらはぎにも使えます! 少し痛いようであればピーナッツボールにタオルを巻くなどして刺激を和らげてください
❶ランニング+複合的動作
コートに入ったら体を温める意味でもランニングから始めますが、ただ走っているだけでは楽しくないので、私はランニングしながら、いろんな動きをコンビネーションで入れています。
1 両腕を前に回したり、後ろに回す
ただ漠然と回すのではなく、しっかりと胸を張り、体全体を使って大きく回しましょう。スキップしながらでもOK
2 サイドステップ
背筋を伸ばして頭の位置を高くキープします。目線の位置を安定させてください
3 クロスステップ
サイドステップと同じようにステップは体の中心、軸を意識してください。両腕もしっかりと動かしましょう
CHECK
正しい姿勢で行うこと
何でもそうですが、正しい姿勢で行うことを心掛けてください。悪い姿勢で行うと身体がそれを憶えてしまい、成果が挙げられないだけでなく、ケガや故障にもつながります。なんとなく、楽にやろうとすると姿勢も悪くなりがち。ウォーミングアップといえど、高い意識を持って行いましょう。
POINT
随所で手首、足首を回す
私は捻挫癖があったこともあり、ウォーミングアップや練習の途中で手首、足首をよく回すようにしています。ウォーミングアップのときには「今日の手首や足首の感じはどうかな?」と話しかけるように回しています。回すことにより、関節の中に体液が流れ、血液の循環がよくなります。冬場の寒いときは指も伸ばしながら行っています。
❷股関節周りのストレッチ
上半身と下半身をうまく連動させて使うことができればボールに威力が出ます。その土台となる股関節の役割は大きく、この部分にしっかりと刺激を与え、正しい動きができるようにしましょう
1 前後開脚
右足を後ろに伸ばして両手をついて前を見ます(これだけでも十分にきついです!)。この状態で腸腰筋を伸ばすことを意識しながら、身体全体をゆっくりと前後に揺らします。あごを引いて、視線はまっすぐに
そのまま手をゆっくりと真上に上げます。体幹から開き、視線は指先に。足を入れ替えて逆も行います。
×
上の正しい写真と比べてください。視線も落ち、体が沈んでいます
2 もも上げつかみ
歩きながらももを上げ、それをかかえるようにつかみます。逆の足も行います
×
背筋が曲がって体が丸まってしまうのは悪い例
3 両足ハイタッチ
歩きながら足を前に高く上げ、上げた足の逆のほうの手でつま先をタッチ。足を高く上げることが目的ではなく、上げたときに姿勢が崩れないことが大事。しっかりと背筋を伸ばしてタッチします。姿勢を高く保ってください。それができたら、今度はスキップしながらテンポよく行ってください。〈1.ランニング+複合的動作〉の中に取り入れてもOKです!
今度は歩きながら足を横(サイド)に広げながらのつま先タッチ。これも同様に、スキップしながらも行ってください。足を高く上げるためには筋力も重要です
POINT
しゃがんでいるだけでもOK
両足をぺったりと地面につけて、このような姿勢でしゃがんでいるだけでも十分なストレッチになります。これはダニエル太郎選手がよくやっているそうです。1日トータルで30分くらい。なのでウォーミングアップでやるよりも、テレビを見ながらなど自由な時間を見つけて行うとよいと思います。
❸アジリティー
体が温まって動くようになり、ストレッチも十分に行ったら、心拍数を上げるアジリティーを行います。最初はゆっくりでもよいですが、少しずつ負荷をかけ、試合や練習の一球目から全力で動けるようにしましょう
1 ステップワーク
ラインを使って細かいステップワークを素早く刻みます。その場で、前、前、後ろ、後ろと、前後に足を細かく動かします。ペースは自分で決めてください
ラインを使って細かいステップワークを素早く刻みます。その場で、前、前、後ろ、後ろと、前後に足を細かく動かします。ペースは自分で決めてください
2 反復横跳び
ステップワークで前へ進むのと似ていますが、歩幅を大きくとりながら前へ進んでください。頭が上下しないように腰をしっかりと落とすこと。コートを使うことができればアレーのラインが最適です
3 ケンケン
片足だけで前へ進んでいきます。途中で足を入れ替えて、ある程度進んだら、今度は下がりながらスタートした場所まで戻ります。片足だけでは非常につらく、不安定なことがよくわかります!
CHECK
やるからには楽しく明るく
私は昔からスキップが大好きで、走っているときなどに気持ちが今ひとつ乗らないときなどはスキップを取り入れます。練習でもウォーミングアップでも型に縛られず、自分にとって楽しいことを行うのが一番。もちろん手抜きはいけませんが、自分がウキウキするようなものを取り入れるようにしています!
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