テニマガ Break Time|テニス選手の正直すぎる言葉に学べ!
大坂なおみ選手のコメントが世界中のテニスファンから絶賛されています。お決まりの台詞ではなく、今の正直な気持ちを話しているからでしょう。しかし!昔の選手たちはもっと正直で、もっと過激だったのです。文◎バカボン・マッキー 写真◎Getty Images【2019年4月号掲載記事】
勝利と仲間が遠のく衝撃のコメント集
過激な発言の代表選手と言えば悪童と呼ばれたジョン・マッケンローでしょう。思い出すのは1989年のウインブルドン。数週間前のフレンチ・オープンでマイケル・チャンが17歳でグランドスラム史上最年少Vを飾ったばかりの頃でした。
「チャンがウインブルドンでベスト8に入ったら、みんなの前でパンツを脱いでやるって!」
マッケンローは面白くなかったのでしょう。あんなテニスでは芝ではとても勝てないと皮肉っているのでした。チャンは4回戦でティム・メイヨットに敗退。試合後のメイヨットは「みんなよかったね。ジョンのパンツを見なくて」と笑っていましたが、この3人すべてがアメリカ選手というのも笑えます。
パンツと言えば、2004年のフレンチ・オープンでマラ・サフィンが試合中に自分のパンツをずり下ろすという事件が発生。主審から警告を受けたサフィンはキレていましたが、試合後のコメントがこちら。
「パンツをずり下ろしたい気分だったんだよ」
いったいどうしたら試合中にパンツをずり下ろしたい気分になってしまうのかはわかりません。
96年のウインブルドン王者リチャード・クライチェクも20歳と若かりし頃、母国オランダのラジオ局で、とんでもない発言をしています。
「女子トップ100のうち80%は怠け者の太った豚だ!ショーコートに入ることを決して許されるべきじゃないね」
女子選手たちが怒ったのは言うまでもなく、しばらくクライチェクは女子選手たちからあまり話してもらえなくなったという話もありますが、男子選手の多くは「よくぞ言った!」と喜んでいたとか。
80年代後半からライバル関係にあったステファン・エドバーグとボリス・ベッカーは、実はあまり仲はよくなかったようです。2人の関係性については、ベッカーの次のコメントがすべてを表しているでしょう。
「彼については悪いことは何ひとつ言えないよ。でも、良いことだって何ひとつ言えない」
つまりそれだけの関係だったということでしょう。ベッカーは同じドイツのミヒャエル・シュティヒとも同じような関係でした。そしてシュティヒについても、また同じようなことを言っています。
「僕らは敵同士ではないよ。でも仲間同士ってわけでもないね」
ベッカーは孤独だったのかもしれません。そう言えば、エドバーグは1993年のオーストラリアン・オープン決勝前、酷暑で屋根を閉める可能性も示唆した大会側に次のような発言をしています。
「グランドスラムの決勝をインドアでやるなんて馬鹿げている。だったらキャンセルしたほうがましだ」
時代は変わり、ルールは変わりました。今では酷暑の中でやるほうが馬鹿げています。でもこのステファンの心意気は大好きでした。ジム・クーリエに負けてしまったけど。
続いてゴラン・イバニセビッチの危ない発言。1993年のウインブルドン1回戦でコード・バイオレーションをとられ、それがプレーに影響したかと聞かれたときの答え。
「審判を殺すこともできたんだけど、まだ第2セットの途中だったから、やめておいたんだ」
今なら間違いなく問題になるような過激発言。そして本音と言えば、ハンガリーのアンドレア・テメシュバリ(え、知らない?)の心の声も見逃してはいけません。
「トップになると誰もひとりにさせてくれない。みんなが小さな嘘をついてくるのよ」
大坂なおみも、きっと同意してくれることでしょう。ちなみにテメシュバリは自己最高7位でグランドスラムも4回戦どまり。本当のトップとは言えませんけどね。
というわけで、数々の正直すぎる発言を紹介していきましたが、最後は気持ちよく名言ベスト3で締めましょう。
第3位 ジミー・コナーズ
「勝つことが好きなんじゃない。負けることが大嫌いなんだ」
負けず嫌いの人って、おそらくこんなメンタルなのでしょうね。負けてもいいなんて考えられないのでしょう。
第2位 ロッド・レーバー
「試合中に考えることは常にひとつのことしかない。次のポイントのことだけだ」
年間グランドスラムを2度達成した大レジェンドの台詞。でも、それがなかなかできなくて…。
そして栄光の第1位は、やはりこの名言に尽きるでしょう。大人気テニス漫画「エースをねらえ!」からどうぞ。
第1位 お蝶夫人
「負けることを怖がるのはおよしなさい! それより力を出しきらないプレーをすることこそをおそれなさい!」
ダブルスのペアを組む主人公の岡ひろみに対し、試合中に強い口調で放ったお言葉。漫画とはいえ、女子高生の名言が心に響きます。それにしても、お蝶夫人は高校生だったのに夫人と呼ばれて嫌じゃなかったのかなー。[完]
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