女子準々決勝はトップ2シードの明暗が分かれる [三菱全日本テニス選手権95th]
スコア以上のタフゲーム
女子シングルスはトップ2シードの明暗が分かれた。第1シードの日比野菜緒(ブラス)は6-2 6-4で牛島里咲(マサスポーツシステム)をストレート勝ち。だが、日比野が「しぶといし、すごいカウンターもある。実力のある選手」と敗者を称えたように、ゲームスコア以上にタフな戦いだった。
揺さぶりに動じず、ミスなくつないでくる牛島に対して日比野はポイントを決めきることができず、長いラリーの応酬が続いた。それでも「大事なところでしっかり自分のプレー、組み立てができた」と言うように、球種の緩急にネットプレーやスライスと最後は攻撃のバリエーションで牛島を上回った。
準決勝で日比野の相手に名乗りを上げたのは18歳の佐藤久真莉(富士薬品)。6-4 4-6で迎えたファイナルセットで美濃越舞(安藤証券)を6-0で一気に押し切ってベスト4入りを決めた。日比野との対戦については「うれしい。世界のレベルの中で自分の武器がどれだけ通用するか試したい」と意欲にあふれる。
無念のリタイアとなった内藤
思わぬトラブル
第2シードの内藤祐希(亀田製菓)は秋田史帆(橋本総業ホールディングス)を相手に第1セットを0-6で奪われると、第2セット開始直後にリタイアを申し出た。1週間ほど前に右肩を痛め、一度は治まっていたが昨日からふたたび違和感が生じ、試合中に痛みがぶり返した。チームとしても最初から無理はさせない方針だったという。
思わぬ形でベスト4入りを決めた秋田だが、全日本では昨年を含めて2度の準優勝を誇る。「ドローを見てもレベルが高い。その中で戦えることは成長につながる。やるべきことをやって、結果につながれば」と前を見据える。
準決勝の相手は第8シードの波形純理(伊予銀行)を7-6(5) 6-2で退けた第4シードの昨年覇者、本玉真唯(島津製作所)。奇しくも昨年の決勝カードとなった。リベンジを果たし、「3度目の正直」への挑戦権を手にできるか。
取材◎杉浦多夢 写真◎菅原 淳
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