男子決勝は大学生の今村昌倫と中川直樹の顔合わせに [三菱全日本テニス選手権95th]
今村は自身も驚きの決勝進出
男子シングルスでは昨年のインカレ王者、ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場の今村昌倫(慶應義塾大学)が第8シードの山﨑純平(日清紡ホールディングス)に3-6 6-2 6-3で競り勝ち、決勝進出を果たした。「第1セットは粘り強い相手に合わせてしまい、自分から崩れてしまった。第2セットからはネットをとったり、自分のリズムをつかんで、最後までそれを貫き通せた」と勝因を振り返った今村は、「まさかここまで勝ち進めるとは思っていなかったので、純粋にうれしい」と笑顔を見せた。
準々決勝では第1シードの清水悠太(三菱電機)を下して波乱を演出した山﨑だったが、この日はそのときに見せたアグレッシブさが影を潜めた。第1セットこそ手にしたものの、「試合を通してサービスゲームが不安定だった」ことも響き、自分から展開してネットにつなげるプレーは見せられないままディフェンシブなテニスに終始。今村の反攻を許してしまった。
さらに先を見据える中川
先に決着を見たもう1試合も勝利をつかんだのはノーシードだった。中川直樹(橋本総業ホールディングス)が第2シードの今井慎太郎(イカイ)を7-5 6-4のストレートで下し、初の決勝進出を果たした。
立て続けにシード勢を破った中川
「第1セットも第2セットも危ない場面はたくさんあったが、我慢しながら試合をコントロールできた」と中川。プロ転向後は右肘や右手首のケガに苦しみ、思うようにプレーできない日々が続いたが、ようやくフィジカルの状態が整ってきた。準々決勝で第3シードの内田海智(富士薬品)を倒したのに続きシード勢撃破で、IMGアカデミーで磨いてきた実力の一端を見せつけた。
今村と中川のノーシード同士による決勝。今村は「相手はアグレッシブに詰めてくると思うので、圧倒されずに我慢するところは我慢して、逆に自分から仕掛けていきたい」と大学生での優勝という快挙を見据える。一方、中川は「日本の本当のトップは出ていない。優勝して、少しでもトップに近づいていきたい」とさらに先を見据えている。
明日11月1日の決勝はインドアから有明コロシアムへ舞台が変わる。男女とも誰が勝っても初優勝となる戦いを制するのは果たして――。
取材◎杉浦多夢 写真◎菅原 淳
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