2020-12-13

ジュニア

男子は大矢祥生が会心のV、原﨑朝陽に逆転勝ちで全国大会初の栄冠 [第41回全日本ジュニア選抜室内]

写真は大矢祥生(名古屋高)(撮影◎佐藤真一 / SHINICHI SATO)

2020年を締めくくるジュニア大会で公益財団法人日本テニス協会(JTA)が主催するジュニアの全国大会としては今年唯一の開催となった「JOCジュニアオリンピックカップ第41回全日本ジュニア選抜室内テニス選手権大会」(12月10~13日/兵庫県三木市・ブルボンビーンズドーム/室内ハードコート)は新型コロナウイルス(COVID-19)感染が拡大する中での開催だったが、大きな混乱もなく3日間の競技日程を終えた。

 最終日の今日は順位別トーナメントの決勝および3位決定戦が行われ、チャンピオンに輝いたのは東海選出の18歳・大矢祥生(名古屋高)だった。大矢は地元兵庫県出身の16歳・原﨑朝陽(神村学園神戸)を4-6 6-2 6-1の逆転で破り、初の全国タイトルを獲得した。

 昨年のこの大会以来、ちょうど1年ぶりの対戦となった大矢と原﨑。前回は2敗同士で迎えた1次リーグの最後の試合だった。それが今回、ともに4戦負けなしで迎える決勝戦とはなかなか感慨深いシチュエーションの変化だ。

 大矢は184cmの長身で、原﨑は左利き。それぞれ一目でわかる強みを持つ2人のラリー戦は序盤から白熱した。第1セットは終盤のブレーク合戦を制した原﨑が奪ったが、第2セットになって潮目が変わる。2-2から大矢が4ゲームを連取して最終セットに持ち込んだ。

「1セット目は攻め込まれて、防戦一方になってしまった。でも(原﨑の)調子があのままずっと続くとは思わなかったので、ミスが出てきたところでタイミングよく上げていこうと思っていました」

 大矢はそう振り返ったが、実際に原﨑のミスは増えていた。長いラリーや競ったゲームの多くは大矢がものにし、掴んだ流れはどんどん加速。最終セットも原﨑は第1ゲームのサービスを30-0から落とし、ムードを変える機を逸した。

 原﨑には悔いの残る一戦となった。

「いつも以上に勝ちを意識して、入れにいったところがある。それが逆にミスに繋がった感じでした。もっといろいろトライして、負けるにしてもインパクトのある負け方をしたかった」

 全国大会では初めての優勝となる大矢は、「優勝どころか、これまで1試合も勝ったことがないと思う」と苦笑いした。実際は全小を除けば昨年の全日本ジュニア18歳以下で2回戦に進出しているが、「全国大会になるといつも雰囲気に圧倒されて、実力を発揮できなかった」と大矢は打ち明けた。

 最後の最後に持てる力を発揮できたのは少しずつ積んできた経験に加え、高校卒業後に野心的なビジョンがあるからだろう。それは地元の東海に残り、「関東の強豪大学の選手を倒したい」というもの。ここで得た自信で、その思いはいっそう強くなった。

 3位決定戦では、丹下颯希(新田高)が石垣秀悟(松商学園高)に6-1 6-4で快勝した。昨年準優勝した中村元は丹下と同じ高校の先輩だ。

「先輩を超えられるように頑張ったけど、なかなかいいプレーができなかった。でも今日は気持ちを切り替えて、自分のテニスができて終われたことはよかったと思います」

 丹下は得意のラリー戦からチャンスを生かし、3位のメダルを掴み取った。(ライター◎山口奈緒美)

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撮影◎佐藤真一 / SHINICHI SATO

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