女子団体決勝は四日市商と岡山学芸館が初優勝をかけて対戦 [2021高校センバツ]
先に決勝進出を決めたのは岡山学芸館(岡山)。仁愛女子(福井)との一戦は室内コートの3面展開で始まり、S1、D1、S2が同時にスタートした。
岡山学芸館はS2吉本菜月が白崎望愛を6-2 6-1と圧倒すると、S1中島玲亜も芹川楓花に対して第1、2セットともにリードを奪われながらも挽回に成功。6-4 6-2のストレート勝ちをおさめ、決勝進出に王手をかけた。
D1対決では同前華伶来/寺尾美月が最終セットからギアを上げ、持ち前の攻撃的なプレーで山口結捺/菱井咲絵を6-2 4-6 6-1と振りきっての勝利。D2とS3の試合もすでに始まっていたが、3面展開で最初に入った試合を制して決勝への切符を掴んだ。
今年の岡山学芸館はどんな状況でもアグレッシブに仕掛けるところが強みだ。この準決勝もその姿勢は崩さず、「しっかり攻め続けることができてよかった」と岸直浩監督。S1対決に勝利した主将の中島は「最初の3本で勝てたことは(決勝に向けて)より大きな自信になる」と手応えを口にし、スコア以上にタフな試合だったがチームはこの舞台で最高のパフォーマンスを披露した。
決勝に駒を進め、喜びを爆発させる岡山学芸館メンバー (写真◎BBM)
3年ぶりの決勝にあと一歩だった仁愛女子だが、今大会は1回戦から出場し、シード校を破って勝ち上がるなど大会を通じて成長を遂げた。「相生学院(兵庫)のような強豪校に勝つことができ、選手たちも自信がついたはず。今回の結果は上出来です」と冨田典江監督も選手たちを称えた。
また、主将の芹川も「この大会で自分たちが相手よりも走り負けないところが分かったし、チームがよりひとつになれた」と実感。敗戦の悔しさは当然あるものの、この全国ベスト4という証がインターハイへの糧となるだろう。
準決勝敗退の仁愛女子だが、今大会の戦いぶりは見事 (写真◎BBM)
もう一方の準決勝は四日市商(三重)と松商学園(長野)が対戦。こちらも3面展開で行われ、四日市商がD1とS2の2連勝で流れを掴んだ。S1対決では五十嵐唯愛が松商学園のエースである中村友里に6-7(0) 3-6で敗れるも、S3小林海夢が大きくリードを奪って6-0 6-0の完勝劇を演じ、同校初のセンバツ決勝に足を踏み入れた。
団体戦で早く試合を先取することは後続の選手たちに与える影響も大きく、「今日は3面展開の中で先に2勝できたことが大きな勝因」と金山敦思監督。S1対決に敗れた五十嵐も第1セットはタイブレークにもつれるなど、粘り強く戦いながら相手に流れを渡す隙を封じた。準決勝でも四日市商のチームワークが随所に光った。
チームに1勝目をもたらしたS2小畑莉音(四日市商)の今大会の活躍も大きい (写真◎上野弘明)
松商学園は試合序盤からリードを許すなど難しい展開が続いたが、「相手は5本すべて穴がなく、厳しい戦いでした」と山田哲生監督。しかし、今年の高校センバツは「練習でやってきたことをすべて出してくれた」と選手たちの頑張りを労った。チームを引っ張ってきた中山は「今日はチーム全体としてミスが増えると立ち直れず、そこで(四日市商との)経験の差が出た」と肩を落とすも、今年夏に長野で開催されるインターハイでのリベンジを誓った。
センバツ初の決勝進出を逃した松商学園は、地元開催のインターハイで再び頂点を目指す (写真◎上野弘明)
決勝は四日市商と岡山学芸館によるセンバツ初優勝をかけた戦いとなった。両校の主将もあと1勝に迫った日本一に向けて語気を強める。岡山学芸館の中島は「全員のモティベーションも高く、気合いも十分。明日も大丈夫だと思います」と語れば、四日市商の五十嵐は「チームとしていい流れなので、この流れを止めず、明日は全員が勝って優勝したい」と意気込みを語った。
大会5日目の25日は、博多の森テニス競技場で男女団体の決勝、男女個人の本戦3回戦、準々決勝が行われる。団体決勝は3セットマッチ、個人戦は8ゲームマッチで、ともに9時30分開始予定。
編集部◎中野恵太 写真◎上野弘明、BBM
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