フェデラーが約2ヵ月ぶりの復帰戦でアンドゥハルに敗れる「僕は自分自身にもっと期待している」 [ジュネーブ・オープン]

写真は2019年フレンチ・オープンでのロジャー・フェデラー(スイス)(Getty Images)

ATPツアー公式戦の「ゴーネット・ジュネーブ・オープン」(ATP250/スイス・ジュネーブ/5月16~22日/賞金総額48万1270ユーロ/クレーコート)の男子シングルス2回戦で、第1シードのロジャー・フェデラー(スイス)がパブロ・アンドゥハル(スペイン)に4-6 6-4 4-6で敗れる番狂わせが起きた。

 これは右膝に2度手術を受けたフェデラーにとってここ15ヵ月でふたつ目の大会だったが、約2ヵ月ぶりの復帰戦で黒星を喫した。彼は3月にカタール・オープンで1年以上ぶりに復帰したが、ダニエル・エバンズ(イギリス)をフルセットで倒したあとの準々決勝でニコラス・バシラシビリ(ジョージア)に敗れていた。

 2020年オーストラリアン・オープン以降でわずか2大会目となるこのジュネーブで約2年ぶりのクレーコートでの公式戦に臨んだフェデラーは、約2時間をコートの上で過ごした。

「負けるというのは決して素晴らしい感じがするものじゃない。カムバックからここまでの長い道程を見てみれば、テニスコートに戻れたというのは価値のあることだ。でも分かっていると思うけど、僕は自分自身にもっと期待しているんだ」とフェデラーはコメントした。

 最終セットではフェデラーが先にブレークしていたが、アンドゥハルはそこから巻き返した。フェデラーは自分のサービスゲームで2つのマッチポイントをセーブしたが、プレッシャーがかかった3本目でフォアハンドをミスして試合に終止符が打たれた。

 最後には自分が勝利に値しなかったと認めたフェデラーは、「ただ僕のテニスが十分なものではなかった」と語った。

「今日の僕のプレーには限界があった。コートにいてそれを感じたよ。それが現実だ。ただ受け入れて、前に進んでいくしかない」

 次の大会はフェデラーがこれ以前にクレーコートで最後にプレーしたフレンチ・オープンになる予定で、準決勝でラファエル・ナダル(スペイン)に敗れた2019年以来の参戦となる。

「ロラン・ギャロスはゴールじゃない。僕のゴールはグラスコートだから、まだ時間はある」とフェデラーは前を向いた。彼はウインブルドンで8度優勝し、219年決勝では第5セットでのタイブレークの末に2本のマッチポイントを決め損ねてノバク・ジョコビッチ(セルビア)に敗れていた。

 39歳のフェデラーと35歳のアンドゥハルはツアーでは初対戦であり、アンドゥハルは月曜日に「偉大なテニスプレーヤーと対戦したことがあるのだと孫に伝えたい」と話していた。

 アンドゥハルは勝利を決めたあとに両手を頭に当て、ネット際でほとんど謝罪するような笑みをフェデラーと交わした。

 コートに出ていく前、フェデラーは1990年代に彼自身が台頭したとき以来となるスイスの男子テニスで最高の有望株と言われている選手のATPツアーデビューを観客として見守った。フェデラーが試合の一部を見ていた中、ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場した18歳のドミニク ステファン・ストリッカー(スイス)は1回戦の試合で元USオープン優勝者のマリン・チリッチ(クロアチア)を7-6(5) 6-1で倒したのである。

 昨年の全仏ジュニアでチャンピオンに輝いたストリッカーは世界ランク419位で、2014年にグランドスラム大会で唯一のタイトルを獲得したチリッチが46位につけている。

 左利きのストリッカーは試合を通して9本のサービスエースを決め、ダブルフォールトは1本もなかった。彼はチリッチのサービスゲームを4度ブレークし、自身がキープできなかったのは2ゲームだけだった。

「僕はだんだんナーバスになっていたんだ。実は5-1の30-0までは大丈夫だったんだけどね。6-1で終了し、もうサーブを打たなくて済んでうれしかったよ」とストリッカーは明かした。

 ストリッカーは次のラウンドで、予選勝者のヘンリー・ラクソネン(スイス)を7-5 7-5で破って勝ち上がった世界40位のマートン・フチョビッチ(ハンガリー)と対戦する。

 そのほかの試合では第6シードのファビオ・フォニーニ(イタリア)、ラスロ・ジェレ(セルビア)、フェリシアーノ・ロペス(スペイン)と、予選勝者のイリヤ・イバシカ(ベラルーシ)、パブロ・クエバス(ウルグアイ)、マルコ・チェッキナート(イタリア)が2回戦に駒を進めた。

 昨年の大会は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより、開催中止となっていた。(C)AP(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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