世界1位バーティが腰のケガを理由にリタイア「アンラッキーだった」 [フレンチ・オープン]

写真はアシュリー・バーティ(オーストラリア/奥)とマグダ・リネッテ(ポーランド)(Getty Images)

今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月30日~6月13日/クレーコート)の大会4日目は、トップハーフ(ドローの上半分)の男女シングルス2回戦各16試合などが行われた。

 腰の痛みに妨げられた世界ランク1位のアシュリー・バーティ(オーストラリア)が2回戦を途中棄権し、こうしてWTAランキングのトップ3が大会から早くも姿を消すことになった。

 フィリップ・シャトリエ・コートの第1試合でマグダ・リネッテ(ポーランド)と対戦した2019年優勝者のバーティが手を挙げてもう続けられないと合図を送ったとき、彼女は1-6 2-2と劣勢に立たされていた。

「私は痛みと戦っていたのだけれど、それがただあまりに深刻になりすぎてもはや続けることは安全ではないと感じられたの」とバーティは大会前の練習中に再発したというケガについて話した。

 今回のバーティの離脱に加え、世界2位の大坂なおみ(日清食品)も1回戦での勝利後に棄権し――大坂はメンタルヘルスの問題のために休息を取ると説明した――2018年のチャンピオンで世界3位のシモナ・ハレプ(ルーマニア)は脚の負傷により大会開始前に出場を取り消していた。

 今季のフレンチ・オープンに先立ちバーティは、レッドクレーの3大会で13試合をプレーし11勝を挙げていた。今季のロラン・ギャロス前の彼女の戦績は27勝5敗で、シングルスですでに3つのタイトルを獲得していた。

 5月のローマで右腕の負傷により準々決勝での棄権を強いられたバーティは、そのケガは治癒してフレンチ・オープンに影響を与えることないと話していた。

「ひどく辛いわ。私たちは本当に素晴らしいクレーコートシーズンを送ってきたから、何よりタイミング的に少しアンラッキーだったと言える。このような酷い痛みが週末に起こり、回復するための時間がなくなってしまったというのは本当にがっかりよ」とバーティはコメントした。

 第1シードのバーティは左腿にテーピングを施した姿で試合を始め、彼女が通常通りに動けないことはすぐに明らかとなった。対戦相手のボールを追う際に彼女の動きは遅すぎ、長いラリーとファーストサーブにも支障をきたしていた。

 第1セットの終りにメディカルタイムアウトを取ったバーティは、治療のために少しの間コートから離れた。彼女はリネッテがエースを放ったあとに足を止め、それからネットに向かって歩いていくとリネッテに握手の手を差し伸べた。

 1回戦でも腰の問題を抱えていたバーティは世界70位のベルナルダ・ペラ(アメリカ)に6-4 3-6 6-2で勝ったものの、試合を通して苦労していた。

「私たちは自分にチャンスを与えるため、本当にできる限りの手を尽くしたわ。あの1回戦でコートに立てたこと自体が小さな奇跡だった。今日も状態は改善されておらず、ふたたび悪化していったの…」とバーティは語った。

 ディフェンディング・チャンピオンとして臨むはずだった昨年の大会を新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックに関する懸念を理由に欠場する決断を下したバーティは、母国オーストラリアに留まっていた。

 そのほかの試合では1回戦でクレーコートでの4連敗に終止符を打った第4シードのソフィア・ケニン(アメリカ)が予選から勝ち上がってきたヘイリー・バティスト(アメリカ)を7-5 6-3で倒し、3回戦に駒を進めた。

 2020年大会準優勝者のケニンは今季、困難なスタートを切った。2020年オーストラリアン・オープン覇者の彼女は2月にメルボルンで急性虫垂炎の手術を受け、フレンチ・オープン開始時点での彼女の戦績は7勝8敗だった。

 上位勢では第5シードのエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)もまた、アン・リー(アメリカ)を6-0 6-4で下して2回戦を突破した。

 第1セットでのスビトリーナはベースラインからの深いショットとネットでの賢明なプレーを組み合わせ、自分のサービスゲームでわずか5ポイントしか落とさなかった。第2セット序盤にはやや調子を落としたが、1-4から立ち直って最後の5ゲームを連取して試合を終わらせた。(APライター◎サミュエル・ペトレキン/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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