「マリン、僕は遅すぎるぎるかい?」フェデラーがタイムバイオレーションに不満顔 [フレンチ・オープン]

写真はロジャー・フェデラー(スイス/左)とマリン・チリッチ(クロアチア)(Getty Images)

今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月30日~6月13日/クレーコート)の大会4日目は、トップハーフ(ドローの上半分)の男女シングルス2回戦各16試合などが行われた。

 ロジャー・フェデラー(スイス)は自分が遅くなっているという推測を嫌った。木曜日に決められた時間内にプレーを再開しなかったとしてタイムバイオレーションを受けたとき、39歳のフェデラーは主審のエマニュエル・ジョゼフ氏と対戦相手のマリン・チリッチ(クロアチア)に抗議した。

 この警告は第2セットでフェデラーがサービスリターンの準備に入るのが少し遅いんじゃないかと、チリッチのほうから主審に2度ほど文句を言ったあとに起きた。

「マリン、僕は遅すぎるぎるかい?」とフェデラーはチリッチに聞いた。

「ルールは理解しているが、僕はタオルを取るためにコートの端から端に移動しているんだ。意図的にやっている訳じゃないよ」

 ATP(男子プロテニス協会)の年間スポーツマンシップ賞を13度受賞しているフェデラーは新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによる規則改定でポイント間の手順が変わり、自分でタオルを取りにいかなくてはならなくなってからほとんどプレーしていなかった点を指摘した。

「多くのレベルでの誤解だ。第一に僕は何が起きているのか分かっていなかった。彼が気分を害しているとは知らなかったんだ」とフェデラーは試合後に弁解した。

 それからフェデラーはくすくす笑いながら、「僕はこの新しくなったツアーの新顔なんだ。それは試合にちょっぴりエネルギーを与えてくれたよ。悪くないね」と言い添えた。

 この言い合いはプレーを3分以上遅れさせ、これにより第2セットの残りで心を乱した様子のフェデラーはセットを落としたが、間もなく体勢を立て直して最終的6-2 2-6 7-6(4) 6-2で勝利をおさめた。これによりフェデラーは、16ヵ月ぶりのグランドスラム大会で3回戦に駒を進めた。

 第3セットでのフェデラーは落としていないポイントを相手に与え、チリッチに対して悪い感情を抱いていないことを示した。

 ターニングポイントとなったタイブレークの最初のポイントでチリッチはライン際にサービスを打ち、フェデラーはそれをエースだと認めた。主審は椅子から降りてフォールトだと言ったが、フェデラーはそのポイントをチリッチに譲った。リプレイの映像は、ボールがわずかにラインを割っているところを示していた。

 第8シードのフェデラーは次のラウンドで、第30シードのテイラー・フリッツ(アメリカ)を6-3 6-2 3-6 6-4で破って勝ち上がったドミニク・コプファー(ドイツ)と対戦する。膝を痛めた様子のフリッツは、車いすでコートをあとにした。

 8月8日に40歳になるフェデラーは、2020年1月30日のオーストラリアン・オープン準決勝を最後にグランドスラム大会に出場していなかった。(APライター◎スティーブン・ワイン/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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