「クレーでのリターンは順応するのに時間がかかる」 1回戦を突破したフェデラー [フレンチ・オープン]
「よりよく、よりはっきりとプレーできた。相手のおかげもあって、いろんな形でポイントが取れたのもよかった。ネットに出ることも、ドロップショットも、早めに叩くことも、すべてが自分のオプションになることを確認できた。必要ならば下がり目にポジションをとることもあるけど、ジュネーブではそれがうまくいかなかった。あれは判断ミスだと思っている」
クレーコートでは球足が遅くなる中で、いつもリターンの打ち方に慣れるのに苦労するという。
「おかしいと思われるかもしれないが、クレーコートでのリターンにはいつも適応に時間がかかる。一番リターンがしやすいサーフェスだが、グラスやハードではしっかり打ち返すよりもブロックリターンで返すことも多い。でもクレーはほとんどのボールをしっかり打ち返すから、少し順応するのに時間が必要なんだ」
試合の感覚、リズムにもだいぶ慣れてきたようだ。
「タオル、ショットクロックなど細かいところも含めてだいぶ大会、試合にも慣れてきたと思う。ジュネーブで負けたときは、ポイント間を急いでプレーしてしまったと思う。普段ならタオルを持ってきてくれるのを待ったり、観客が静かになるのを待つのに時間を使うことはあるけどね」
ポイント間の時間を有効に使うことでプレーがよくなったという。
「練習のように打つのではなく、決めにいくショットを積極的に打った。つまり、1ポイント、1ポイントを全力で取りにいったんだ。そこで、ちょっと一息ついてみようか、タオルをとってみようかとなった。そうすることで何か違うプレーをしてみようかとアイディアが浮かんだりする。実際、大きな大会で大勢の観客の前で僕はそうしてきた。汗が止まらないからタオルが必要だったり、息が上がっているから整えたり、そういう瞬間は自分に集中できるものなんだ。すぐに次のプレーをするためにコートを左右に移動するのをひたすら3時間も繰り返すよりは、どこかで間を取るほうがいいんだ。今日は考える間を取ったことで、以前よりもかなり心地よくプレーできたよ」
初戦を突破したことで、ふたたび大会を戦うルーティンに戻ることができた。
「次の相手、試合の予定もいつなのか分からないけど、逆にそれがいいね。1試合ずつ戦っていくしかないから。今日は勝ってとてもうれしい。体の状態は明日の朝起きて確認するしかない。練習をして試合をして、こういう大会の1日の流れに戻ることができてうれしいんだ。ただ、今大会に家族は来ていない、ウインブルドンでも同じだ。でも、今の状況では仕方がない。その点でもいつもの違う状況だ。でも、この先を楽しみにしている。また違うタイプの相手でも今日のように対応できたらいい」
東京オリンピックには、出場したいという意向をはっきり口にした。
「オリンピックはできたらプレーしたい。そのためにも世界中の状況が今よりよくなってほしい。状況がどうなるかをこれから数週間見極める必要がある」(テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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