ダブルス元世界1位のクレイチコバがシングルスでグランドスラム準決勝の舞台へ「私はシングルスをプレーしたかった」 [フレンチ・オープン]

写真はバーボラ・クレイチコバ(チェコ/左)とコリ・ガウフ(アメリカ)(Getty Images)

今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月30日~6月13日/クレーコート)の女子シングルス準々決勝で、バーボラ・クレイチコバ(チェコ)が第24シードのコリ・ガウフ(アメリカ)を7-6(6) 6-3で下してノーシードからベスト4に躍進した。

 17歳のガウフは出だしに3-0としたあと5-3とリードして第1セットで5つのセットポイントを手にしたが、それをものにすることができなかった。クレイチコバはタイブレークの最後の4ポイントを連取してそのセットを奪い、第2セットでは5-0とリードする過程で15ポイントを連取した。

 しかしながらシングルスでのキャリアでもっとも重要な勝利を締めくくることは容易ではなく、クレイチコバは最終的に6本目のマッチポイントで決着をつけた。ガウフがフォアハンドをアウトして勝利が決まったとき、クレイチコバは腕を頭の上に高く上げた。

 カテリーナ・シニアコバ(チェコ)と組んだダブルスで2度グランドスラム大会を制したことがある――そしてふたりはここパリでも準決勝に進出している――クレイチコバだが、シングルスでの本戦出場はまだ5度目に過ぎなかった。

「皆が私に『君はダブルスをプレーする。君はダブルススペシャリストだ』とラベルを貼ろうとするの。でも私自身はダブルススペシャリストでありたいと思ったことは一度もなかったわ」とクレイチコバは胸の内を明かした。

「だから私はただ、ずっとハードワークを積み続けていた。私はとにかくシングルスをプレーしたかったの。上のほうまで勝ち進むことができなくて本当に歯がゆい思いをしたわ。でも私はいつも、遅かれ早かれそこにたどり着けるだろうと感じていたの」

 そして今、彼女を見てみるといい。彼女はキャリア最高の33位に至り、シングルスで10試合に連続で勝っている。

 クレイチコバは2006年以降で最年少の準決勝進出者だったガウフの9連勝に終止符を打った。ガウフは7本のダブルフォールトを含めた41本のアンフォーストエラーを犯し、フラストレーションからラケットを地面に3度叩きつけて折ってしまった。

「私のヒッティングパートナーは、この試合が将来的に私をチャンピオンにするだろうと言ってくれたの。私は本当にそうだと信じているわ」とガウフはコメントした。

 木曜日に行われる準決勝で、クレイチコバは第17シードのマリア・サカーリ(ギリシャ)と対戦する。サカーリはこのあとに行われた試合で第8シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)を6-4 6-4で倒し、シフィオンテクがパリで続けてきた11試合22セット連取の快進撃に終止符を打った。

 ディフェンディング・チャンピオンのシフィオンテクが敗退したことにより、ロラン・ギャロスでまたも新チャンピオンが誕生することが確定した。(APライター◎サミュエル・ペトレキン/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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