停滞期を耐え忍んできたパブリウチェンコワがついにグランドスラム初制覇にあと1勝と迫る [フレンチ・オープン]

今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月30日~6月13日/クレーコート)の女子シングルス準決勝で、第31シードのアナスタシア・パブリウチェンコワ(ロシア)がノーシードから勝ち上がってきたタマラ・ジダンセク(スロベニア)を7-5 6-3で下して初のグランドスラム大会決勝進出を決めた。
長い間テニスを楽しむことができていなかったパブリウチェンコワは、安定性と自信があまりに捕らえどころがないものだったためキャリアを終わらせることも考えていた。
しかし彼女が諦めずに続けてきたことが木曜日、フレンチ・オープン決勝進出を決めた瞬間に報われた。パブリウチェンコワはこれに先立ちグランドスラム大会の準々決勝で6戦全敗だったが、ついにそのハードルを乗り越えていた。彼女はこの日の準決勝で、強打のジダンセクよりも安定したプレーを見せた。
「この結果をあまりに強く求めていたせいか、たった今は何も感じないわ」とパブリウチェンコワは観客たちに向かってフランス語で話した。
10代にしてトップ20に入っていたパブリウチェンコワだが、グランドスラム大会でタイトルをかけて戦うのは初めてとなる。彼女は決勝の舞台で、第17シードのマリア・サカーリ(ギリシャ)との接戦を7-5 4-6 9-7で制して勝ち上がったノーシードのバーボラ・クレイチコバ(チェコ)と対戦する。
女子シングルスでベスト4に勝ち残った選手全員がこれ以前にグランドスラム大会で準決勝に進出した経験がないというのは、1978年オーストラリアン・オープン以来で史上2度目に過ぎない。そうであってもその暖かい晴天の日に行われた最初の準決勝は質が高く、観ていて楽しいものだった。
グランドスラム大会のシングルスで4強入りした初のスロベニア人プレーヤーとなったジダンセクはいい動きでボールをアグレッシブに打ち、第1セットの大部分でより優れた選手だった。しかしパブリウチェンコワはもっとも重要なポイントを取り、ジダンセクはおぼつかないサービスを連続でネットにかけてセットを落としてしまった。
パブリウチェンコワのグラウンドストロークは第2セットに入ると鋭くなり、彼女は4-1とリードを奪った。彼女はそこからナーバスになってブレークポイントを含めて2度ダブルフォールトを犯して4-3と追い上げられたが、もう一度ブレークして最後は自分のサービスゲームをキープして勝利を掴んだ。
「テニスは本当にメンタルなスポーツだわ。テニスがこれほどまでに難しいのはそのせいなのよ」とパブリウチェンコワはコメントした。
彼女のこの意見には、ジダンセクも同意するしかなかった。
「グランドスラム大会準決勝とは、私にとって新しい状況だった。だからええ、ナーバスになったわ。でもこの段階でそうならない人なんている? 私はただ、できる限り神経を鎮めようとしていたのよ」とジダンセクは初めての大舞台を振り返った。
ツアーで12のタイトルを獲得しているパブリウチェンコワはこの活躍で、大会後に更新されるWTAランキングで2018年1月以来となるトップ20返り咲きを果たすことが確実となった。(APライター◎サミュエル・ペトレキン&スティーブン・ワイン/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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