シナーが19歳対決の初戦でドレイパーに敗れる「こんな日もある」 [シンチ選手権]

写真はヤニク・シナー(イタリア)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「シンチ選手権」(ATP500/イギリス・ロンドン/6月14~20日/賞金総額142万7455ユーロ/グラスコート)の男子シングルス1回戦で、ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場した地元選手のジャック・ドレイパー(イギリス)が19歳同士の対決で第2シードのヤニク・シナー(イタリア)を7-6(6) 7-6(2)で倒す番狂わせを演じてATPツアーレベルでの初勝利を挙げた。

「彼は重要なポイントで僕よりもいいプレーをした…。彼は勝つに値したよ。こういった日もあるものだ」と世界ランク23位のシナーは相手を称えた。

 この日11本のサービスエースを決めた世界309位のドレイパーは、2018年ウインブルドンのジュニア男子シングルスで準優勝を飾っていた。彼はシナーに対するこの勝利が、6月28日に開幕するウインブルドンでワイルドカードを受け取るチャンスを膨らませるよう願うと語った。

 左利きのドレイパーがこれ以前に唯一ATPツアーの本戦でプレーしたのは3月のマイアミ・オープンで、その際に彼は第1セットを落としたあと暑さから具合が悪くなり棄権を強いられていた。そのあと彼は腹筋に肉離れを起こし、「3日前にサービスを打ち始めたばかりだ」と明かした。

 シナーは男子テニス界が期待する新星のひとりと見なされている。彼はフレンチ・オープンで昨年は準々決勝、今年は4回戦に進出し、その都度『キング・オブ・クレー(クレーの王者)』のラファエル・ナダル(スペイン)に敗れた。

「彼は僕らの年代の中で最強の選手だから、今日はコートに入るときにかなりナーバスになっていたよ」と2019年には予選1回戦で敗れていたドレイパーは明かした。

「でも試合に入ったら落着き、数ポイントをプレーしたあとで観客が僕を助けてくれていると感じたんだ」

 この日プレーしたシナー以外のシード勢は第5シードのアスラン・カラツェフ(ロシア)がラッキールーザーで本戦入りしたアレハンドロ・タビロ(チリ)を3-6 6-4 6-2で退け初戦を突破したが、第7シードのロレンツォ・ソネゴ(イタリア)は予選勝者のビクトル・トロイツキ(セルビア)に4-6 4-6で敗れた。

 そのほかの試合ではキャメロン・ノリー(イギリス)、アドリアン・マナリノ(フランス)、ジョン・ミルマン(オーストラリア)、フェリシアーノ・ロペス(スペイン)が2回戦に駒を進めた。

 昨年の大会は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより、開催中止となっていた。(C)AP(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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