バブル疲れのペールが無気力プレーで警告を受けるも非を認めず [ウインブルドン]

写真は2019年ウインブルドンでのブノワ・ペール(フランス)(Getty Images)


 2年ぶりの開催となる今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月28日~7月11日/グラスコート)の大会2日目は、男女のシングルス1回戦が行われた。

 火曜日にブノワ・ペール(フランス)の負け試合を受け持った主審は、このフランス人が100%の努力をしていなかったと考えた。ファンもこれに同意した。ペール自身は? 彼はそんなことはどうでもいいと言い放った。

 第9シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)に敗れた試合で最終セットプレーしているとき、ペールは努力が欠如しているとしてスポーツマンらしからぬ行為の警告を受けて観客から野次られた。

 32歳のペールは月曜日に中断して順延となった試合がシュワルツマンの6-3 6-4リードから再開されたとき、特に第3セットの出だしでサービスゲームを落としたあとには試合の進行に興味を持っていないように見えた。彼は次々とボールをネットに打ち込んで続く12ポイントを落とし、0-5の0-30となったときに主審のモハメド・ラヒアーニ氏から警告を受けた。

 コートサイドに歩いていって椅子に座ったペールは、ラヒアーニ氏に「フィジオを呼んでくれ」と声をかけた。

「ブノワ、こんなふうにプレーすることはできない。私はベストを尽くすよう言ったんだ。このためにフィジオは呼べない」とラヒアーニ氏は答えた。

 この会話の間に、観客席の誰かがペールに向かって「君は皆の時間を無駄にしている」と叫んだ。

 そのやり取りのあとコートに戻ると、ペールはボールを打つときに大げさな唸り声を上げた。シュワルツマンは続く2ポイントを取り、16分しかかからなかった第3セットを6-0でものにした。

 ちなみにラヒアーニ氏は、2018年USオープンで試合中に椅子から降りてニック・キリオス(オーストラリア)を励まして問題になった審判だ。

 試合後に彼のプレーに対するファンの反応について尋ねられたとき、ペールは非を認めようとはしなかった。

「他の人々のことなど気にしない。僕は自分のためにプレーしているんだ。僕は他の人々のためにプレーしている訳じゃない」と世界ランク46位のペールはコメントした。

 あくまでペールはベストを尽くしていたのだと主張し、新型コロナウイルス(COVID-19)の対策のために大会が用意した『バブル(安全地帯)』の中の生活に苦労しているのだと続けた。

「僕はただ、バブルの中に留まろうとしている。僕の部屋に留まり、例えワクチンを接種していてもウイルス検査を受けるようにしている」と彼は胸の内を語った。

「僕はここのすべてに同意できない。大会のことは好きだ。でも僕が嫌いなのは、彼らの僕らに対する扱いだ。バブルの中に留まれと言われ、他の皆は普通に街中にいる。理解できないよ」

 リスクを最小限に抑えた環境を作ろうという大会の試みで、プレーヤーとそのスタッフは定期的にウイルス検査を受けながら大会の間は指定されたホテルに留まらなければならない。

 昨年のUSオープンでウイルス検査を受けたペールは陽性と診断され、大会からの棄権を余儀なくされていた。(C)AP(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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