“イギリスの新しいお気に入り”18歳ラドゥカヌがグランドスラム本戦デビューで4回戦に快進撃 [ウインブルドン]

写真はエマ・ラドゥカヌ(イギリス)(Getty Images)


 2年ぶりの開催となる今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月28日~7月11日/グラスコート)の大会6日目は、男女のシングルス3回戦残り試合などが行われた。

 今回のウインブルドンで話題を呼んでいるティーンエイジャーは、コリ・ガウフ(アメリカ)だけではない。エマ・ラドゥカヌ(イギリス)が突如として現れ、脚光の一部を奪い取ったのである。

 2019年にブレークを果たしたガウフにとってウインブルドン2週目に至るのは2度目のことで、彼女はすでにセンターコートでのプレーを何度か経験している。一方で初のグランドスラム本戦をプレーしているラドゥカヌにとっては予想外の進撃であり、イギリスのファンたちは思いがけない新しいお気に入りを手に入れて大喜びすることになった。

 18歳のラドゥカヌと17歳のガウフは土曜日、数分の差でそれぞれ16強入りを決めた。第20シードのガウフが世界ランク102位のカーヤ・ユバン(スロベニア)を6-3 6-3で下して2度目の4回戦進出を決める少し前、ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したラドゥカヌは同45位のソラナ・シルステア(ルーマニア)を6-3 7-5で倒して芝の上にラケットと膝を落とした。

「私はいま凄く乗っていて、ハイな状態だわ」と世界338位のラドゥカヌは語った。彼女はまだ、高校で受けた試験の結果を待っているところだ。

「観客の歓声を最初に聞いたとき、私は『凄い、皆が私の応援してくれてるわ!』という感じだったの。彼らのエネルギーを感じたわ。彼らの前でまたプレーできることが凄く楽しみよ」

 これはラドゥカヌにとって最初のグランドスラム大会というだけでなく、ツアーレベルの大会に出ることが自体が2度目に過ぎない。

 1977年のバージニア・ウェード(イギリス)以来、ウインブルドンでイギリス人女子プレーヤーの優勝はない。男女を合わせてシングルスでまだ勝ち残っている唯一の地元選手であるラドゥカヌには、大きな注目が集まっている。

 ビリー ジーン・キング・カップ(旧フェドカップ)のイギリス代表チーム監督で全国テニス連盟が運営するテニス講習会で11歳のエマが彼女の生徒のひとりとしてラケットを振る姿を最初に見ていたアン・ケタボンヌ(イギリス)は、「彼女がどんどん自信をつけて成長し、重要な試合でレベルを上げていくのを目にするのは素晴らしいことだわ。初出場の彼女がこのようなパフォーマンスを見せることを期待した人は誰もいなかったでしょうね」とコメントした。

 彼女の両親さえ、このような進撃を期待していなかった。

「バブル(宿泊施設を含む大会が用意した安全地帯)に行くため荷物を用意していたとき、私の両親は『ちょっと持っていきすぎじゃないの?』なんて言っていたの。今夜はたくさん洗濯しなければならないでしょうね」とラドゥカヌは笑いながら話した。

 オープン化以降の時代に4回戦に進出した最年少のイギリス人女子プレーヤーとなったラドゥカヌは今年が最後となる伝統的ミドルサンデーの休息日のあと、4回戦でアイラ・トムヤノビッチ(オーストラリア)と対戦することになる。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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