「理想的な状態だ」3回戦でノリーを退けたフェデラー [ウインブルドン]
2年ぶりの開催となる今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月28日~7月11日/グラスコート)の男子シングルス3回戦で、第6シードのロジャー・フェデラー(スイス)が第29シードのキャメロン・ノリー(イギリス)を6-4 6-4 5-7 6-4で退けた。
芝の状態が大きな話題になっているが、例年と変わらないという。
「例年と芝生の状態は変わらないと思う。過去の大会でも転倒したことはある。今のほうが動きやすい。昨年大会がなかったことと、芝の状態には何も関係ないと思う」
ノバク・ジョコビッチ(セルビア)をそこまで意識していないが、勝つのは難しいと考えている。
「ノバクがいいからプレーしているわけじゃない。ラファ(・ナダル/スペイン)も同じだ。僕は自分の膝を気にしながらやっている。ノバクが今年成し遂げていることは素晴らしい。ドローはいつでも簡単じゃないが、彼は勝利への道筋をいろいろ持っている。オーストラリア、パリでも素晴らしかった。ここでも優勝候補の筆頭だ。彼はとてつもない努力をしてきたし、いいプレーをしているから、倒すのは難しいだろう」
アンディ・マレー(イギリス)の試合はEUROを見ながらチェックした。
「ここで彼と練習できてよかった。彼のボールを実際に打って、彼がどんなことを成し遂げられるかを感じられた。EUROを見ながら、彼の試合も一緒に見ていた。彼は現在、毎日ある程度妥協しなければならない状態にある。3時間練習したいのに1時間半しかできないし、しっかり休まないといけない。毎日そういう感じで、難しい選択を迫られる。年間35大会に出場するのは無理だから、25にしたり、15かそれ以下にしなければならないこともあるだろう」
自分の経験からアドバイスもした。
「どのように妥協するか、どの大会に出るべきかなど、様々なことが頭の中を駆け巡る。だから、少しアドバイスをした。難しい状況を乗り越えたが、試合をたくさんプレーしわけじゃない。だから常に疑問が頭の中にある。同時に現状は凄く喜ばしい。彼が今乗り越えていることを考えると、すべての選手が彼に敬意を表している。誰もが彼がツアーに出続けることを願っている。何より大事なのは彼が健康でハッピーかどうかだ」
今大会はミドルサンデーがあり、来年からなくなることを記者の質問で知った。
「今大会ミドルサンデーがあるのかどうか、知らなかったんだ。だから教えてくれてありがとう。伝統は大事だが、フレンチ・オープンも15日間に伸びた。どの大会もより長い日程を確保したいんだ。いろいろと選択肢も増えるし、収益も増す。収益のためだけではないと思う。時間を考えたんだと思う。ドローを考え直すことができる。理解できる」
勝利後の喜びが大きかったように見えた。
「観客が盛り上がってくれていた。僕は試合を通して落ち着いていられた。だから、試合の終わりまで感情を抑えられたんだと思う。大きな意味を持った、いい試合ができたから。ノリーにブレークされたゲーム以外は本当によかった。彼のリターンはよかったけど、簡単にブレークを許してしまった。ブレークポイントを逃したあとにサービスゲームをキープするのに苦労した。彼はいいシーズンを送っているから、そのレベルの選手に勝つことができたのは大きな自信になる。僕は誰に勝ったのかよく理解できている。たまたま調子がよかったのではなく、本当に実力のある選手に勝てたんだ。第4セットの苦しい状況から形勢を逆転できたことはよかった」
1回戦は負けてもおかしくない試合だった。
「試合を重ねてよくなっている。でも、ウインブルドンの1回戦でまだ荒れていない芝の上でアドリアン・マナリノ(フランス)と対戦したいと思わないよ。彼が怪我をしたのは自分にとって幸運だった。でも、徐々にリズムはつかめてきた。左利き、右利き、左利きとの対戦もあり、コート上では少し風もあって難しかった。リシャール・ガスケ(フランス)戦では積極的に踏み込んで打ち込んだから、ミスもあった。重要なのはミスを受け入れて続けることだ。それは今日の試合ですごくよくできたと思う」
精神面の状態は理想的だという。
「コート上ですごく気持ちが落ち着いていて、すべてに対して平穏な感じだった。自分がどうサービスをしてキープしたいのか、どうミスショットや判断ミスを受け入れたのか。それらを綺麗に洗い流して、うまく次に進めた。大事なのは全体の絵なんだ。チェンジエンドでベンチに座っているとき、頭を空っぽにすることができた。ネガティブなこともポジティブなことも考えず、そこに座ってリラックスできた。これこそが理想的な状態なんだ。物凄くポジティブなことだ」
フェデラーは4回戦で第23シードのロレンツォ・ソネゴ(イタリア)と対戦する。(テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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