「アンダードッグになるのも好き」3回戦を見据えるフェデラー [ウインブルドン]
2年ぶりの開催となる今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月28日~7月11日/グラスコート)の男子シングルス2回戦で、第6シードのロジャー・フェデラー(スイス)がリシャール・ガスケ(フランス)を7-6(1) 6-1 6-4で下してベスト32に進出した。
「いい試合だった。ダニエル・エバンズ戦(3月、カタール)、マリン・チリッチ戦(6月、フレンチ・オープン)の試合もよかったのに続き、今日の試合もベストのうちのひとつだ。フィジカルの状態もよかったし、いろんな意味でリラックスしてプレーできた。いいところでブレークを取れた」
リードを広げて楽にプレーできた。
「試合の中でリードを広げることは大事。自信が得られるし、リラックスしてより自由にプレーできるから。ショット、バリエーション、動きがよく、頭の中もクリアだった。いい試合だった、雰囲気もよかった。今年プレーした中でもよかったゲームのひとつだろう」
観客の後押しを受けたと記憶している最初の試合は20年前のことだ。
「2001年のウインブルドン4回戦かな。ピート・サンプラス(アメリカ)に勝ったときだ。その直後にティム・ヘンマン(イギリス)に準々決勝で負けたのかな。当時ランキングは15位だった。あのときは観客のサポートを強く感じた。本当にファンが応援してくれたのを覚えている。ピートはウインブルドン5連覇を狙っていて、多くのサポートを受けていたけど、観客は僕のこともすごく応援してくれたんだ」
3回戦で地元選手のキャメロン・ノリー(イギリス)と対戦するが、観客がどちらを応援しても気にしていない。
「コートに出て、すべての観客が自分を応援してもらえるなどと思ったことはない。ときにはアンダードッグになることも好きなんだ。誰でも接戦を見たいものだし、試合には流れもある。相手がいいショットを打ったら称えて欲しいとも思う。テニスというスポーツはいいショット、いいプレーが出たら拍手するものだし、試合が最後までギリギリの競り合いになったときこそ、人々が一番楽しみにしている瞬間だと思う」
試合を見てからどちらかを応援し始める観客が多いと思っている。
「ファンはスタジアムにやって来るとき“選手がどんなプレーを見せるのか?”というニュートラルな気持ちで来ることが多いと思う。そしてある程度試合を見て、どちらを応援しようか決める人も多いのではないか。僕のことを知っていたり、どんなプレーをするのか聞いたりしている人が多いだろう。ちなみに、自分が観客のときはいつもアンダードッグのほうを応援するよ!」
静まり返ったスタジアムが最悪だという。
「僕はガスケ戦も、ノリーとの試合でもほとんど同じ気持ちで臨む。自分のプレーに集中しなければならないし、観客が試合にのめり込んでくれたら、素晴らしいことだ。ノリーの側に観客が立っても、それはそれでいいこと。最悪なのは、観客がたくさんいるのにシーンとしていることだ。センターコートではいつだって素晴らしい雰囲気になる。誰がどちらを応援しようとね。プレーするのが最高のコートだ」
サッカーのUEFA欧州選手権(EURO)でスイスがベスト8に進出し、注目している。
「EUROの準々決勝でスイス代表のスペイン戦は間違いなく観るよ。時間はまだチェックしていないけど、見逃さないように自分のスケジュールを組むよ!」
3回戦で対戦するノリーとはツアーでの対戦はないが、2019年(2018年12月30日)のホップマンカップで一度だけ対戦(6-1 6-1)経験がある。
「彼がツアーに出てきたころから知っているけど、すごくレベルが上がったと思う。当時からベースラインで安定したショットを打っていた。どのサーフェスが一番得意なのかは分からないが、安定感があればどんなサーフェスでも問題なくプレーできる。クレーコートでもいいし、独特のフラット系のバックハンドもある。最初はクレーで勝てるようになったから、記憶が確かじゃないけど、スペイン系のコーチの影響があったのかな?」
2度目の対戦では、相手の成長を楽しみにしている。
「彼はサービス、フォア、バック、すべてにおいてレベルアップしている。僕はいつもそうした選手の成長を楽しみにしているんだ。以前対戦したときとは違うノリーを見たいんだ。1年半後、何も成長していない選手を見ることほど残念なことはない。ノリーは素晴らしい成長を見せている。楽しみにしている。グッドガイだしね。ホップマンカップでの対戦とはまた違う内容になるだろう。彼もまた2回戦でいい試合をしたようだから、注意はしている。楽しみにしているよ」(テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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