セレナがラトビア戦でフェドカップのシングルスでの全勝記録を更新
女子テニスの国別対抗戦「フェドカップ by BNPパリバ ファイナルズ」の予選ラウンド「アメリカ対ラトビア」(2月7、8日/アメリカ・エベレット/室内ハードコート)の初日が終了し、第1シードのアメリカがファイナルズ進出に王手をかけた。
セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)はエレナ・オスタペンコ(ラトビア)を7-6(4) 7-6(3)で破り、アメリカ代表チームを4月にハンガリーのブダペストで行われるファイナルズまであと一歩というところに導いた。アメリカが勝利を決めるには、土曜日に予定されている3試合の中で、ただ1勝を挙げさえすればいい。
金曜日の夜、試合を通して少し苦しみはしたものの、セレナは完璧であり続けた。セレナが最後にフェドカップのシングルスでプレーしてから、5年近くが過ぎ去っていた。この勝利でセレナは、フェドカップのシングルスでの連勝を「14」に伸ばした。
「ただコートに出て行って、いい戦いがしたかった。国のためにプレーしているとき、それは自分だけのためじゃない」とセレナは語った。
オープニングマッチではオーストラリアン・オープン優勝者のソフィア・ケニン(アメリカ)がアナスタシア・セバストワ(ラトビア)に6-2 6-2で圧勝し、アメリカは最初のリードを奪った。2勝0敗となった今、アメリカのキャシー・リナルディ監督が交代要員として15歳のコリ・ガウフ(アメリカ)にフェドカップ代表デビューのチャンスを与えるかということが関心事として浮かび上がった。
「もちろん、私は彼女にフェドカップでプレーするチャンス、特に初試合の経験を与えられればと願っている。でもチームは一体であり、ゴールはただひとつ――我々のゴールは、勝つということなのよ」とリナルディは明言を避けた。
試合の大部分で、セレナはオスタペンコに押され気味だった。2017年フレンチ・オープン優勝者のオスタペンコは、パワーという面でセレナに引けを取らなかった。この日の彼女はサービスの調子でもセレナを上回り、より多くのウィナーを叩き出していた。
しかしセレナは、タイブレークでベストの力を発揮した。彼女は双方のタイブレークで0-2とリードされていたが、その都度巻き返した。これはセレナにとって2018年以来のフェドカップであり、その際に産後間もなかった彼女は姉のビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)と組んでダブルスをプレーしたのだが、シングルスに関しては2015年以来の出場だった。
「間違いなく、タイブレークではいいプレーができていた」とセレナは振り返った。「少なくとも、勝負をタイブレークに持ち込まなければならなかった。(全体を見れば)よりよいプレーができたはずだったわ」。
これはセレナにとって、オーストラリアン・オープン4回戦でのワン・チャン(中国)に対する敗戦以来の試合であり、ケニンが直面したものよりもずっと厳しいものだった。問題のいくつかは、自ら招いたものだ。セレナのファーストサーブの確率は、わずか48%だった。しかしオスタペンコはタイミングの悪いダブルフォールトや47本のアンフォーストエラーで、セレナに踏みとどまることを許してしまった。
第2セット5-5からブレークに成功したセレナだったが、オスタペンコはただちにブレークバックして勝負をタイブレークに持ち込んだ。タイブレークでのキーポイントは5-2リードからのセレナのダウン・ザ・ラインへのフォアハンドウィナーで、これには彼女のトレードマークのひとつである拳を突きだして叫ぶジェスチャーが続いた。
「私は少し急ぎ過ぎてしまっていた」とオスタペンコは反省の弁を述べた。「ゲームの間は時間をとっていたんだけど、タイブレークで…私は急ぎ過ぎていた。自分の時間をしっかりとっていなかった」。
グランドスラム初タイトル獲得から6日が経ったこの日、ケニンは第1セットで2ブレークしてセバストワを圧倒し、わずか1時間余りしかかけずに勝利に向けて邁進した。
「オーストラリアン・オープンのあとの試合で、少しナーバスになっていた」とケニンは明かした。「少し疲労を感じていたけれど、それを頭から追い出したわ。ただ代表としてしっかりと、自分がもっともうまくできることをやろうしたの」。
今やケニンは世界ランク7位と、アメリカ代表チームの中でもっともランキングが高い。彼女は先月のブリスベンでもセバストワを破っており、これは1ヵ月に2度目となる同じ相手に対する勝利だった。
「前の試合で勝っていたことで、自信を得ることができたわ」とケニンはコメントした。「彼女のテニスをよく研究し、彼女に対する自分の試合を見直した。すべてが私によいほうに進んでいると感じていたわ。重要なポイントで、チャンスをつかむショットを打てていた」。
そう、特に第1セットで。
ケニンは第1セットで2度ブレークしたが、その双方が劣勢を巻き返してのもので、彼女のメルボルンでの勝利の決め手となった不屈の精神を見せてもぎ取っていた。ケニンは第3ゲームで0-40とリードされていたのだが続く5ポイントを連取して2-1とし、次の自分のサーブをラブゲームでキープして3-1とリードしたのである。
次のゲームで15-40から盛り返したケニンは、最終的に6度デュースを繰り返した。そして6度目のデュースでケニンはアドバンテージを奪い、彼女のバックハンドスライスがネットのトップに当たって向こう側にぽろりと落ちたのである。ケニンは守備的なロブのあとセバストワのオーバーヘッドのコースを読んでフォアハンドでオープンスペースに見事に切り返し、そのゲームを取って4-1とリードを広げた。
「そのときに試合の流れが変わり、勢いが自分のほうにきたと感じたの」とケニンは分析した。
第2セットの最初のゲームでブレークしたケニンは、またも4-1とリードを広げた。彼女はフォアハンドを決めて試合を終えたが、それはこの試合で26本目のウィナーだった。
(APライター◎ティム・ブース/構成◎テニスマガジン)
※トップ写真はセレナ・ウイリアムズ(アメリカ/右)とエレナ・オスタペンコ(ラトビア/左)
EVERETT, WASHINGTON - FEBRUARY 07: Serena Williams (R) of the United States shakes hands with Jelena Ostapenko of Latvia after her victory during the 2020 Fed Cup qualifier between USA and Latvia at Angel of the Winds Arena on February 07, 2020 in Everett, Washington. (Photo by Abbie Parr/Getty Images)
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