ティームがズベレフを破り、メルボルンで初の決勝へ [オーストラリアン・オープン]

 彼と対戦したズベレフは、ティームの調子をどう見ているだろうか。

「彼は今、その人生で最高のテニスをプレーしているよ」とズベレフはコメントした。ズベレフは今大会で、初のグランドスラム大会ベスト4入りを果たしところだった。

 メルボルンでのティームは、これまで一度も4回戦以上に勝ち上がったことはなかった。しかし彼は今、より優れたハードコートプレーヤーに変身しつつある。彼は準々決勝での世界1位のナダル、この日の世界7位のズベレフを含めてトップ10に選手に対して3試合連続で勝利をおさめて現在かなり調子がよい。

「彼はよりフラットにショットを打っている。以前の彼は、完全なクレーコートプレーヤーだった。大いに動き、大いに走り回っていた」とズベレフはティームについて語った。「彼は今、万能なハードコートのテニスを擁している」。

 今大会で挙げたここ2試合の勝利の双方でティームはもっとも重要な瞬間によりよいプレーをし、決め球を打ち込むチャンスが訪れるまで喜んでコート後方でラリーに持ち込んでいた。彼は常に情け容赦のないナダルに対して3つのタイブレークを戦い、そのすべてで勝者となった。それから彼はズベレフに対してもふたつのタイブレークを戦い、やはりその双方をものにした。

 彼はまた、準決勝で直面した14のブレークポイントのうち9回をセーブした。

「重要な瞬間に僕は自分のベストのプレーができず、彼にはそれができていた」とズベレフは勝敗を分けたポイントについて説明した。「そこから、試合は彼にとってよい方向に進み始めたんだよ」。

 ややおぼつかないスタートから回復したティームは第2セットではいくつかのブレークポイントを凌いだ末に引き離すと、時速201kmのサービスエースでセットカウント1-1のタイに追いついた。

 第3セットではやや疲れて具合が悪そうに見えていたにも関わらず、ティームはまずはバックハンド、それからフォアハンドでウィナーを狙いにいくことでふたつのセットポイントをセーブした。程なくして、もうひとつのタイブレークがティームのものとなり、彼はまたもいくつかのウィナーを打ち込んで堂々と締めくくった。今回はまずフォアハンド、それからバックハンドだった。

 この日の最後のタイブレークでティームが取った最後の3ポイントは、2本のフォアハンドとボレーのウィナーだった。

 金曜日の午後のミックスダブルス準決勝の間に気温は43度にも上ったが、夕方にティーム対ズべレフの試合が始まる頃までには少し涼しくなっていた。試合が始まったときに開閉式の屋根は部分的に開いていたが、第4ゲームで小雨が降り始めたため3分の休止のうちに屋根は完全に閉じられた。

 第3セットの第1ゲームのあとに、より長くより奇妙な水を差す出来事があった。スタジアムの照明の問題のため、7分ほどプレーが中断されたのだ。大会オフィシャルたちが問題について話し合うため寄り合っている間に、観客たちはビージーズの『ステイン・アライブ』などに乗ってダンスし、ズベレフはシャツを着替え、ティームはこのばかげた出来事に微笑みを浮かべた。

「少し緊張感が解けたよ」とティームは振り返った。

 ティームが力を誇示し始めたとき――彼は第1セットのウィナー5本から第2セットで9本、そして第3セットには20本と増やしていった――ズベレフは自分を煩わすものをますます見つけ始めたように見えた。第3セットでビデオ判定のチャレンジを使い尽くした22歳のズベレフは、そのせいで主審のジョン・ブロム氏と言い争い、最終的に暴言によって警告を受けることになった。

 ネットマシーンがレットを見逃したのではと疑ってみたり、会場のビデオ掲示板が集中を妨げると主審に不平を告げたりと、気を散らす他の問題もあった。しかしズベレフをもっとも煩わせていたのは、言うまでもなくティームだった。

 最終日に行われる決勝までに、ティームには45時間未満の休息しかない。彼はその間に、ジョコビッチを彼が最高の力を発揮してきた場所で倒す方法を見つけ出さなければならないのである。

「アドレナリンを全部出して、すべてを出し尽くすよ」とティームは決勝を見据えた。

(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

※写真はジョン・マッケンロー(アメリカ/左)のオンコートインタビューに答えるドミニク・ティーム(オーストリア/右)
撮影◎毛受亮介 / RYOSUKE MENJU

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