長野県松本市を舞台に開催されている北信越インターハイ「第78回全国高等学校対抗テニス大会（団体）」「第111回全国高等学校テニス選手権大会（個人単複）」の大会3日目の男子は個人戦シングルスの1～4回戦が行われ、ベスト8が決定した。1・2回戦は1セットマッチ、3・4回戦は8ゲームズプロセットで戦われた。

　春のセンバツ個人戦を制したトップシードの田中佑（湘南工大附）は悠々と8強入りを決めた。1回戦から順に6-1、6-1、8-2、8-3と圧倒。山田倫太朗（浦和学院）との4回戦のは「関東大会の団体決勝で5-6打ち切りとほとんど負けていたので、勝つことができてよかった」と笑みを浮かべた。「だんだん調子が上がってきた感じ。気負わず最後まで楽しめればいい」と、大会の大本命はいつもと変わらず飄々と上を見据えていた。

田中は春夏連覇へ快調な滑り出し（写真◎菅原淳）

　準々決勝で田中に挑むのは新田（愛媛）のエース・丹下颯希。3回戦までの3試合でわずか1ゲームしか落とさない勝ち上がりを見せると、4回戦で奥地佑都（名経大市邨）とのシーソーゲームで最後にまくって挑戦権を手にしている。

　驚きのベスト8入りとなったのが野坂迅（秋田商）だ。ブロックのシード勢が崩れていく中でスルスルと勝ち上がっていき、最後は柴田昂樹（誠英）に8-2で快勝して一番乗りで8強入り。トーナメント表を見ていた選手たちからも「誰だ？」と驚きの声が上がった。

「チャンスを掴むことができた。2回戦は突破したいと思っていたが、ベスト8はまったく実感がない。チャレンジャーとして戦っていきたい」という野坂。準々決勝では岩本晋之介（関西）を9-7の接戦で下した石川真輝（東海大菅生）に挑み、さらなる無欲の勝利を目指す。

「再戦」にも動じることなく勝利を挙げた眞田（写真◎菅原淳）

　前日の団体決勝シングルス1対決の再現を制したのは、またも眞田将吾（四日市工）だった。代島侑真（東京学館浦安）にスタートから5連続ゲーム奪取のあと4ゲームを連続で奪い返されたが、最後は8-4で締めた。

「団体がタフな戦いだったので少し疲れはあったが、自分のプレーができた。（代島と）2回目をやるのはイヤだったけど、強烈なサービスをはじめ相手のボールに慣れることができていた。『簡単にはいかない』と思っていたので、追い上げられてもしっかり最後まで対応できた」と眞田。準々決勝では今里翔吾（海星）を8-2で撃破した髙妻蘭丸（大分舞鶴）との2年生対決に臨む。

小泉は春のリベンジを誓う（写真◎菅原淳）

　小泉熙毅（浦和麗明）は森田皐介（柳川）を8-2で下して8強に名を連ねた。春のセンバツ団体では2回戦で柳川（福岡）に競り負け、キャプテン＆エースの責任をまっとうできずに涙した。団体での出場はならなかったが、個人でリベンジのチャンスを手にした。「次は強い相手だが自分のプレーを出していきたい。全国で優勝したい」と意気込む。

　その「強い相手」が髙悠亜（関西）だ。準々決勝では柳川のエース・蔡旻修を持ち前のアグレッシブなプレーを前面に8-6でねじ伏せた。「フォアで攻める、バックは耐えるという自分のテニスができた。4回戦ではファーストサービスの確率もよく、フォアからの展開で決めきることができた」と納得顔だ。

全国の頂点を目指す髙（写真◎菅原淳）

　団体は春に続きこの夏も4強止まり。センバツ個人でも準優勝に終わっている。「あと3つ勝って、日本一を勝ち獲りたい」と力強いが、準々決勝で戦う小泉には勝ったことがない。それでも「調子が上がってきているので、やれると思う」。悲願の頂点へたどり着くことはできるか。


　大会5日目となる8月6日は、男子はやまびこドームと信州スカイパーク庭球場でダブルスの1回戦～準々決勝が、女子は浅間温泉庭球公園でシングルスの1～4回戦が行われる。いずれも1・2回戦は1セットマッチ、シングルス3・4回戦、ダブルス3回戦・準々決勝は8ゲームズプロセットで行われる。試合開始時間は9時の予定。