2年前の大ケガを乗り越えたマクドナルドが錦織との激闘を制してATPツアーで初の決勝進出「凄く大きな意味がある」 [シティ・オープン]

写真はマッケンジー・マクドナルド(アメリカ)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「シティ・オープン」(ATP500/アメリカ・ワシントンDC/8月2~8日/賞金総額204万6340ドル/ハードコート)の男子シングルス準決勝で、マッケンジー・マクドナルド(アメリカ)が2時間46分の激闘の末に日本の錦織圭(日清食品)を6-4 3-6 7-5で倒した。

 2年ほど前にマクドナルドはハムストリング損傷のために手術を必要とし、数週間に渡って歩くこともできなかった。しかし今、26歳になった彼を見てみるといい。彼は初めて、ATPツアーで決勝進出者となったのである。

 マクドナルドは土曜日の夜、非常なシーソーゲームとなった準決勝で2015年大会優勝者の錦織に競り勝った。

「自分が今週、様々なことを繋ぎ合わせてまとめたように感じているよ。いつスイッチが入るか分からないものだね。僕にとって、それは今週だったんだ」と世界ランク107位でノーシードから勝ち上がってきたマクドナルドはコメントした。

 UCLA時代の2016年に単複でNCAA(全米大学体育協会)テニス選手権のタイトルを獲得したマクドナルドは、カレッジテニスのスター選手だった。彼はプロの世界でも、2018年ウインブルドンで4回戦に進出するなど将来有望な若手と目されていた。しかしマクドナルドは2019年フレンチ・オープンでダブルスをプレーしたときに脚を酷く痛めて以来、その道は険しいものとなった。

 2月にオーストラリアン・オープンで4回戦に進出したとき、彼は自分のテニスが戻ってきつつあるところを示した。そして今週は1回戦でディフェンディング・チャンピオンのニック・キリオス(オーストラリア)をストレートで退け、この日は2014年USオープン準優勝者の錦織との接戦を制するなど更なるポジティブな兆しを見せている。

 錦織がフォアハンドをネットにかけて試合に終止符が打たれたとき、マクドナルドは歓喜の雄叫びを上げた。

 何年にも渡ってテニスの目標を書き留めてきたマクドナルドはあと1勝すればそのうちのひとつを達成できるところまできて、「ああ、凄く大きな意味がある。僕はこれが大したことではないと考えて、冷静さを保つように努力しているんだ」と語った。

「それが僕を本当に助けているんだと思う。あまり大きく捉え過ぎず、期待感が高くても低くてもいけない。その背後にある価値を理解しながら、集中力を維持する必要があるんだ」

 日曜日の決勝で、マクドナルドは第5シードのヤニク・シナー(イタリア)と対戦する。シナーはワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したジェンソン・ブルックスビー(アメリカ)の進撃を7-6(2) 6-1で食い止め、キャリア4度目のツアー決勝進出を決めていた。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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