「間違いなく新しい経験」クレッシーが大声援を受けて驚きの番狂わせを実現、UCLA出身選手が活躍 [USオープン]

写真は2020年USオープンでのマキシム・クレッシー(アメリカ)(Getty Images)


 今年最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月30日~9月13日/ハードコート)の大会2日目は、トップハーフ(ドローの上半分)の男女シングルス1回戦が行われた。

 マキシム・クレッシー(アメリカ)は大学でライバル校に対して2度重要な勝利をおさめた際に、人々が自分の名を呼ぶチャントを耳にしていた。しかしUSオープンで「クレッシー! クレッシー!」というその心地よい声援を聞くことは、まったく新しい経験だった。

 2セットダウンから挽回した予選勝者のクレッシーは、4つのマッチポイントを凌いだ末に第9シードのパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)を5-7 4-6 6-1 6-4 7-6(7)で倒すという驚くべき逆転劇をやってのけた。

 フランス生まれでカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)に進学してテニスをプレーしたアメリカ人のクレッシーは、昨年のファンがいない中でツアーに乗り込んだ。そんな訳でUSオープンで2度ベスト4入りした強豪カレーニョ ブスタに対する試合を通し、観客で溢れていたグラウンドコートの状況は彼にとってまったく馴染みのない世界だったのだ。

「僕は観客がいる試合の経験はあまりないんだ。僕のツアーデビューはパンデミックの最中だったからね」とクレッシーは話した。

「それは間違いなく新しい経験だった。本当にエキサイティングな経験だったよ。観客がいる試合でプレーするのが大好きだ」

 そして観客たちは、彼のサーブ&ボレーのスタイルを見るのが大好きだった。これは昨今のツアーでは非常に稀なプレースタイルである。彼はこのアグレッシブなテニスで、南カリフォルニア大学(USC)に対するUCLAの勝利を2度もぎ取った。彼がこれ以前に自分の名を呼ぶ声援を聞いたのは、そのときが最後だった。

 これまでのところ“ブルーインズ(UCLAのスポーツチームの愛称)”出身の選手たちにとっていいスタートとなっており、3人の男子プレーヤーが初戦を突破した。月曜日にマルコス・ギロン(アメリカ)が予選勝者のアントワーヌ・ホワン(フランス)を6-3 6-4 7-5で退け、火曜日にはクレッシーのルームメイトだったマッケンジー・マクドナルド(アメリカ)が第27シードのダビド・ゴファン(ベルギー)を6-2 7-5 6-3で破る番狂わせを演じた。

「僕はUCLAで素晴らしい年月を過ごし、その思い出は僕の心に留まり続けるはずだ。ブルーインズ出身の選手たちが活躍するのを見るのは素晴らしいことだよ」とクレッシーは語った。

 セバスチャン・コルダ(アメリカ)はニコラス・バシラシビリ(ジョージア)に対する1回戦の第2セットで棄権を余儀なくされ、彼のUSオープンは早々に幕を閉じた。プレーを止めたとき、彼は2-6 1-2と劣勢に立たされていた。

 正式な棄権の理由は公表されていないが、21歳のコルダはこのところ胃腸の問題に苦しめられていた。コルダはこれ以前に最後に参戦したグランドスラム大会であるウインブルドンで4回戦に進出しており、将来有望なアメリカ人選手として期待されている。(APライター◎ブライアン・マホニー/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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