「8分もトイレで何をしているの?」トイレブレークに時間制限を設けるべきというスティーブンス [USオープン]

2回戦でコリ・ガウフ(アメリカ)を倒したスローン・スティーブンス(アメリカ)(Getty Images)


 今年最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月30日~9月13日/ハードコート)の女子シングルス2回戦で、スローン・スティーブンス(アメリカ)が第21シードのコリ・ガウフ(アメリカ)を6-4 6-2で下してベスト32に進出した。

 スティーブンスは4年前のUSオープンで優勝しているが、8月30日付のランキングでは66位、今大会はノーシードで出場している。満足げにこの試合を振り返った。

「今日の試合はいいテニスを披露するのに絶好の機会だった。ココ(ガウフ)が素晴らしい選手なのは誰もが知っている。凄く楽しみにしていた。どちらもいいプレーができたと思う。私はチャンスを生かすことができ、それが結果に繋がった。自分のゲームプランをしっかり遂行して勝ててうれしい」

 これほどいいプレーができる感触が試合前からあったのか。

「いいえ、とにかく1日1日を大事にやってきた。いい方向に向かっているし、プレーがよくなっていると思う。ノーシードだと明らかに厳しい。1回戦から強敵と当たり、先に進むのが難しい。だから、今は初戦からトッププレーヤーと対戦する準備ができている。パンデックから抜け出すのは厳しい道程だった。誰にとっても継続するのが難しかったはず。とにかく進んでいって波に乗るしかない。今はいろんな要素がうまく噛み合ってきた」

 今日はファーストサービスの確率が84%だった。

「うれしい! でもそれがゴールじゃない。相手を倒すことが目標だった。そのためには多くのファーストサービスを入れて、主導権を握りたかった。サービスの確率が高いのはいつでも大事なこと。アグレッシブにポイントに入って、相手のショットを予測しやすくなるから。よかった要素の一部でしかないけど、このスタッツには喜んでいる」

 これでマディソン・キーズ(アメリカ)、ガウフから大きな勝利を手にした。自信も大きくなったのではないか。

「いいね。私は2人の親友と戦わなければならなかった。よく知っている相手2人と対戦するのは特別なもの。また違ったプレッシャーがかかってくる。USオープンでアメリカ人を相手に戦うのは大変。でも2つの勝利にとても満足している。いいテニスができた。でもまだグランドスラムの3回戦だから、この調子でさらに勝ち進みたい。でも、大きなプレッシャーの中、いつもと違う雰囲気の中で2つ勝てたのは大きい」

 ココの成長を見てきた中で、彼女との対戦はどんな気持ちでしたか?

「間違いなく特別なもの。ツアーでは一度も一緒に練習したことがないの。彼女が本当に小さいときからその成長を見てきた。多分、最後に打ち合ったのは彼女が12歳のとき。だから、不思議な感じがした。何故だろう、一緒にツアーで練習してこなかった。彼女のプレーはいつも見てきた。よく知っているし、同じコーチと長い間一緒に練習してきた。共通点もあって面白い。彼女のテニスは発展したけど、まだ17歳。まだ先は長い。自分が歳を取ったなと感じさせる。彼女を見ていると、自分が成人したころのよう。でも私はもう28歳、歳を取ったものだわ。彼女のプレーが進化したこと、彼女が成し遂げていることを見るのは本当に素晴らしい。守備的な状況から攻撃に転じるところなんか、凄いと思う。ネットプレーもいい。オールラウンドに能力が高い。本当に見ていて気持ちがいい。彼女はただ強打で押すだけの他の若い選手とは違う。ココのプレーは多彩。いま成長している若手の中で半分はハードヒッター、残り半分が多彩なショットを持っている。彼女は明らかに後者よ」

 アンディ・マレー(イギリス)が『ステファノス・チチパス(ギリシャ)はトイレに行く時間は、ジェフ・ベゾスの宇宙旅行(10分5秒)の2倍もかかる。面白い』とツイートしたことについて。

「正直言うと面白いなと思った。実際に試合は観ていないから詳しいことは言えない。面白いと思っただけ。私はアンディのファン。彼が大好き。試合について語ることはできないけど、女子テニスでも同じようなことがたくさん起きている。ゲームスマンシップの問題かな。間違いなくルールの改正が必要だと思う。小さな変更は結構頻繁に行っている。例えば、ウォームアップの時間が1分短くなった。でも、誰かがトイレに9分間籠っても何も言われない。細かいところで改善すべき点はたくさんある。今は大きな話題となり、さらに人々に注目されると思う。これをきっかけにゲームスマンシップが少し変わるかもしれない」

 トイレブレークの時間制限を設けるべきと。

「ええ。試合中にコートから7、8分も離れるべきじゃないと思う。その行為は試合の流れを完全に変えてしまう。着替えるだけなのに、何を変えているの? 何をしているの? 数年前、女子はトイレブレークが3分以内と定められていたと思う。汗で濡れたスポーツブラを交換するのは、凄く大変なの。あなたは変えたことがないと思うけど、5分は必要だと思う。でも6~9分もかけていたら、そこで何をしているの?となる。助けが必要なの? 私が助けてあげようか? 何をしているの? そこが論点だと思う、ゲームスマンシップの問題だから」

 USオープンのスタジアムに入場するとき、いまでも魔法のようなものを感じられる?

「ええ、ここでプレーするのは本当に楽しい。大好き。今日の試合では本当にうるさかった! あれほどの雰囲気は初めてだった。ここでプレーするとき、ウォームアップするとき、練習のときでさえも、このコートが大好き。いい思い出もたくさんある。現在の自分のランキングだと勝ち進むには難しい試合ばかり。でも、このコートでの心地よさは素晴らしい」

 次はアンジェリック・ケルバー(ドイツ)との3回戦になる。

「アンジーとはいつもいい試合になる。いつも対戦を楽しみにしている。キャリアの中でも大きな舞台で競ったゲームを戦ってきた。楽しみだ」(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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