「圭は早い展開が好きだから、ペースを落とす必要がある」3回戦で錦織と対戦するジョコビッチ [USオープン]

2回戦でタロン・グリークスプア(オランダ)を倒したノバク・ジョコビッチ(セルビア)

今年最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月30日~9月13日/ハードコート)の男子シングルス2回戦で、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)がタロン・グリークスプア(オランダ)を6-2 6-3 6-2で倒してベスト32に進出した。

「1回戦よりだいぶよかった。サービスのリズムをつかめた。それが重要だった。彼とは初めての対戦。1回戦を見たらサービスが凄くよかった。だから試合のカギは自分のリターンだと分かっていた。相手を動かすことが大事だった。動きが素晴らしい選手ではないから。全体的に満足している。いい方向に進んでいる」

 次は錦織圭(日清食品)との対戦だが、話したりするのか。

「圭の電話番号は携帯に登録しているよ。でも勝つまでは、誰の番号にもかけない。彼とは何度も対戦してきた。2014年のUSオープン準決勝では負けた。彼は4つのグランドスラムの中でも、このコートで一番成功している。私がこれまでのキャリアで見た中で、最もクイックで才能豊かな選手。サービスが大事になる。ペースを少し落とす必要がある。彼は早い展開が好きで、ベースライン上で守るのがうまい。彼のプレースタイルはよく分かっている。オリンピックでも対戦したばかりだ。いい勝負を期待している」

 ニューヨークで自身の宣伝広告を多く見かけるが、テニス選手の商標利用について。

「それは自分のプレーに影響しない。でも、自分の写真、ポスターが街中にあるのは嬉しいこと、誇りに思う。テニスファンなら多くを見たいだろう。今大会では僕や(大坂)なおみ(日清食品)は多くのファンを惹きつけられると思う。もし、できていなかったら残念だけどね。セリーナ・ウイリアムズ(アメリカ)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ロジャー・フェデラー(スイス)、ドミニク・ティーム(オーストリア)、ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)の欠場は大きな影響がある。でも僕らはここにいる。僕と並び多くのトップ選手がいる。次の世代は彼ら自身のストーリー、ブランドを築き上げる必要がある。ここの人々はビッグ3、姉妹、なおみを見たいはず。いつも感じているのは、もっと多くの選手が取り上げられないといけない。でも個人競技だから勝者は一人だけ。チームスポーツとはかなり違う。チームスポーツでは大きなコマーシャル機能がチームの後ろにある。でも、テニス界は頑張っている。世界で4番目のスポーツかな。クリケットに次いで多いのかな。でもポテンシャルを全部使い切っているとは思わない。もっとできるはずだ。でも正しい方向に進んでいる」

 自身のプレーを妨害するような声がポイント中に聞こえた。

「他のチームスポーツが好きなファンにとってテニスはかなり違うもの。ポイント中の妨害が問題になる。スタジアムは、ナイトセッションでは多くの音、歓声などが聞こえる。ポイント間に声が出たりしても、自然に出てしまったものであれば、問題ない。でもわざと、何度も何度も繰り返してプレーを妨害するなら、それはフェアじゃない。正しくない。選手にとっていいことではない。その男性は僕がスマッシュを打つ直前に大声を出した。大事なポイントだったのにあれは良くない。その前も何度か邪魔された。歓声が上がる、音楽がかかるのはいいんだ。僕が今指摘した人物は、自分がやったことを理解しているはず」

ラファとロジャーでどっちが上か? 

「以前、半分グラスコート、半分クレーコートで2人がプレーしたのは、テニスの歴史の中でも本当に素晴らしいアイディアだった。見ていて、とても楽しかった。それで勝ったほうが強いんじゃないか? どちらが強いのか言うのは難しい。3人はそれぞれ違う。スタイルも、ここまで来た道のりも違うし、それぞれ素晴らしい成功を収めてきた。サーフェスも違うところを得意にしている。ビッグ3のライバル関係は素晴らしいもの。よく議論になるが、それはテニスにとってプラスだ。人々がこの議論を続けることを願っているよ」

 飛行機での移動について。

「ヨーロッパからニューヨークへ直行便で移動するのは大変だ。体のどこかに不調を感じるものだ。時差ぼけに対しては、フライトが増えるほど対応する時間が必要になる。実は、重い時差ボケを回避するための本を読んだんだ。飛行中はできるだけ水分補給をして、あまりたくさん食べないほうがいいと言われている。だから僕は飛ぶ前に食事を済ませ、フライト中はなるべく寝るようにしている。7~10時間とフライト時間にもよるけど、あまりたくさん食べないようにしている。それが凄く効果的で自分には合っているやり方だ。テニス選手は順応する必要がある。大体1週間前には現地入りしてトレーニングしてその環境に慣れる。一番大きいのはオーストラリア。大会数週間前に来る選手が多い。でも、順応する時間が3、4日間しかない場合もある。アドレナリンが出ると、疲れが吹き飛ぶ。そのあとはきついが。でも、このスポーツは毎週違う国、違う大陸に移動して、時差がある。これがテニスの素晴らしいところ。移動は苦にならない。15年前ほど、移動がエキサイティングではなくなったけどね。でも、この移動のおかげでニューヨークのような世界有数の大都市に滞在できるのは素晴らしいこと。テニス選手はとても恵まれていると思う。数カ月前に30歳で飛行機で移動したことない人物に会ったが、自分にはちょっと信じられなかった。でも、それが現実にはあることだと理解している」(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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