クレイチコバがUSオープン女子シングルス本戦で悪くないデビュー「もう予選をプレーしたくない」

写真は女子シングルス3回戦勝利後にフォンのサインに応じるバーボラ・クレイチコバ(チェコ)(Getty Images)


 今年最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月30日~9月13日/ハードコート)の女子シングルス3回戦で、第8シードのバーボラ・クレイチコバ(チェコ)がラッキールーザーから勝ち上がってきたカミラ・ラヒモワ(ロシア)を6-4 6-2で下してベスト16に進出した。

 USオープンでのクレイチコバが、初めて女子シングルス本戦をプレーしているという事実は信じがたいことだ。結局のところ彼女はすでに、グランドスラム大会でチャンピオンになっている選手なのだ。

 それでも彼女は6月のフレンチ・オープンでの成功――ロラン・ギャロスで単複を制した21年ぶりの女子選手となった――がありながら、USオープンで起きていることを当然のことと受け止めたりはしなかった。

「これが普通のことだなんて考えはしないわ。私は本当に特別なことだと思っているのよ」とクレイチコバは試合後に語った。

 今年に入ってからコート上で彼女に起きていることについて話している間、25歳のクレイチコバは「特別」「凄い」という言葉を何度か使った。

 考えてみて欲しい。彼女はグランドスラム大会のダブルスでふたつのタイトルを手に2021年に乗り込んだが、シングルス本戦では3試合をプレーしたことがあるだけだったのだ。問題のひとつは、予選を通して本戦入りすることに繰り返し失敗していたことだった。

 パリで栄冠に輝いたあと、クレイチコバは初出場のウインブルドンで最終的に優勝したアシュリー・バーティ(オーストラリア)に敗れはしたが4回戦に進出して継続的に好成績をおさめた。そして今大会での彼女は、グランドスラム大会を2度制した第9シードのガルビネ・ムグルッサ(スペイン)と準々決勝進出をかけて対戦することになる。

「もう予選を潜り抜けなくて済むようになって、本当にうれしいわ。この先もずっとこのままでいて、もう予選でプレーしなくてもいいように願うばかりよ」とクレイチコバはコメントした。

 この調子なら、そんな心配はいらないだろう。(APライター◎ブライアン・マホニー/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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