「チチパスはこれほど攻撃されるようなことをしていない」準決勝後のオンコートインタビューで語ったジョコビッチ [USオープン]

準決勝でアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)に勝利後、オンコートインタビューで話すノバク・ジョコビッチ(セルビア)(Getty Images)


 今年最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月30日~9月13日/ハードコート)の男子シングルス準決勝で、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)を4-6 6-2 6-4 4-6 6-2で振りきった。

  試合直後のオンコートインタビューでは、トイレブレーク問題で批判の的となっているステファノス・チチパス(ギリシャ)を擁護した。

 まず、何と言いたいですか?

「ありがとう。今大会ここまでで、もっとも素晴らしい雰囲気だった。ありがとう。この瞬間のために僕らは生きている。このような特別な瞬間を僕らは夢見ている。毎日朝起きてコートに立つためのモティベーションを探して、同じことを繰り返している。この凄いスタジアムで素晴らしい雰囲気でプレーできると、その苦労が報われる。これを特別なものにしてくれて本当にありがとう」 

 素晴らしい試合。アレクサンダーも、君も素晴らしいプレーを見せた。トイレブレークもなく、2人が戦い抜いた。アレクサンダーの戦いぶりはどうだった?

「トイレブレークは1回取ったよ!」

 でも早かった! 1分45秒だった。

「ステファノス・チチパスのために一言だけ言わせてほしい。彼は何も間違ったことをしていない。僕は彼を応援するよ。問題はルールがはっきりしていないことだ。いろんな意見があるだろうし、議論になるけど、この数週間この話題で盛り上がっていた。彼はこれほどまでにメディアや人々から攻撃されるようなことはしていない。それから、アレクサンダーは僕がコートの内外で尊敬する素晴らしい選手。気が合うし、ツアーの中でも仲のいい友人の一人だ。お互い拠点にしているモナコでよく会うし、一緒に練習もよくやっている。素晴らしい人間、選手だ。今日の試合は凄いバトルになるとわかっていた。観に来てくれた皆が喜んでくれるようなエネルギーとショーを提供できていればうれしい」

 君のフィジカルの凄さはこの試合で何度も見せてもらった。メンタル面の強さについて教えてくれないか。53本のラリーを展開したり、第3セットの終わりにどんなことが頭の中にあったのか。

「本当に知りたいのか? 試合中はいろんな感情が沸き上がってくる。1セット、1ポイントでトルネードやハリケーンのようにいろんな感情が沸き上がっては消えていく。コートでは独りだから逃げ道はないし、自分で道を見つけるしかない。ここまで何年もかけて、自分が一番うまくやれる方法を作り上げた。でも、ここまでの成功の秘密など何もない。いろんな要素がうまく噛み合わないといけない。テニスは凄く美しいスポーツだが、同時にとても厳しくもある。心も体もバランスがいい状態でないと最高のレベルでビッグトロフィーを懸けて戦えない。このステージで長く戦い続けられていることに感謝している」

 ビッグトロフィーと言えば今大会でUSオープン4つ目のトロフィー、グランドスラム大会では21個目のタイトルだ。

「僕はUSオープン4度目の優勝を目指している。それだけしか考えていないよ」

 グランドスラムの数は考えない?

「もちろん、そこにある。僕がその話題について話すのを期待している人が多いだろうけど、あまり話すことがないのさ。あと1試合だ。あと1試合。やり遂げよう! 自分のハート、魂、体、頭をそこに集中させる。次の試合はキャリア最後の試合だと思って戦うつもりだ」

 楽しみにしている。

「ありがとう、皆ありがとう!」(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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