オルコットとデ グロートが車いすテニスで史上初の『ゴールデンスラム』を達成

写真はアーサー・アッシュ・スタジアムで男子シングルス決勝を観戦中のディラン・オルコット(オーストラリア/中央)とディーダ・デ グロート(オランダ/左)(Getty Images)


 今年最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月30日~9月13日/ハードコート)の大会最終日は、男子シングルスと女子ダブルスの決勝および車いすテニスのシングルス決勝が行われた。

 車いすテニスでは日曜日まで、誰も『年間ゴールデンスラム(同じ年に四大大会全制覇+パラリンピックの金メダル)』を達成した選手がいなかった。しかしその日、それが2度も起きたのだ。

 そしてディラン・オルコット(オーストラリア)はその勝利後、これまで一度もやったことがないようなようなやり方で優勝を祝った。

 オルコットとディーダ・デ グロート(オランダ)はともにUSオープンでシングルスのタイトルを勝ち獲り、それを今年のオーストラリアン・オープン、フレンチ・オープン、ウインブルドンの勝利と東京パラリンピックでの金メダルに加えた。

 彼らはノバク・ジョコビッチ(セルビア)とダニール・メドベージェフ(ロシア)の男子シングルス決勝の間にスタンドに姿を見せ、オルコットは優勝杯を掲げて缶ビールの蓋を開けてその中に注いだ。観客の歓声を上げる中、彼はそれを一気に飲み干した。

 オルコットはグランドスラム大会でタイトルを獲得したときにはいつも、トロフィーを盃にしてビールを飲むのだそうだ。そして先週に東京で勝ったあと、その回数は約20回くらいになったと明かした。

「ただ僕は、2万人の観客と5000万の視聴者の見ている中でやったことがなかっただけだよ。ゴールデンスラムを達成したあとに、アーサー・アッシュ・スタジアムでそのビールを飲まないなんてあり得ないさ」とオルコットは話した。

「ノバクとメドベージェフが笑顔になったのを見たよ。素敵なことだ」

 デ グロートが女子シングルス決勝で日本の上地結衣(三井住友銀行)を6-3 6-2で下し、オルコットはクアードシングルス決勝でニルス・ビンク(オランダ)を7-5 6-2で退けた。

 祝い方は控えめだったが、24歳のデ グロートにとってゴールデンスラム達成は同じように大きな意味を持つものだった。

「その称号を受けた最初のプレーヤーとなったということは、本当に特別だわ。私はそれを決して忘れはしないでしょうね」とデ グロートはコメントした。

 これまでは1988年のシュテフィ・グラフ(ドイツ)が同じ年にすべての四大大会タイトルと金メダルを獲った唯一のテニスプレーヤーだった。ウインブルドンが車いす競技のシングルスを加えたのが2016年と遅かったため、車いすテニスのツアーではかなり最近になって達成が可能となった。

 その日はデ グロートがオルコットよりも前にその歴史的勝利を挙げた。30歳のオルコットはテニスに転向する前、2008年に車いすバスケットボールでパラリンピックの金メダルを獲得していた。

「ゴールデンスラムを達成した男子はひとりもいなかった。誰もそうするチャンスを得たこともなかった。僕はその機会を得た。何て特別な瞬間なんだろう。僕は人生を通し、このためにトレーニングしてきた。だから僕は、本当にこの経験を楽しんだよ」とオルコットは語った。(APライター◎ブライアン・マホニー/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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