血は流せど屈せず、キリオスが地元オーストラリアでナダルとの対決へ [オーストラリアン・オープン]

2020-01-26

血は流せど屈せず、キリオスが地元オーストラリアでナダルとの対決へ [オーストラリアン・オープン]

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今年最初のグランドスラム「オーストラリアン・オープン」（オーストラリア・メルボルン／本戦1月20日～2月2日／ハードコート）の大会6日目、男子シングルス3回戦。
　
　ニック・キリオス（オーストラリア）は血まみれの手やハムストリングの問題、主審とのちょっとした口論、そして2つのマッチポイントを凌いだ回復力のある対戦相手を脇に押しやった。

　そのスリル溢れる3回戦が4時間半のあとに終わったとき、キリオスはベースラインの後ろで仰向けに倒れた。地元の人気者を次に待っているものをご存じだろうか？　それは見慣れた、しかし決して友好的なものではない敵である世界ランク1位のラファエル・ナダル（スペイン）だ。

　第23シードのキリオスは33本のサービスエースと国中のサポーターが観客席にいるかのように聞こえる応援の助けを借りながら、最終的に第16シードのカレン・ハチャノフ（ロシア）を6-2 7-6(5) 6-7(6) 6-7(7) 7-6(10-8)で倒した。

「これは伝説の試合、英雄伝だ」とキリオスは言った。「何が起きているのかさえ分からない」。

　第3セット6-5のとき、キリオスは勝利まであと1ポイントのところにいた。そしてその1時間後にも、第4セットのタイブレークで8-7とふたたびマッチポイントを握った。しかし彼はついに勝利をつかむのに、さらに1時間を必要としたのだ。最後はハチャノフのバックハンドがサイドアウトし、試合に終止符が打たれた。

「僕はメンタル的に、少しダメになりつつあった」とキリオスは明かした。「正直、負けるだろうと思ったよ」。

　その過程で彼はダイビングしてバックハンドを打って拳を擦りむき、その血をふいたあとにタイムバイオレーションを受けた。これがキリオスを爆発させ、なぜプレーが遅れたかを説明した彼は、主審に「あんたはバカなのか？　なら取り消せよ」と言い放った。

　月曜日に予定されている8度目のナダル対キリオスの試合では、より多くの激発や興奮があるだろう。例えそうだとしても、キリオスは「我々に間に何が起ころうと、彼は素晴らしいプレーヤーだ。史上もっとも偉大な選手のひとりだよ」と言って敵意のストーリーをやわらげようとした。

　ここまでのところナダルは4勝3敗でわずかにリードしており、その中には昨年7月のウインブルドンで起きた最後の対戦における論議を呼んだ勝利もあった。

　ナダルはその試合で、キリオスが彼の体の正面にボールをぶつけてきたことについてよく思わなかった。またキリオスは先日、メルボルンでナダルがサービスを打つ前に決まってやる仕草を真似し、遠くからナダルに対して別の種類の“ショット”を打っていた。

「もちろん、僕の意見ではよくないことを彼がやるとき、僕はそれを快く思わない。彼がいいテニスをプレーしたとき、そして彼がテニスへの情熱を見せるときには、彼は我々のツアーにとってポジティブなプレーヤーだ。ツアーを大きくしてくれる選手たちは、我々にとって重要だと思っているよ」とナダルはコメントした。

「彼に自分のベストテニスをする準備ができていて情熱を持ってプレーするとき、彼はそういう（有意義な）男のひとりとなる。彼がそうでない別のことをやっているときには、もちろん僕はそれが気に入らないよ」

（APライター◎ハワード・フェンドリック／構成◎テニスマガジン）

※写真はニック・キリオス（オーストラリア）
MELBOURNE, AUSTRALIA - JANUARY 25: Nick Kyrgios of Australia argues with the chair umpire during his Men's Singles third round match against Karen Khachanov of Russia on day six of the 2020 Australian Open at Melbourne Park on January 25, 2020 in Melbourne, Australia. (Photo by Mike Owen/Getty Images)

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