「苦しい瞬間を楽しめるようになった」オストラバ・オープン優勝のコンタベイトが不調を抜け出した要因を語る

オストラバ・オープン決勝でマリア・サカーリ(ギリシャ)を6-2 7-5で倒し、笑顔がこぼれるアネット・コンタベイト(エストニア)(Getty Images)


 9月に「J&T銀行オストラバ・オープン」を制したアネット・コンタベイト(エストニア)がWTAのインタビューで優勝できた要因、不調から抜け出した秘密を語った。

「レベルの高い大会だったからすべての試合で安定したプレーを見せる必要があり、それがとてもよくできたと思う。自分でもレベルアップできたと感じている。試合を重ねるごとに調子も上がっていった。安定しているだけでなく、アグレッシブにも戦うことができた。それこそ自分が目指していたもの。すべての試合で高い集中力を保てたことを誇りに思っている」

 直近3大会でテニスをする喜びを再発見したと言っていたが、失っていたのはいつ頃のこと?

「昨年末のプレシーズンを終えたとき、新シーズンが待ち切れないほど楽しみだった。しかし、オーストラリアでは数週間の厳しい隔離生活を強いられた。メルボルンで開催されたグランピアンズ・トロフィーで決勝に進出。でもシーズンを通して数試合で疲れてしまうことが多かった。もしかしたらモティベーションを失い、自分の目標を見失っていたのかもしれない。6月のイーストボーンで準優勝したあとに調子を落として4大会連続で1回戦敗退。コーチも交代した。自分のやっていることが正しいのか確信を持てなかった。道に迷っていた。ドミトリー・ツルスノフ(ロシア)がチームに加わり、ふたたび正しい道を歩み始めたと感じられた。一番の違いは苦しい瞬間を楽しめるようになったこと。競った試合、ギリギリのスコアをいいチャレンジとして受け入れられるようになった。それが一番大きかった。しばらくテニスを楽しめていなかったから」

 数年間トップ50を守った結果、消耗してストレスの溜まった選手が落ちていってしまうのはよくあることだ。

「ひとつだけ不調の原因を特定するのは難しい。一生懸命練習しているのにトップ10の選手にいつも負けていた。自分の調子がよく、いいテニスができているのに、強い相手に対して勝ちきることができなかった。一生懸命努力しているのに、トップ選手には通じない。でもトップ選手が素晴らしいプレーをしているのだから、努力しても勝てないのが少し嫌になってしまった。自分にはいつも向上心がある。でもあるとき、“私には勝てないのかもしれない…”とマイナス思考になってしまった」

 チームに新たなコーチを迎えて心機一転。どんなきっかけでよくなっていたのか? 今夏は5連敗したけど、その直後は13試合中12試合で勝利を挙げた。

「新たな声だと思う。それが自分のプレーに対する自信を少しだけ大きくし、戦うエネルギーもくれた。ポジティブになる方法を学んだ。自分の頭の中を切り替えるために、どんな言葉が重要だったのかはよくわからない」

 自分をよりよい選手にしてくれるマインドセットの変化はどのようなものですか?

「技術的に自分のショットは元々よかったと思う。自分のテニスに大きな欠陥があったとは思わない。頭の中に変化が必要だった。以前よりポジティブになり、確実性も増した。アグレッシブ過ぎて、一発を狙いにいきすぎないようにした。自分の動きはいいと思う。ポジティブになったことがプレーにも好影響を及ぼしている」

 あまりテニスが強くない国の出身であることは、ハンデになると感じますか?

「エストニアはとても小さい国。外国でツアーを回るとき、多くの応援は期待できないけど、その状況には慣れている。私の家族、友人やファンはテレビやパソコンを通して応援してくれている。母国からの応援は凄く大きなもの。そして小国出身だからこそメリットも大きい。トップ100のエストニア人は私だけでなく、カイア・カネピもいる。メリット、デメリット両方あるけど、“自分が他の国出身だったらどうなったんだろう?”と考えないようにしている。私は自分に与えられた環境に満足している」(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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