「私にはもっとできる」セレナが驚きの3回戦負け [オーストラリアン・オープン]
2時半以上の闘いの末に、セレナはバックハンドをネットにかけて最終ゲームでブレークされた。それは彼女にとって、この日56本あったアンフォーストエラーのバックハンド側での27回目のものだった。一方のワンは、わずか20本しか凡ミスを犯さなかった。
「私は、もっと優れているわ」とセレナは口にした。彼女はワンがロッド・レーバー・アリーナのコート上で勝利者インタビューを受けている間にふたつのラケットバッグを運び、ロッカールームへの長い廊下をとぼとぼと歩いていった。のちに記者会見の際に、ワンは笑いながらこう言った。
「私はいつも、いつの日かこういうことができると信じていた。どの日に起きるかは分からなかったけれど」
すでに妊娠中だった2017年オーストラリアン・オープンで23回目のグランドスラム制覇を果たして以来、セレナはそのタイトル数を増やしていない。
彼女はここ2シーズンで4度グランドスラム大会決勝に進出したが、そのすべてで敗れていた。そして今回、彼女はずっと早く敗北を味わうことになった。
ワンとセレナはこれ以前に1度だけ、昨年のUSオープンで対決しており、そのときにはセレナがわずか44分のうちに6-1 6-0で圧勝していた。ポイントの総計は、50対15だった。
金曜日のワンはほぼ非の打ちどころのない第1セットのおかげで、迅速にその獲得ポイント総数を超えた。そのセットでの彼女は直面した4つのブレ―クポイントのすべてをセーブし、10本のウィナーを決め、アンフォーストエラーは5本しか犯さなかった。
USオープンでの敗戦のあと、ワンはセレナのような選手と競い合いうにはよりパワフルなストロークが必要であると判断し、オフシーズンに多くのジムワークに汗を流した。
「その成果が出たと思うわ」とワンは頷きながら言った。「結果を見れば一目瞭然でしょう」。
彼女は次のラウンドで、オンス・ジャバー(チュニジア)と対戦する。ジャバ―は2018年オーストラリアン・オープン優勝者で元世界1位のカロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)を7-5 3-6 7-5で倒し、ウォズニアッキのキャリアに終止符を打った。
金曜日の勝者の中には世界1位のアシュリー・バーティ(オーストラリア)、第7シードでグランドスラム大会優勝歴2度のペトラ・クビトバ(チェコ)、第18シードのアリソン・リスク(アメリカ)、第22シードのマリア・サカーリ(ギリシャ)もいた。男子では前年度覇者で第2シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)、第3シードのロジャー・フェデラー(スイス)、第14シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)、2014年USオープン優勝者のマリン・チリッチ(クロアチア)、マートン・フクソービッチ(ハンガリー)らが勝ち進んだ。
これはここ11年で初めて、トップ10シードの女子プレーヤーが揃って3回戦に進出した大会だった。セレナがまず最初に敗退し、世界3位の大坂がそれに続くとは誰が想像しただろうか?
「私はキャリアのこの段階でこんなプレーをするような年齢の選手ではないわ」とセレナは決意を新たにした。「間違いなく明日、何より先にトレーニングするわ。こんなことをもう決して、二度とやらないようにするためにね」。
(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
※写真はセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)
MELBOURNE, VIC - JANUARY 24: Serena Williams of the United States of America in action during the third round of the 2020 Australian Open on January 24 2020, at Melbourne Park in Melbourne, Australia. (Photo by Jason Heidrich/Icon Sportswire via Getty Images)
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