4年ぶりの優勝狙う今西美晴、初出場の川村茉那らがベスト4へ [第96回全日本テニス選手権]

写真提供◎公益財団法人日本テニス協会


 公益財団法人日本テニス協会(JTA)が主催する「大正製薬リポビタン全日本テニス選手権96th」(JTT-4/賞金総額2762万円/本戦10月30日~11月7日/兵庫県三木市・ブルボンビーンズドーム/室内ハードコート)の本戦6日目は、男女単複の準々決勝計11試合が行われた。

 トップ3シードがすでに姿を消している女子シングルスは、今日新たに第4シードの小堀桃子(橋本総業ホールディングス)がそこに加わった。大接戦の末に7-6(9) 1-6 7-6(2)で小堀を破ったのは第12シードの今西美晴(EMシステムズ)で、最終セットは1-4からの逆転だった。

 2017年のチャンピオンで準優勝も2度経験している今西だが18年と19年は出場せず、昨年は1回戦で敗退。4年ぶりの優勝に向けて気を吐くが、体調は決して万全ではない。というのも大会の1週間前にぎっくり腰を発症して出場すら黄信号だった状況から何とか間に合わせたものの、今日の試合中に左太股を痛めたのは無関係ではないだろう。

 患部に幾重にもテープを巻いて試合を続行したが、古賀公仁男コーチは「気持ちが切れてしまうことが心配で、とにかく力強いジェスチャーを送っていました」とコートサイドから鼓舞し続けた。

 その甲斐もあって「諦めずに最後まで戦えたことが大きかったと思います」と今西。正確にコースへボールを散らすのがうまい小堀に振り回されてもがむしゃらに拾いまくり、要所で頻繁にトライしたダウン・ザ・ラインへの展開も効いた。

 脚を痛めていようが自分の持ち味はフットワークなのだと自身に言い聞かせるような気迫の粘りで第7ゲームでブレークバックすると、終盤の競り合いからのタイブレークは0-5と一気に突き放して流れを掴んだ。

 明日の準決勝では、第8シードの桑田寛子(島津製作所)に6-1 6-4と快勝した第15シードの光崎楓奈(h2エリートテニスアカデミー)と対戦する。

 もうひとつの準決勝は、第13シードの瀬間詠里花(橋本総業ホールディングス)を6-3 7-5で退けた第5シードの荒川晴菜(アオヤマスポーツ)と第16シードの坂詰姫野(橋本総業ホールディングス)を6-1 6-1と圧倒した第7シードの川村茉那(フジキン)の顔合わせとなった。

 川村は全日本初出場で、過去2度の出場では勝ち星のなかった光崎と同じ20歳だ。これまで3回戦が最高だった荒川は22歳。まだ全日本で目立った実績のないフレッシュな若手の中で、29歳の元チャンピオン今西が満身創痍で大会終盤に臨む。

 男子は一昨年の準優勝者で第1シードの清水悠太(三菱電機)が第5シードの越智真(江崎グリコ)を7-6(2) 6-4で下し、第6シードの山﨑純平(日清紡ホールディングス)は大学生チャンピオンで第13シードの白石光(早稲田大学)を6-4 6-1で退けた。

 昨年ベスト4だった山﨑は11月6日(土)に行われる清水との準決勝に向け、「全日本のタイトルを目標にしてきた。ここからが本番のつもりで気持ちを引き締めて臨みたい」と話した。

 男子シングルス準々決勝の残る2試合は、明日11月5日(金)に行われる。(ライター◎山口奈緒美/構成◎テニスマガジン)

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