歴代最多32回の優勝を誇るアメリカはグループEの最下位に沈む [デビスカップ・ファイナルズ]
男子テニスの国別対抗戦「デビスカップ by Rakuten ファイナルズ」(スペイン・マドリッド、オーストリア・インスブルック、イタリア・トリノ/11月25日~12月5日/室内ハードコート)の大会4日目は、各グループのラウンドロビン(総当たり戦)第3戦が行われた。
グループAはロシアがディフェンディング・チャンピオンで第1シードのスペインを2勝1敗で、グループBはカザフスタンが前回準優勝国で第2シードのカナダを3勝0敗で、グループCはイギリスがチェコを2勝1敗で下してグループDは第4シードのクロアチアがハンガリーを2勝1敗で、グループEはコロンビアが第5シードのアメリカを2勝1敗で、グループFはドイツがオーストリアを2勝1敗で下してそれぞれ勝ち星を挙げた。
これにより各グループで首位となったロシア(グループA)、カザフスタン(グループB)、イギリス(グループC)、クロアチア(グループD)、イタリア(グループE)、ドイツ(グループF)に加え、2位の中で成績のよかったスウェーデン(グループB)とセルビア(グループF)が決勝トーナメントに進出することになった。
準々決勝ではロシアがスウェーデンと、イギリスがドイツと、イタリアがクロアチアと、カザフスタンはセルビアと対戦する。
アメリカ代表チーム監督のマーディ・フィッシュ(アメリカ)は32度優勝しているアメリカが一方的だったイタリアに対する敗戦に続いてコロンビアにも敗れたあと、チーム内にあった情熱の欠如をほのめかした。
コロンビア戦の勝負を決めるダブルスでアメリカは熟練したフアン セバスチャン・カバル/ロベルト・ファラ(コロンビア)に対して第1セット0-2とリードされていたとき、ジャック・ソック(アメリカ)のケガで棄権するという形で大会を終えた。
それに先立ち世界ランク111位のダニエル エライ・ガラン(コロンビア)がエース対決でジョン・イズナー(アメリカ)に6-3 3-6 7-6(5)で競り勝ち、コロンビアがスコアを1勝1敗のタイに持ち込んでいた。
「彼らからは母国のためにプレーしているというデビスカップへの情熱が見える。彼らにとって、それは伝染性のものなんだ。(コロンビアの)選手たちはポイントを取ると2回に1回は拳を突き上げている。印象的だよ。そしてそれは監督としての私が目指して励み、自分の選手たちにやって欲しいと願うことなんだ」とフィッシュ監督はコロンビア代表チームについて語った。
金曜日にライリー・オペルカ(アメリカ)とイズナーが上昇中のロレンツォ・ソネゴ(イタリア)とヤニク・シナー(イタリア)に打ち負かされたあと、アメリカが2位としての勝ち上がるためにはコロンビアに対してセットもゲームもあまり落とさずほぼ完璧な試合をする必要があった。
フィッシュ監督はフランシス・ティアフォー(アメリカ)をオペルカに代えて第2シングルスに起用し、ティアフォーはニコラス・メヒア(コロンビア)に4-6 6-3 7-6(7)で競り勝つことで期待に応えてアメリカが先勝した。
ティアフォーは第3セットのタイブレークでふたつのマッチポイントを凌ぎ、最終的に5つ目のマッチポイントをサービスエースで仕留めた。テイラー・フリッツ(アメリカ)の代役として遅れてチームに招集された世界38位のティアフォーは、デビスカップでの初勝利をマークした。
しかしそこから状況はアメリカにとってよくない方向に進み、アメリカ代表チームはソックが右腿を負傷したためダブルスの試合を途中棄権しなければならなくなった。
その結果でイタリアがグループEの勝者となり、コロンビアが2位でアメリカは最下位に終わった。
「フランシスは今日、(情熱をもってプレーし)素晴らしい仕事をしてくれたと思った。これは個人の大会ではないし、特定の日にどのようにプレーするかにかかっているものではない。それはチームメイトやここに来てサポートしてくれているスタッフのために戦い、困難を潜り抜けようとすることなんだ。今週ここに来るために、多くのことを犠牲にした人々がたくさんいる」とフィッシュ監督は話した。
「だからこそ我々は、その部分を正しくできるようにしたいと願っている」
ファイナルズでは18ヵ国が3チームによる6グループに別れて総当たり戦を行い、各グループの1位と2位の中でもっとも成績のいい2チームが決勝トーナメントに進出して優勝チームを決定する。試合はベスト・オブ・3セットマッチで行われ、シングルス2試合とダブルス1試合で争われる。
昨年の大会は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより、開催中止となっていた。オーストリアがロックダウンに入ったためインスブルックでの試合は無観客で行われ、トリノが収容人数の60%に制限され、マドリッドは最大75%までの観客動員が許可されている。
2019年大会では7日間に渡って全試合がマドリッドで行われたが、プレーヤーやファンから時間が遅すぎてスタンドに空席が目立つナイトマッチと対戦の間に十分な休みがないことに対する批判が出たため大会期間を11日間に延ばして会場を3都市に分けて行うことを決めていた。(APライター◎アンドリュー・ダンプ/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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