クロアチア、イギリス、カザフスタンなど8ヵ国が決勝トーナメントに進出 [デビスカップ・ファイナルズ]

写真はチェコ戦で母国の勝利を決める勝ち星を挙げたジョー・ソールズベリー(左)/ニール・スクプスキー(イギリス)(Getty Images)


 男子テニスの国別対抗戦「デビスカップ by Rakuten ファイナルズ」(スペイン・マドリッド、オーストリア・インスブルック、イタリア・トリノ/11月25日~12月5日/室内ハードコート)の大会4日目は、各グループのラウンドロビン(総当たり戦)第3戦が行われた。

 グループAはロシアがディフェンディング・チャンピオンで第1シードのスペインを2勝1敗で、グループBはカザフスタンが前回準優勝国で第2シードのカナダを3勝0敗で、グループCはイギリスがチェコを2勝1敗で下してグループDは第4シードのクロアチアがハンガリーを2勝1敗で、グループEはコロンビアが第5シードのアメリカを2勝1敗で、グループFはドイツがオーストリアを2勝1敗で下してそれぞれ勝ち星を挙げた。

 これにより各グループで首位となったロシア(グループA)、カザフスタン(グループB)、イギリス(グループC)、クロアチア(グループD)、イタリア(グループE)、ドイツ(グループF)に加え、2位の中で成績のよかったスウェーデン(グループB)とセルビア(グループF)が決勝トーナメントに進出することになった。

 準々決勝ではロシアがスウェーデンと、イギリスがドイツと、イタリアがクロアチアと、カザフスタンはセルビアと対戦する。

 ロシアはスペインを大接戦の末に2勝1敗で破り、グループAの勝者となった。第1試合で40歳で世界ランク106位のフェリシアーノ・ロペス(スペイン)が同5位のアンドレイ・ルブレフ(ロシア)を2-6 6-3 6-4で倒す劇的な番狂わせに成功し、続くエース対決ではダニール・メドベージェフ(ロシア)がパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)を6-2 7-6(3)で退け、アスラン・カラツェフ(ロシア)/ルブレフがマルセル・グラノイェルス(スペイン)/ロペスに4-6 6-2 6-4で競り勝ち勝利をもぎとった。

 この結果で準決勝と決勝がマドリッドで行われるにも関わらず、スペイン代表チームは敗退することになった。

 一方でアメリカはコロンビアに1勝2敗で敗れ、グループステージ最下位で終わった。第1試合でフランシス・ティアフォー(アメリカ)がニコラス・メヒア(コロンビア)との接戦を4-6 6-3 7-6(7)で制したが、ジョン・イズナー(アメリカ)がエース対決でダニエル エライ・ガラン(コロンビア)に3-6 6-3 6-7(5)で惜敗し、勝ち上がるには3勝0敗で勝つ必要があったアメリカの希望は事実上ここで潰えた。

 さらにライリー・オペルカ/ジャック・ソック(アメリカ)とフアン セバスチャン・カバル/ロベルト・ファラ(コロンビア)のダブルスでは、3ゲーム目に入ったところでソックがケガによる棄権を強いられるという不運が追い打ちをかけた。

 インスブルックで行われたグループCの対戦ではジョー・ソールズベリー/ニール・スクプスキー(イギリス)が勝負を決めるダブルスでトマーシュ・マチャク/イリ・ベセリ(チェコ)を6-4 6-2で下し、イギリスが2勝1敗で勝利をおさめた。

 第1試合で世界143位のマチャクが同25位のダニエル・エバンズ(イギリス)を6-4 6-2で破る番狂わせを演じたあと、世界12位のキャメロン・ノリー(イギリス)がイリ・レヘカ(チェコ)を6-1 2-6 6-1を振りきりダブルスに突入していた。

「今日は厳しかった。ランキングを見て多くの人々は簡単な勝負になると思ったかもしれないが、決してそのようにはならないんだ」とイギリス代表チームのレオン・スミス監督はコメントした。

「チェコ代表チームは今日、本当にいいプレーをした。彼らは非常に有能な若いチームだ。マチャクは一夜のうちに突然トップ20プレーヤーになったように見えたよ」

 一連の身体的問題を経て未だ復調を目指して奮闘するアンディ・マレー(イギリス)は今回、イギリスのためにプレーしない道を選んでいた。

 マドリッドで行われたグループBの対戦ではミカエル・ククシュキン(カザフスタン)とアレクサンダー・ブブリク(カザフスタン)がそれぞれのシングルスに勝ち、カナダに対する勝利を確定させた。カザフスタンはダブルスにも勝って3勝0敗でグループステージを締めくくり、ここ10回で6度目の準々決勝進出を決めた。

 カナダは2019年大会で決勝に進出したが、今回は世界11位のフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)と14位のデニス・シャポバロフ(カナダ)という自国のトッププレーヤー2人を欠いていた。

 トリノで行われたグループDの対戦ではデビスカップ初出場のニーノ・セルダルシッチ(クロアチア)がファビアン・マロジャン(ハンガリー)を6-4 6-4で下し、クロアチアの決勝トーナメント進出を確定させた。

 クロアチアはそのあと2014年USオープン優勝者のマリン・チリッチ(クロアチア)がソンボル・ピロシュ(ハンガリー)に6-4 5-7 4-6で敗れる番狂わせに見舞われたが、ダブルス世界1位のニコラ・メクティッチ/マテ・パビッチ(クロアチア)がマロジャン/ピーター・ナギー(ハンガリー)を7-6(6) 6-2で倒して勝利を決めた。

 ファイナルズでは18ヵ国が3チームによる6グループに別れて総当たり戦を行い、各グループの1位と2位の中でもっとも成績のいい2チームが決勝トーナメントに進出して優勝チームを決定する。試合はベスト・オブ・3セットマッチで行われ、シングルス2試合とダブルス1試合で争われる。

 昨年の大会は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより、開催中止となっていた。オーストリアがロックダウンに入ったためインスブルックでの試合は無観客で行われ、トリノが収容人数の60%に制限され、マドリッドは最大75%までの観客動員が許可されている。

 2019年大会では7日間に渡って全試合がマドリッドで行われたが、プレーヤーやファンから時間が遅すぎてスタンドに空席が目立つナイトマッチと対戦の間に十分な休みがないことに対する批判が出たため大会期間を11日間に延ばして会場を3都市に分けて行うことを決めていた。(APライター◎アンドリュー・ダンプ/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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