ルブレフとメドベージェフの勝利でロシアが前回大会に続くベスト4進出 [デビスカップ・ファイナルズ]
男子テニスの国別対抗戦「デビスカップ by Rakuten ファイナルズ」(スペイン・マドリッド、オーストリア・インスブルック、イタリア・トリノ/11月25日~12月5日/室内ハードコート)の大会8日目は決勝トーナメントの準々決勝最後の1対戦がマドリッド会場で行われ、ロシア(グループA・1位)がスウェーデン(グループB・2位)を2勝0敗で下してベスト4が出揃った。
第1試合でアンドレイ・ルブレフ(ロシア)がエリアス・イーメル(スウェーデン)に6-2 5-7 7-6(3)で競り勝ち、第2試合のエース対決でダニール・メドベージェフ(ロシア)がミカエル・イーメル(スウェーデン)を6-4 6-4で退けた。シングルス2試合で決着がついたため、ダブルスの試合は行われなかった。
世界ランク2位のメドベージェフはデビスカップ・ファイナルズでの全勝記録を続け、ふたたびロシアをベスト4に導いた。グループステージでエミリオ・ゴメス(エクアドル)とパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)に勝っていたメドベージェフにとって、これは今大会で3度目のストレート勝利だった。
スウェーデンのトップ選手で世界94位のイーメル弟に対してメドベージェフは第1セットで2度、第2セットでも3度ブレークした。
「今日はもっといいサービスを打つべきだったけど、チームに勝ち点をもたらすことができて本当にうれしいよ。もっとも重要なのは、僕たちが多くの試合に勝っているということだ。僕たちはグループステージで1試合も負けなかったし、土曜日の対戦が楽しみだね」とメドベージェフは試合後にコメントした。
現在のフォーマットを採用した最初の大会となった2019年ファイナルズの準々決勝でロシアはセルビアを倒したが、カナダに敗れて決勝進出を逃していた。ドーピングによる国際スポーツ界での出場停止処分が現在も進行中のため正式にはRTF(ロシアテニス連盟)と呼ばれているロシアは、今大会で2002年と06年に続く3度目の優勝を目指している。
世界5位のルブレフは同171位のイーメル弟に対するシングルスで、メドベージェフよりもずっと厳しい時間を過ごした。相手のサービスゲームを2度破って第1セットを先取したルブレフは第2セットも5-4としてサービング・フォー・ザ・マッチを迎えたが、そこからイーメルに3ゲームを連取されてセットオールに追いつかれてしまった。
「サービスキープすれば勝利というゲームを迎えたとき、僕はそうすべきではないのに少しリラックスしてしまった」とルブレフは振り返った。
「僕はフォアハンドでいくつかの凡ミスを犯してしまった。集中してすべてを正しくやれば、そのようなミスをすることはないはずなのに、僕は自分の落ち度で彼を試合の中に戻してしまったんだ。それから彼は自分を信じ始め、プレーがどんどんよくなっていったよ」
グループステージでの2試合に勝っていたイーメル弟は第3セットでブレークポイントを7度もセーブするなど最後まで食らいついたが、最終的にはタイブレークの末にルブレフが勝利もぎ取った。日曜日に40歳で世界ランク106位のフェリシアーノ・ロペス(スペイン)に敗れていたルブレフは、今大会のシングルスでマッチ2勝目を挙げた。
過去にデビスカップで7度(1975年、84~85年、87年、94年、97~98年)栄冠に輝いた歴史を持つスウェーデンが最後にベスト4に進出したのはアメリカに敗れた2007年のことで、彼らが同大会で準々決勝を戦ったのは2011年以来だった。
ロシアはディフェンディング・チャンピオンで第1シードのスペインとエクアドルを含むグループAで1位となり、一方のスウェーデンは前回準優勝国で第2シードのカナダとカザフスタンと同組のグループBを1勝1敗で終えたが6つのグループ2位でもっとも成績のいい2チームのひとつとして決勝トーナメントに進出していた。
デビスカップ史上もっとも長く監督を務めているシャミル・タルピスチェフ氏は、ロシア代表としての100戦目を迎えることになった。ロシアはタルピスチェフ氏にとってメモリアルな土曜日の準決勝で、イギリス(グループC・1位)を2勝1敗で破って勝ち上がったドイツ(グループF・1位)と対戦する。
金曜日に行われるもうひとつの準決勝では、世界ナンバーワンのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が率いる第6シードのセルビア(グループF・2位)と第4シードのクロアチア(グループD・1位)が顔を合わせる。
ファイナルズでは18ヵ国が3チームによる6グループに別れて総当たり戦を行い、各グループの1位と2位の中でもっとも成績のいい2チームが決勝トーナメントに進出して優勝チームを決定する。試合はベスト・オブ・3セットマッチで行われ、シングルス2試合とダブルス1試合で争われる。
昨年の大会は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより、開催中止となっていた。オーストリアがロックダウンに入ったためインスブルックでの試合は無観客で行われ、トリノが収容人数の60%に制限され、マドリッドは最大75%までの観客動員が許可されている。
2019年大会では7日間に渡って全試合がマドリッドで行われたが、プレーヤーやファンから時間が遅すぎてスタンドに空席が目立つナイトマッチと対戦の間に十分な休みがないことに対する批判が出たため大会期間を11日間に延ばして会場を3都市に分けて行うことを決めていた。(APライター◎タレス・アッゾーニ/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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